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2024年3月21日

なぜスポーツ選手は試合中にガムを噛むのか?その理由に迫る (1/2)

テレビでスポーツを見ていると、選手たちがベンチや試合中にガムを噛んでいる様子を見かけることがあります。なぜ、スポーツ選手はガムを噛むのでしょうか。

今回は、ガムの持つ意外な効果や可能性について見ていきましょう。

なぜスポーツ選手は試合時にガムを噛むのか

効果その1 ガムを噛むと脳血流が上昇し、集中力、判断力が向上する

まず、ガムを噛むことにより、脳の働きが活性化され、集中力や判断力が高まる効果が期待できるという研究結果(※1)があります。

これは、ガムを咀嚼することが脳血流量を増加させ、覚醒レベルを上げることによるものです。

効果その2 ガムを噛む時と噛まない時とでは、体感的な「しんどさ」が異なる

また、ガムを噛んだときとそうでないときでは、体感的な疲労度も異なるといいます。

ある実験(※2)で、運動習慣のある男子大学生11名にそれぞれ「ガム咀嚼あり」「ガム咀嚼なし」の条件下で身体を動かしてもらったところ、ガムを噛んで身体を動かした方が「キツさ」を感じにくくなることが分かりました。

効果その3 噛むことによってセロトニンが分泌され、平常心で試合に臨める

さらに、ガムを噛む事でセロトニンが分泌され、平常心で試合に臨みやすくなるという研究結果もあります。

東邦大学名誉教授の有田秀穂氏の研究によると、ガムを20分間しっかり噛み続けることで、脳のセロトニン(幸せホルモン)神経が活性化し、血液中のセロトニン濃度が増加したといいます。

これにより、選手たちが試合で本来の力を発揮しやすくなる効果が期待できます。

ガムを噛むことでスポーツ時によい効果をもたらす

スポーツ選手が試合中にガムを噛んでいる理由には、こうした科学的な理由があったのです。単に美味しいだけじゃないガムの新たな可能性、あなたもスポーツのときに試してみては。

※1
・塩田正俊、他:ガム咀嚼による脳覚醒が運動パフォーマンスに及ぼす影響,体力科学.58(6):852,2009.
・荻原啓文、他:ガム咀嚼は単純反応時間を短縮させるか,運動器理学療法7,群馬パース大学保健科学部理学療法学科
※2
伊藤咲:ガム咀嚼がサッカーをモデルとした高強度間欠的運動中の生理的および主観的指標に及ぼす影響についての検討 東北学院大学人間情報学研究科年誌26号 pp33-37 2021-06-30

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