2025年4月22日

「人生は良くないし、良くなることはない」──日本人が幸せを感じにくい理由は?調査から読み解く現状

世界30か国・約2万4千人を対象に行われた「イプソス幸福感調査2025」で、日本の“幸福感の低さ”が際立つ結果となりました。調査を実施したのは、世界最大級の世論調査会社・イプソス株式会社。日本における「幸せ」のカギはどこにあり、何がそれを妨げているのでしょうか?

日本人の“幸せ”の源は「家族との関係」

「あなたが幸せだと感じる理由は?」という問いに対して、日本人の最多回答は「家族との関係(41.1%)」。続いて「感謝されている・愛されていると感じること(41.0%)」が僅差で2位に。

人とのつながりが、幸福感に大きく寄与していることが浮き彫りになりました。

一方、不幸の最大要因は「経済的な状況」

逆に「幸せではない」と答えた人の最多理由は「経済的な状況(64%)」。

世界全体でもこの傾向は共通しており、経済的不安が幸福感を左右する重要な要素であることが明らかです。

日本人の生活の質に対する満足度・将来への期待は、どちらも最下位

調査では、「現在の生活の質が高い」、「5年後には生活の質が良くなっていると思う」と回答した日本人の割合が、いずれも30か国中最下位に。

現状への満足度だけでなく、将来への展望にも明るさを感じにくい状況が伺えます。

日本人の幸福度、世界平均を下回る

「あなたは幸せですか?」という質問に「幸せである」と答えた日本人は60%。

これは、調査対象国の平均71%を下回る結果に。前年(57%)より微増したものの、大きな変化は見られませんでした。

幸せのカギは“つながり”と“安定”

本調査からは、日本人の幸福感には「人間関係の良好さ」と「経済的な安心」が深く関係していることが読み取れます。

裏を返せば、この2つの要素を改善することで、より多くの人が「幸せ」と実感できる社会へと近づく可能性があるのかもしれません。

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今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一氏は以下のように述べています。

「昨年同様、日本人の幸福感は30か国の平均を下回る結果となりました。『幸せではない』と感じる要因は、経済的な状況が1位となりましたが、これは30か国平均でも同様の結果でした。経済的に苦しいと感じることが、幸福感に大きな影響を与えているようです。一方で、『幸せ』と感じる要因は、家族との関係が1位となりました。家族や地域社会の結びつきが弱い時代だからこそ、身近な人との良好な関係性や感謝や愛を感じる価値観が広がれば、日本人の幸福度も向上する可能性があるのかもしれません」(内田氏)

【 調査概要 】
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象: 世界30か国23,765人
イプソスはインドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他すべての国では16~74歳の成人
実施日: 2024年12月20日(金)から2025年1月3日(金)
調査機関:イプソス

<Edit:編集部>