「季節の変わり目の体調不良」、防ぐには?医師が教える4つのポイント
朝晩過ごしやすいと感じる日が増えてきましたね。しかし、季節の変わり目は体調を崩す方が増えるもの。なんともいえない頭痛、肩こり、倦怠感……それ、秋バテかもしれません。
“なんとなく”元気がない人が6割以上
株式会社ユーグレナが実施したインターネット調査によると、この季節、“なんとなく”元気がない状態という実感を持つ人は6割以上にのぼるという結果が出ています。
済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生によれば、こうした体調の変化は「不定愁訴」と呼ばれています。暑さで体力を消耗した夏の後、秋の始まりとともに、気温や気圧の変化に対応しようとすることで自律神経が乱れ、体調不良を引き起こすと言います。
夏場にエアコンに当たりすぎていたり、栄養不足や消化不良によって腸内環境の悪化を起こしているなど、秋への移行期は自律神経が乱れやすくなります。気圧や気温の変化についていけない体となり、「なんだかよくわからないけれど具合が悪い」という結果に。
秋バテ、防ぐには?
では、“秋バテ”対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
質のいい睡眠をとる
まずは睡眠。谷口先生は6時間以上の睡眠を推奨しています。「決まった時間に起床し、朝・昼・夜の食事を決まった時間に腹八分目に摂るという基本的なことを守ることが自律神経を整える一番の近道です」とのこと。
さらに、質のいい睡眠が大事だそうで、「眠る直前のブルーライトを避ける工夫、たとえば眠る前にパソコンやスマートフォン、テレビなどを見ないなどを心がけるのが好ましいです」とも付け加えています。
軽く汗をかく程度の運動
また、軽く汗をかく程度の運動を毎日することを習慣づけるのも重要だそう。早歩きで10分ほど歩く、ラジオ体操をする程度でもOK。
運動をする時間が取れないという人は、なるべくお風呂で湯舟に浸かって汗をかくことだけでも良いそうです。
腸内環境を整える
そして、胃腸の乱れを防ぐことも重要。腸内環境が乱れることが自律神経バランスを崩す大きな要因となるため、善玉菌のエサになる食物繊維をたっぷり摂取することがおすすめだそうです。
水分補給をする
最後に、しっかりと水分補給をすること。谷口先生は「水分不足は血流の低下につながり、知らない間に神経、臓器が酸素や栄養不足になり、不定愁訴につながることもあります」と指摘。
目安については「水分も、食事で摂る水分以外に飲み物で1日1.5リットル以上は摂るようにしましょう」とし、「緑茶やコーヒーなどのカフェイン飲料は利尿作用があるためそれらだけをガブ飲みするのではなく、麦茶や真水などを1日8回(朝起きたら・朝食時・午前中・昼食時・おやつ時・夕食時・入浴前・就寝前)など規則的にコップ1杯飲む習慣をつけるなど、脱水を起こさないようこまめに摂るのがおすすめです」としています。
【監修】
谷口英喜先生(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長)
教えて!「かくれ脱水」委員会 副委員長、日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。栄養管理・麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液が専門。
<Text:辻村>