26時のマスカレイド森みはる「他人より自分との勝負。自己ベストを出すことに必死でした」(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#25 (1/2)
スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載「アイドルと、スポーツと、青春と。」。
今回話を聞くのは、WEGOと文化服装学院が衣装をプロデュースするアイドルグループ、26時のマスカレイドの森みはるさんです。幼稚園の頃からスイミングスクールに通いはじめ、ジュニアオリンピック出場を目標に小学校6年生まで厳しい練習を続けていたという彼女。そうした経験を通じて何を得たのでしょうか。
後編では、厳しかった合宿の思い出や、ジュニアオリンピックの基準タイムに惜しくも届かなかった悔しい気持ちについて聞きました。
合宿では一回の練習で10000mくらい泳いでいた
――水泳をやっていてよかったと感じることはありますか?
持久力が鍛えられたことですね。学校を転校した直後にあったマラソン大会で2位になったんですけど、普段はミニバスの子が上位を独占してたみたいで「あの子は誰だ?」「バスケ部に勧誘しろ!」となって(笑)。それで学校にすんなり溶け込むことができました。
――では、逆に辛かったことは?
夏と冬に4泊5日の合宿があったんですけど、相当つらかったですね。練習の時間が長いから泳ぐ距離も半端なくて。泳いだ距離をノートに書くんですけど、一回の練習で10000mくらい泳いでましたね。午前中に5000m、午後にも5000mという感じで。あまりに泳ぎ続けるから、途中で自分が今何をやってるのかもわからなくなっちゃうんですよ。もう一生泳ぎ続けるんじゃないかと思いました。それに加えて朝は山道をマラソンして、ご飯もありえない量を毎回食べなきゃいけなくて。食べられないと居残りだったので辛かったです。
▲森さんが小学生のときに記録していたノート
――厳しい練習で鍛えた後は、大会に出ることもあったんでしょうか。
土日は試合に出ることが多かった気がするんですけど……ぜんぜん覚えてないんです、ごめんなさい(笑)。唯一覚えてるのは、「かしわもち水泳大会」です。普通の大会なんですけど、参加者全員が柏餅をもらえるんですよ。あと、何の大会か覚えてないんですけど、家にはメダルがあったと思います。
――大会での成績には、あまり固執していなかった?
そうですね。大会でメダルを取るより自己ベストのタイムが出たときのほうがうれしかったです。当時はジュニアオリンピックに出ることを目標にしていたので、とにかく基準タイムを超えたかったんです。他人よりも、自分との勝負というか。
――では、いちばんうれしい瞬間は自己ベストを出せたとき?
そうですね。5年生のときがいちばん良かったんですけど、基準タイムまであと0.2秒のところまでいけたんですよ。
――それは悔しいですね。
もちろん悔しいんですけど、水泳は常にその0.1秒以下を競う競技でもあって。だから、実際はそんなに惜しくないんですよ。タイムは0.01秒まで出るので、0.2秒なんかどっちでもいいじゃんって感じるくらいの時間なんです。5年生のときは過去イチ頑張ってた実感があったので、これだけやって届かないのかという絶望感もありましたね。
――それがきっかけで水泳をやめたんですか?
6年生までは続けたんですけど、あるとき骨折してしまって。しかも学年が上がったことで基準タイムもさらに速くなってしまったので、これ以上続けても厳しいかなと思ってやめました。