インタビュー
2019年2月25日

生田斗真『いだてん』インタビュー。「宮藤官九郎さんには必ず服を脱がされるんです」。東大卒&運動神経万能・三島弥彦の心技体を表現するために (2/4)

盛り上げる“天狗倶楽部”。暑苦しいまま突き進む「痛快男子」たち

—— 三島弥彦を演じる上で気をつけているところや、工夫したところなどを教えてください。

もともとこのドラマには「痛快」というコンセプトがありました。弥彦さんも天狗倶楽部の「痛快男子」なので、勢いと元気いっぱいの「痛快さ」に、少し空回りしてしまう「イタさ」みたいなものが香るといいなと思って演じています。その中にも孤独や寂しさを抱えている人間味を出していきたいですね。

—— 天狗倶楽部はほかにも武井壮さん、満島真之介さん、近藤公園さんなどテンションの高い方々がそろっていると思うのですが、お芝居をしていて引っ張られたり影響を受けたりする部分はありますか。

そうですね、みなさん率先してリーダーシップを取ってくれるので、助けられている部分がたくさんあります。特に満島くんの演じる吉岡信敬は、「ヤジ将軍」というあだ名がついた日本で初めての応援団長として知られた役柄で、もう本当にずーっと「TNG! TNG!」って叫んでいるんですよ。毎回声を枯らすほど一生懸命やってくれていて、ほかの天狗倶楽部のメンバーにも「もっと声を出せ」とか、「振りを確認しよう」とか、よく声かけをしてくれるので、頼りになる俳優だなあと思っています。

—— 初回の放送から「天狗ダンス」が話題になりましたが、実際に演じられている側として反響はどのように感じましたか。

第1回の放送から各方面で天狗倶楽部に関するいろいろな声が聞こえてきてうれしかったですね。まさかこんな形で話題になるとは思ってもみませんでしたが、ありがたいなと。

—— ディレクターには「演っている方も恥ずかしいけれど振り切って演ってもらった」という風にお話を伺ったのですが、恥ずかしさなどはありましたか?

いやあ、どうでしょう。恥ずかしさを感じる暇もないほど暑苦しくやっていました。朝一発目の撮影が天狗ダンスは体力的にキツイなあというときもありましたけど(笑)、やっぱり天狗倶楽部はこのドラマの序盤部分を引っ張っていく重要な存在ですし、物語の展開に大きく関わるので、とにかく僕らは突き進んでいこうと思って演じていました。恥ずかしさも、ロケ時の暑さも、喉の枯れもぜんぶ越えていくぞ、という気持ちですね。

—— 三島弥彦の盟友である、主人公・金栗四三を演じる中村勘九郎さんの印象はいかがでしたか。

「いい俳優さん」という印象です。ふだんは歌舞伎役者として第一線で活躍されていて、細かな心の揺らぎ表現などがとても上手だなと感じています。隣にいると心強いですね。

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