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2023年12月12日

冬ランニング、こんな服装はむしろ冷える!防寒対策の落とし穴

冬場のランニングは寒いですが、この時期はランニングシーズンでもあり、走るには適している季節です。インナーやタイツなどを着用して、保温対策を行う人も増えてきています。

防寒ウェアを着て走るにあたって、初心者がやりがちが気を付けたいポイントがあります。フィットネストレーナーとして活躍する鳥光健仁さんと、“走る”フリーライター三河賢文さんが語った、冬ランの服装に関する注意点をまとめてご紹介します。

発熱性のあるインナーに注意!

温かい状態を保とうと、ヒートテックなど発熱性を持つインナーをランニングでも使用している方がいるかもしれません。しかしランニングでは、こうしたインナーは避けた方が無難です。

発熱性のあるインナーは、熱を外に逃さないよう通気性が低くなっています。その状態で走って汗をかくと、その汗はインナーの中に留まってしまい、ランニングを止めた際、身体が一気に冷えてしまう原因になりかねません。

そのため、寒い時期でも吸汗性と速乾性に優れたインナーを選んだ方が、快適にランニングを楽しめます。シェルウェアなど、着脱のしやすいウェア類も活用してみてください。

綿がいいわけではない!

綿(コットン)は、吸水性、吸湿性は高いものの、運動によって出た汗を乾かすことができないのが難点。綿100%のシャツで運動をすると、雑巾を絞るかのように汗を含んでしまいます。

スポーツTシャツに多く使われる素材は「ポリエステル」です。冬場はポリエステル100%のインナーだけだと保温性がないので、暖かい素材のアウターが必要になってきます。

近年はウールを使用したスポーツウェアも増えています。秋冬モノのアンダーウェアに使用されることが多く、保温効果が高い素材。吸湿性、撥水性が高いという一面も。

背中の通気性も重要!

バックパックを背負って走る際には、やはり通気性が悪くなり、背中に汗が溜まりがちです。

信号で止まった際などに、定期的にバックパックを降ろして風を通してあげるとよいでしょう。

暑くなるからと薄着で走るのはオススメできない

走っていると暑くなってくるからと、冬でも防寒ウェア一枚で走るランナーもいますが、「低体温症」にならないよう注意が必要です。

寒いと皮膚から身体の内側まで冷えていきます。低体温症になると身体が震え、鳥肌が立ち始めます。さらに体温が低下すると動くこともままならなくなり、最悪の場合は心臓の働きなどに影響を与えかねません。

寒い時期は薄着でのランニングは避け、保温効果が高く動きやすいランニングジャケットの着用をオススメします。

【参考】初めて冬ランした編集部員の服装は?

フルマラソン完走経験者指南のもと、12月に外ランした編集部員。そのときはどんな服装だったのかというと……。

◆必要最低限の服装
・ランニングパーカー
・ランニングパンツ(女性であればランニングタイツでも可)
・ランニングパーカーの下に着る保温インナー
・靴下
・ランニングシューズ

◆必要なもの
・水分補給ドリンク(水、スポーツドリンク、ルイボスティーなどノンカフェインドリンク)
・手袋

◆あるといいもの
・リップクリーム
・イヤーマフや帽子、ネックウォーマー(とくに寒い日)

イヤーマフやネックウォーマーは、気温が低い日や寒がりな人はとり入れるとよさそうです。首元、耳が隠れていると非常に暖かさを感じました。

また、走っていると唇が渇いてきますので、ガサガサにならないようリップクリームを持っておくと安心。乾燥している日は何度も塗り直したこともあります。

タオルも持っていきましたが、使用しない日も多かったです。

▼はじめての冬ラン体験記
スポーツ振興の神「亀戸香取神社」~「亀有香取神社」を、ランニング初心者が走ってみた|現場突入!編集部レポ

ベテランランナーはどんな防寒対策してる?

手袋・ネックウォーマーなどで部位も防寒する

手袋・ネックウォーマー・アームウォーマー・耳当てなどもオススメです。身軽に最低限の防寒着で走りたいという方は、部位ごとの防寒具着用がよいでしょう。

アームウォーマーは筒状になっているので、熱くなったらまくって腕を出せるので、体温調節が用意です。

とても軽量なので、重さが気になるといったことはないでしょう。素材によっては、そのままリストバンドのように汗を拭くこともできます。

トレーニング前に動的ストレッチを行なう

トレーニング前に室内・屋外問わず15分~30分の動的ストレッチ(カラダを動かしながら行うストレッチ)を行ないます。

筋肉への刺激と可動域を広げて筋温を暖めてから、トレーニング(本練習)に取り組むようにすると、筋肉や関節のケガのリスクを抑えることができます。

また、柔軟性が低いと体勢を崩した際にいつもより関節が動かず、ケガをしやすい原因となります。これはトレーニング中に限らず、日常生活の中でも同じようにリスクが高まるのです。

カラダが温まったと感じても、筋温はそれほど上がっていないことが少なくありません。汗ばむくらいまで、しっかりウォーミングアップするように意識しましょう。

ランナー直伝!冬ランを暖かくする防寒アイテムたち

Buff(バフ)

寒い時期のヘッドギアとしてオススメしたいのが『Buff(バフ)』です。

スペイン発祥のアイテムで、見た目は薄い筒状の布です。ヘアバンドや帽子のように頭へ巻くほか、例えば首へネックウォーマーのように巻いたり、口まで覆って冷たい空気が入るのを防いだりと、巻き方次第でさまざまな役割を果たします。

ロードランニングだけでなく、トレイルランナーやサイクリストなどユーザーが増えています。

キャップのようにツバの付いたタイプもあり、日差しの強い日にはこちらのタイプがオススメです。

ホットクリーム・ホットジェル

肌に塗るだけで身体がポカポカと温まるホットクリーム。特に寒い中でのゆっくりしたLSDなどでは重宝します。走り出しやレースの待ち時間なども、快適に過ごすことができるでしょう。

ただし塗り過ぎは要注意。走ってしばらく経てば、ホットクリームがなくても身体は温まります。そのため、ホットクリームを塗り過ぎると余計に発汗してしまい、不快に感じるかもしれません。

走り出してから暑くならないよう、小範囲に塗ったり少なめに塗ったりと、工夫が必要です。

もしレース本番での使用を考えている場合には、分量など事前にトレーニングに検証しておきましょう。人によっては肌に合わず痒みがでたり、炎症が起きる懸念もあります。

用法を守り、何かあればすぐ医療機関で受診してください。

シェルウェア

薄くてペラペラのシェルウェアは、なんといってもその軽量性が魅力。ある程度の防水・防風性を兼ね備えており、1枚着用するだけで温かさは大幅にアップします。

走っていて暑くなれば、脱いで腰に巻いたりバックパックやポーチに入れたり。軽量のため、持ち運んでも邪魔になりません。

ちなみに、大会などではシェルウェアの代わりにゴミ袋やビニール合羽を被って走り始める人もいます。これなら暑くなればゴミ箱に捨てられるので便利でしょう。

ただし通気性はありませんので、快適さを求めるならシェルウェアがオススメです。

ゴアテックス素材が使われたランニングシューズ

また、最近ではウェアだけでなくランニングシューズにもゴアテックス素材が使われているものもあり、寒さ対策がしやすくなっています。

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監修者プロフィール

三河賢文(みかわ・まさふみ)

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

鳥光健仁(とりみつ・たけのり)

鳥光健仁フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。
(株)BOOST(https://boost-inc.jp/)マネジメント契約

<Edit:編集部>