ヘルス&メンタル
2022年6月8日

心の不調を抱える人に共通する「ある口癖」とは。医師1000人にアンケート

コロナ禍以降、「心の不調」を抱える人が増えています。ポータルサイト「マイライフニュース」を運営するヒューマン・データ・ラボラトリ株式会社が全国の医師1000名を対象に行ったアンケート調査では、9割以上の医師が増加傾向と回答しているそうです。

コミュニケーション不足などで増える心の不調

同調査によれば、コロナ禍以前と比べて、心の不調を抱える患者は増加傾向であると95.6%の医師が回答したとのこと。

性年代別では、30〜40代女性の割合が高く見られました。

こうした心の不調を訴えた原因にあるのが、「コミュニケーション不足」「職場環境」「家庭環境」などが挙げられています。

リモートワークへのシフトや子どもの休校など、コロナ禍で職場や家庭環境が変化したことが心の不調につながっているものと推測されます。

心の不調を抱える人に多い口癖とは

心の不調を抱える人に多い口癖は、「どうせ」「だめだ」「むり」というネガティブな言葉が上位に挙がったといいます。

医師との会話の中でも、ネガティブな言葉が多く使われていることが伺えます。

心の不調が胃の不調につながることも

また、心の不調を抱える患者の2人に1人以上が胃の不調も抱えているという調査結果も出ています。

とくに、心の不調を抱える人の半数以上が胃の不調を訴えており、「心の不調の改善には胃の健康が重要である」と96.1%の医師が回答しています。

なお、心身症と診断された患者の病態についてヒアリングした結果、「呼吸器・アレルギー系」(33.2%)、「消化器系」(31.1%)、「神経筋肉系」(30.2%)、「内分泌・代謝系」(30.1%)の4つの病態に回答が集まり、それぞれ3割を超えました。

医師が勧めたいセルフケアの方法

ときに全身症状を引き起こす心の不調。

その対策について知りたいところですが、心の不調を抱える患者に医師が勧めたいセルフケアの方法について聞いてみると、もっとも多かった回答は「十分な睡眠」で34.2%となりました。

以降、「運動」(26.7%)、「胃を温める」(26.2%)、「腸を温める」(26.0%)、「食事」(25.8%)が続いています。

また、心のトレーニングも重要とのことで、方法としては、「思っていることをノートに書き出す」で36.3%となりました。

2位以下は、「積極的に誰かと会話をする」(33.9%)、「食事内容を意識する」(30.9%)、「否定的な言葉をやめる」(30.6%)などが有効であるとされています。

ほか、心の不調を抱える患者に勧めたい食材は、1位「ヨーグルト」(32.2%)、2位「納豆」(22.3%)、3位「高カカオチョコレート」(20.0%)。

逆に、心の不調に陥らないために避けた方が良いと思う習慣は「不規則な食事」(37.4%)、「偏食」(33.9%)、「アルコール」(32.6%)、「過食」(30.5%)となっています。

医師に聞いた「心の不調」のアレコレ

今回、心の不調について、ひめのともみクリニック院長・姫野友美先生が色々と教えてくださっています。

たとえば、心の不調と胃の不調の関係について、姫野先生は「『心の不調』と『胃の健康』は、自律神経を介して密接に関係していると考えられています。

脳内には自律神経の中枢があり、胃や腸などの内臓諸器官は自律神経の支配を受けています。このため、心の不調によって自律神経のバランスが崩れると、胃の消化機能がうまく働かなくなり、胃もたれや胃痛など、さまざまな症状が現れます」と解説。

「一方で、胃の調子が良い状態では、脳内で『ドーパミン』という神経伝達物質の分泌が促されます。ドーパミンには、意欲の向上、集中力アップ、ポジティブ思考などの作用があり、心や身体に良い影響を与えるといわれています。

このような『胃脳相関』の関係から、心の不調改善には、胃の健康が重要であるといえます」としています。

6月~7月は心身の不調に注意

また、“ジューン・シック・シンドローム”にも注意が必要であるとのこと。「五月病」という言葉がよく使われますが、姫野先生によれば、「6月から7月にかけて心身の不調を訴える患者さんが急増する傾向にありました。

そこで、私はこの症状を「ジューン・シック・シンドローム」と名付け、注意を呼びかけています」と説明。

「4月から進学や就職など新生活が始まって、5月まではなんとか乗り切れたものの、その間に多くのエネルギーを消費し、さらに湿気の多い梅雨時期も重なって、6月以降に急速に、心身の不調に陥ってしまうケースが増えるのです。『ジューン・シック・シンドローム』を防ぐためには、5月を頑張りすぎず、十分栄養をとって、自分のペースを守りながら、6月に向けてしっかりエネルギーチャージしておくことを推奨しています」としています。

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<Text:辻村>