インタビュー
2019年6月8日

黒島結菜『いだてん』ロングインタビュー。「女子がスポーツに目覚める時代。この役を演じることができて良かった」 (4/4)

―― 自作のテニスのユニフォームが有名になるシーンがあります。着てみた感想は?
(※ドラマの中では、当時評判になったテニスウエアのデザインを参考にしたものが使われています)

とてもかわいいんです。襟がついたブラウスっぽい形に、ボタンがついた真っ白なワンピースなんです。運動するには、たぶん適していないと思うのですが、見た目重視というか、でもかわいくて、着ていてテンションが上がります。こういう素敵なものを自分たちで作って、着て、運動すると気持ちも高ぶる。見た目から入るのも良いな、と思いました。私もバドミントンをやっている頃、カッコいいユニフォームを着たかったし、それだけで強く見えたりするじゃないですか。それも富江の時代から変わらないのかな。テニスって、上品なスポーツですよね。この時代から、そんな印象が出来上がっていたのかな、と思うほど綺麗なワンピースでした。

『アシガール』の経験があるから、いつまでも走っていられます

―― 土曜時代ドラマ『アシガール』(NHK総合/2017年)でも走っていました。

アシガールで走ったのは、山道とか川の中とか、過酷な場所でした。しかも草鞋(わらじ)でした。『いだてん』では、靴下をはいて靴はスパイク。場所もグラウンドなので私の中ではレベルアップした感覚です(笑)。今回の『いだてん』でも、皆さんから「大変そうだね」「身体をはっているね」と言われるんですが、走ることは好きですし、これくらい余裕だという気持ちです。アシガールの経験があるので、転んだり、なんでも大丈夫です。アシガールのときは、速く見える走り方を意識していました。『いだてん』で意識することは、四三さんの呼吸法だったり。でも現代の走りと、そこまで大きくは違わないのかなと思います。

―― アシガールで共演した古舘寛治さん(可児徳 役)と、『いだてん』でも共演しています。

第24回で、古舘さんと一緒のシーンがあります。四三さんたちが走るのを、みんなで応援するんですが、そのときに「うれしいよー、またこうして一緒に出演できてー」と話しかけていただきました。

―― 今回演じる村田富江という役柄は、以前出演されていた『ごめんね青春!』(TBS系/2014年/脚本:宮藤官九郎)の生徒会長役(演:黒島結菜)と被っている印象もあります。

私も当時を思い出していました。宮藤官九郎さんの作品は、これで2回目です。『ごめんね青春!』は男子校、女子校の話でした。私は女子のリーダー役で、女子たちを引き連れていました。今回、最初に教室に入るシーンとか、フラッシュバックするものがあり、思い出したんですよね。

宮藤官九郎さんの脚本には、私たちがお芝居できる“幅”が残されている気がするんです。あまり細かくまで決められていなくて。役者さんの個性というか、宮藤さんが普段どういう風に本を書いているのかは分かりませんが、役者側に、役のゆとりをもたせてくれている印象があります。だから台本を読んでいて、想像が膨らむんです。読んでいて、いつもおもしろいな、と思います。

―― 第21回から出演し、本格的に『いだてん』に登場していきます。金栗四三も加わり、いよいよ女子スポーツが盛り上がる。ズバリ、見どころは?

どんな風に女子たちが変化していき、スポーツの楽しさに気付いて、それを四三さんが広めていくか、が見どころですね。『いだてん』に、一気に女性が増えます。今までと違う雰囲気になり、画面にも華やかで綺麗なかわいい女の子たちがたくさん出てくるので、見ていて楽しくなります。ぜひ、そのあたりを楽しみにしていただきたいです。

<Text:近藤謙太郎/Photo:NHK提供>

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