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「相手を倒すことよりも大事なのは、生き残ること」実は平和主義の格闘技。それがロシアのシステマ! (1/3)

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 ロシア軍特殊部隊の将校であった、ミカエル・リャブコ氏により創設された格闘技「システマ」。世に存在する多くの格闘技は、相手を打ち倒すことを目的としていますが、システマは「生存すること」を最大の目的としています。

 システマには基本となる構えもなければ、試合もありません。敵を倒すことよりも生存することに主眼を置いているので、戦闘が発生してしまった場合はまず戦いを終わらせることを優先させます。互いのダメージを最小限にして戦闘を終わらせれば、恨みも残らず平和的な解決ができる。それが、システマの考えです。

 従来の格闘技とはだいぶ毛色の異なるシステマを体験するべく、ミカエル・リャブコ氏から公認システマインストラクターとして認可された北川貴英氏が主催するシステマ東京の練習に潜入しました。

生きのびるための総合的なノウハウ=システマ

 「システマ東京のクラスには30代~40代の働き盛りの男性がメインに通っています。もちろん、女性もいらっしゃいます。皆さん、単に格闘技を習うというよりも、人生や仕事にシステマの思想を応用するために通われています」と、北川氏は語ります。システマとは、人生をサバイブするための総合的なノウハウを学ぶための仕組みであり、格闘術はその中の一部だということです。

▲公認システマインストラクターの北川貴英氏

 最初は2人1組のマッサージから始まります。足を使い体重をかけて、寝そべった相手の全身をほぐしていきます。マッサージをされる側は、全体重をかけて身体を踏まれるのでなかなかのしんどさです。

▲身体全体を入念に足でマッサージしてもらいます

 北川氏によるとこの足で踏むマッサージの目的は2つあります。

「このマッサージはボディウェイトマッサージと言い、他者に触れること、他者から触れられることに慣れるために行います。足で強く身体を踏み込まれると緊張した部位に痛みが生じます。この痛みを逃そうと呼吸をすることで、自然に呼吸とリラックスの方法が身についてきます」

 システマの基本的な呼吸法は、鼻から息を吸って口からふーっと自然に吐くというもの。これにより、身体的、精神的な緊張をリセットします。

 最後に、「緊張はがし」と呼ばれる背骨から肉を引きはがすようなイメージで揉みほぐすマッサージをします。これも慣れていないとかなりの激痛。

▲「緊張はがし」と呼ばれる独特のマッサージ

 足で踏むボディウェイトマッサージは身体を圧迫することでリラックスを促します。これに対して、緊張はがしは筋肉を引っ張ることでリラックスを促します。両方を行うことで、よりリラックス効果が高まるのです。

ナイフを持った相手を前にして、自由に動き続ける訓練

 システマには決まったカリキュラムなく、毎回異なる練習が行われます。この日のメニューは、ナイフを使ったトレーニングが行われました。ここで学ぶのは「ナイフを持つ相手にどう対処するか?」といったことではありません。ナイフを突きつけられるという日常生活ではあまり経験できないイレギュラーな状況の中で、自分はどういう不安を感じるのか? その不安をいかにコントロールして冷静に動いていくか、ということを体験して学んでいきます。

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