2026年10月27日

ブロッコリースプラウトは「認知機能」にもいい?3年半の研究で見えた新たな可能性

年齢を重ねても、記憶力や考える力を保ちたい。そんな「あたまの健康」を支える可能性について、ブロッコリースプラウト由来の成分を使った研究成果が発表されました。

カゴメと弘前大学の研究グループは、認知機能の低下リスクが高い高齢者を対象に、特定の成分を3.5年間摂取する試験を実施。記憶機能を中心とした認知機能の維持に役立つ可能性が示されました。

注目されたのは、ブロッコリースプラウト由来の成分「SGS」

研究に使われたのは、「スルフォラファングルコシノレート(SGS)」という成分。別名「グルコラファニン」と呼ばれ、ブロッコリースプラウトなどに含まれています。

解毒作用、抗酸化作用、抗炎症作用などを示すことから、さまざまな疾病の予防・改善に有効である可能性が多数報告されています。

SGSは、体内などで「スルフォラファン」に変換されます。スルフォラファンは、細胞を守る仕組みに関わる「Nrf2」を活性化することから、認知機能との関係が研究されています。

ブロッコリースプラウトの効果を解説。何に効く?どこまで期待できる?

高齢者26人を対象に、3.5年間の摂取を検証

研究に参加したのは、軽度認知障害(MCI)と判定された人を含む、63〜90歳の男女26人です。

参加者を、SGS入りのサプリメントを摂るグループと、SGSを含まない比較用サプリメントを摂るグループに無作為に分け、毎日摂取してもらいました。期間は3.5年間、42か月に及びます。

参加者と試験担当者の双方が、どちらのサプリメントか分からない方法で実施。両グループには、任意で参加できる運動プログラムも提供されました。

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記憶機能を測るテストで、維持への可能性

認知機能の評価には、記憶機能を中心に測定するテストを使用しました。

試験期間全体の変化を解析すると、SGSを摂ったグループは、比較グループよりも認知機能指数「MPI」の変化が良好でした。単語を覚えてすぐに思い出す課題や、時間を置いて思い出す課題でも、グループ間に差が認められています。

ただし、参加者全体のMPIについて、試験終了時点の比較だけでは統計的に明確な差は認められませんでした。開始時にMCIと判定された参加者では、SGS摂取による良好な変化が示されています。

「食べれば認知症を防げる」と分かったわけではない

今回の研究は、少人数で行われた予備的な試験です。認知機能の維持に向けた可能性は示されましたが、認知症などへの移行率には、グループ間で統計的に明確な差はありませんでした。研究者も、より大規模な試験での検証が必要としています。

また、使用したのは特定の成分を含むサプリメントです。ブロッコリースプラウトを普段の食事で食べた場合に、同じ結果が得られるかを調べた試験ではありません。

身近な野菜に含まれる成分が、将来の「あたまの健康」にどう関わるのか。今回の成果は、その可能性を探る手がかりになりそうです。

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スルフォラファングルコシノレートの健康な高齢者の認知機能に対する二重盲検無作為比較対照試験
Nouchi, R., et al. (2022). "Effects of sulforaphane intake on processing speed and negative moods in healthy older adults: Evidence from a randomized controlled trial." Frontiers in Aging Neuroscience 14.

<Edit:編集部>