2023年12月7日

エリンギの栄養や食べ方、冷凍保存のコツ!栄養素を逃がすNGレシピも

秋の食材「きのこ」。豊富な食物繊維により、便のカサを増やして便秘解消を促したり、腸内環境を整えて免疫力の維持などにも役立つ食べ物です。今回は、キノコのなかでも人気のエリンギにフォーカス! どんな栄養素の特徴があるのでしょうか。

エリンギの栄養素と特徴

エリンギ100gのカロリーと栄養素

  • エネルギー 31 kcal
  • たんぱく質 2.8 g
  • 脂質 0.4 g
  • 炭水化物 6.0 g(食物繊維3.4 g)
  • ナトリウム 2 mg
  • カリウム 340 mg
  • マグネシウム 12 mg
  • リン 89 mg
  • 鉄 0.3 mg
  • 亜鉛 0.6 mg
  • 銅 0.10 mg
  • マンガン 0.06 mg
  • ヨウ素 1 μg
  • セレン 2 μg
  • モリブデン 2 μg
  • ビタミンD 1.2 μg
  • ビタミンB1 0.11 mg
  • ビタミンB2 0.22 mg
  • ナイアシン 6.1 mg
  • ナイアシン当量 6.7 mg
  • ビタミンB6 0.14 mg
  • 葉酸 65 μg
  • パントテン酸 1.16 mg
  • ビオチン 6.9 μg

エリンギといえば葉酸

エリンギには他のきのこ類と比較すると、葉酸が豊富に含まれています。

葉酸とはビタミンB群の水溶性ビタミンで、ビタミンB12とともに赤血球を作る際に必要になります。ビタミンB12は別名「造血のビタミン」と呼ばれており、貧血予防に役立ちます。

ちなみにビタミンB12が多く含まれる食べ物は牛レバー、鶏レバー、牡蠣、サンマ、アサリ、シジミなどです。

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一緒に食べるといい食材は「鶏肉」

鶏肉に豊富なたんぱく質とエリンギに含まれるビタミンDで、カルシウムの吸収を促すだけでなく、筋肉の合成を促す作用もあります。

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どのくらいからが食べすぎライン?1日に食べる量

きのこ類の1日の摂取量目安は50g〜100gといわれています。

なるべく複数種類のきのこを食べると、さまざまな栄養素を摂ることができるのでおすすめです。食感や味にも変化をつけられるので、料理の味もおいしくなりますよ。

食べ過ぎるとむしろ便秘につながりやすい

ただし、きのこ類をあまりにも食べ過ぎると、場合によっては食物繊維のとりすぎにより下痢や腹痛につながることも。

エリンギに含まれる不溶性食物繊維は便のカサを増やしますが、便のカサが大きくなりすぎると腸内で詰まりやすくなり、便秘になることも考えられます。

さらに、食物繊維はあまりにも多く食べすぎると消化不良や胸やけを起こす可能性があります。あまり体調がよくない場合は、多く食べ過ぎるのは避けた方がいいでしょう。

エリンギは洗う? 洗わない?

エリンギに限らず、きのこ類を調理するときに大切なことは、なるべく洗わないということです。きのこを洗ってしまうと、水っぽくなり、香りや風味も薄くなります。

汚れが気になる場合は、キッチンペーパーなどを湿らせて拭き取りましょう。

エリンギの栄養素を逃さない食べ方

スープにすると水溶性ビタミンもとれる

煮る場合はスープなどにして、煮汁も一緒に食べられるようにしましょう。煮汁にはビタミンB群など水溶性ビタミンがたくさん含まれています。スープやお味噌汁などの汁物にすると、ビタミン類も余すことなく摂取できるのでおすすめです。

また、網焼きをはじめ、焼く調理法もきのこ類にはぴったりです。旨味や香りを丸ごと味わうことができます。切り口や、かさの裏側を上にして、水分が表面に出て濡れたようになるまで焼きます。

炒める場合には、強火でさっと炒めましょう。弱火で炒めると水っぽくなってしまいます。

エリンギは冷凍できる?

こちらもエリンギに限らず、きのこ類は、冷凍することで旨みが強くなる可能性もあります。冷凍してから加熱すると、細胞膜が壊れやすくなり、酵素の働きでよりおいしさを感じられます。

冷凍すると1か月前後は保管できるので、とても便利です。

きのこを冷凍する場合は、洗わずに食べやすい大きさに切ってから冷凍しましょう。石突がある場合はとりのぞき、ほぐせるタイプのきのこはほぐしてから冷凍します。

また、なるべく短い時間で冷凍することもおいしさを保つコツです。ジッパーつきの袋に入れ、平らにして金属製のトレーに乗せると短時間で冷凍できます。

「冷凍すると長期保存できる代わりに、食材の味が落ちると勘違いされがちです。しかし、実は脂質の酸化を防ぐなど食材の劣化を止める役割もあります。また、シジミのオルニチンなどは冷凍することで増加し、きのこ類も冷凍することで細胞が壊れ、酵素が働くことでうまみ成分であるグアニル酸が増えます。」(鈴木先生)
「冷凍すると味が落ちる」は勘違い!冷凍博士に聞いた【誤解しがちな冷凍保存テクニック】より

プロフィール

山形ゆかり
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師。薬膳アドバイザー。フードコーディネーター。病院薬剤師として糖尿病患者の服薬指導中に食養生に着目。牛角・吉野家、薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発を行う。現在は、「健康は食事から」をモットーに、漢方のプロとAIが適した漢方薬をお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」や山形ゆかりの薬膳チャンネルでも情報発信をしている。
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/@medicalhealth--7900

※本記事はMELOSで公開された記事『きのこの種類と栄養|しめじ、しいたけ、エリンギ、えのき、まいたけ…』を再編集したものです。

<Edit:MELOS編集部>