インタビュー
2018年7月23日

情けが通用しない山で手に入れた覚悟。“冒険家弁護士”福永活也さんが語る登山(後編) (2/3)

登山はコスパのいい趣味

――7大陸最高峰制覇まで山は残りひとつ。残りの北米大陸最高峰デナリにはいつ挑戦する予定ですか?

来年行こうと思っています。2016年7月にデナリに挑戦した時は、悪天候が続いて登頂できなかったので、次はうまくいくといいですね。

――今年はもう山には登らないんですか?

はい、おそらく。5月に登ったエベレストが思ったよりも感動がなかったんです。辛さも景色の良さも、全てが想定内で、山そのものに対するモチベーションが下がってしまって。もし、デナリの前に別の山に行くとするなら、カルステンツ(インドネシア、4884m)なら行ってもいいかなとは思っていますが。

7大陸最高峰を定義する時に、オーストラリア大陸の最高峰コジオスコは低すぎるということで、オセアニア最高峰であるカルステンツを7大陸最高峰の1つにすべきではないかという考え方もあるんです。なので、7大陸最高峰制覇って言う時に、カルステンツも登っておいた方が言いやすいです。まぁ正直、そこはどうでもいいのですが、それよりもカルステンツは、登頂率は高いのですが、岩の塊でできている山なので、岩と岩の間をロープで綱渡りをしたりと、かなりテクニカルな山で、これまで経験がないので興味があります。

――“7大陸最高峰の登頂”を達成した先の予定は?

こんな風に語っておいてなんですけど、登山はそこで一旦終了ですね。僕は、そこまで登山が大好きってわけではないので。僕にとっては、山は趣味のひとつでしかない。日本人の中には、登山が特に好きではないし、普段から山に登っているわけではないけど、人生に一度くらいは富士山に登ってみたいっていう人がいるように、僕も人生に一度くらいはエベレストに登ってみたい、7大陸最高峰もとりあえず制覇してみたい、ぐらいに考えています。登山って、すごくコスパのいい趣味ですし。

――コスパのいい趣味⁉

コスパでいうところの、コストで一番大きいものって、お金ではなくて、時間だと思うんです。たとえばエベレストは2か月間、山にこもりますよね。普段登山をしない人からすれば、山に2か月なんて長い!って思うかもしれませんが、人生というスパンで考えれば、たった2か月過ごすだけで、(人生における貴重な経験の)ベスト10のような経験・思い出ができるって、すごくコスパがいいと思います。

――その2か月のために精神力も体力も経済力もつけなくてはいけないのは大変だと思っちゃうんですけど(笑)。

フィジカル的には、フルマラソンを4時間で走れるくらいの体力があれば楽勝です。必要なお金はスポンサーをつけるというやり方もあります。一番のポイントは、メンタルですかね。これは日々の生活に1日1日熱中してきた人であれば、余裕だと思います。

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