じろう(シソンヌ)×いだてん。「阿部サダヲさんにしかない、あのスピード感や疾走感。何かしら盗みたいなと」 (1/2)
日本人初のオリンピアンとなった金栗四三と、1964年の東京オリンピック招致に尽力した田畑政治を描いた、宮藤官九郎さん脚本によるNHKの大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』。
第2部から主役を務める阿部サダヲさん演じる田畑政治は、朝日新聞社の記者でありながらも、水泳指導者としてオリンピック選手を育てていきます。その朝日新聞社の同僚でスポーツ記者・大高を演じているのが、お笑いコンビ「シソンヌ」のじろうさん。阿部サダヲさんら共演者とのエピソードなどを明かしてくれました。
《続々更新中!いだてん出演者インタビュー》
●菅原小春×大根仁。日本女子スポーツのパイオニア・人見絹枝をいかにして演じたのか
●阿部サダヲ「暗くなりがちな時代だからこそ、スポーツを通して明るくなってほしい」
●黒島結菜「女子がスポーツに目覚める時代。この役を演じることができて良かった」
●森山未來「いかにして稀代の落語家を演じるのか」
[プロフィール]
●じろう
1978年7月14日生まれ、青森県弘前市出身。2005年、吉本総合芸能学院東京校(東京NSC)に11期生として入学。翌2006年、同期の長谷川忍とお笑いコンビ「シソンヌ」を結成。2014年、キングオブコント(KOC)で優勝。連続テレビ小説『まれ』(NHK)、『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)などドラマにも出演している。●尾高(おだか)
当時珍しかったスポ一ツ記者として活躍。1928年アムステルダムオリンピックに同行し、人見絹枝の日本人女子初となる女子800メートル銀メダル、織田幹雄の三段跳び金メダル、鶴田義行の男子水泳200メートル平泳ぎ金メダルなどを伝える。田畑と河野の意見対立に振り回されるが、2人に引けをとらないほどのスポーツへの愛情の持ち主。
【あらすじ】第29回「夢のカリフォルニア」(8月4日放送)
いよいよロサンゼルス・オリンピックが開幕。日本水泳チームの総監督として現地に乗り込んだ田畑政治(阿部サダヲ)は、広大で美しい選手村で各国の選手たちが交流する姿を見て、これぞスポーツの理想郷と感激するが、その一方で日系人差別も目の当たりにするなど複雑な思いも抱く。全種目制覇を絶対の目標とする田畑は、本戦に出場するメンバー選びで非情な判断を下し、高石勝男(斎藤工)ら選手との間に軋轢あつれきを生む。田畑の執念は実を結ぶのか──。
芸人にしか出せないラインのものが出せたら良いなと
—— 大河ドラマの出演が決まった感想をお願いします。
今回、脚本は宮藤官九郎さんで、大根仁さんも関わっていると聞いていたので、スケジュールに入っていた時はびっくりしましたし、うれしかったですね。宮藤さんのドラマはずっと拝見していて、一度は出てみたいと思っていました。有難いことに前回の『西郷どん』にも出演させていただいたのですが、その時は町人Aみたいな役だったんです。そこから今回は役名をいただけたので、楽しかったですし、よりやりがいがありました。
—— 最初に記者役だと知った時はどう思いましたか?
だいたいサラリーマンや記者などの地味な役が多いので、地味な顔で良かったなと(笑)。丸めがねがきいたのかなと思っています。実際NHKに来たら、丸めがねから衣装の丸めがねに付け替えたので(笑)。
—— 新聞社のセットについて。
最初に入った時、本当にびっくりしました。登場シーンが伝書鳩を飛ばす、飛ばさないというようなシーンだったんですけれど、本当の鳩がたくさんいて。鳩を触ったのは初めてだったんですけれど、以外とフカフカしてるんだなと思いました(笑)。セットはどのセットもすごくてびっくりしましたね。本当に当時もこんな感じだったのかなと。
—— 最近ドラマでお見かけすることも増えてきましたが、演技のお仕事はいかがですか?
すごくありがたいですね、普段経験できない現場なんで。会えない芸能人にもいっぱい会えますし(笑)。普通に演じるよりは、コミカルなものが求められて呼ばれていると思うので、そこをなんとかできるようにと思ってやっています。
—— コントの経験がドラマに活きているなと思うときはありますか?
どうなんですかね。コントの方がやりなれていますし、ふざけてもいいので。そこの度合いがドラマだとまだ難しいです。昔、やりすぎて「それちょっとボケすぎなんでやめましょう」と怒られたことがあるので(笑)。ちょうどいい、芸人にしか出せないラインのものが出せたら良いなと思っています。台詞もそんなに多くはないので、なんとか映っているところで少しずつ爪痕を残すというか、自分なりのアプローチの仕方ができればなと思って参加させてもらいました。