2023年3月3日

東京マラソンを完走したい!最後まで走りきるためのポイント5つ│東京マラソン完走HOW TO #5 (2/2)

3.坂道は“見ない”ことで意識から外す

東京マラソンは大きなアップダウンがなく、ほぼフラットコースと言って良いでしょう。しかしそれでも、疲れてくれば多少の登り坂すら壁のように感じてきます。

そこでオススメなのが、坂道を見ないこと。目線を周囲の景色や応援、あるいはコース上ならやや足下側に向けることで、「もうすぐ登り坂が訪れる」「登っている」ことを認識しないようにします。

もちろん登り坂に入れば、身体への負担が増えるでしょう。しかし視覚から坂道であるという情報が入らないと、思いのほか平地と変わらぬ走りができるものです。特に傾斜の緩い坂道であれば、いつの間にか坂を越えてしまえます。

ちょっと眉唾ものかもしれませんが、ぜひお試しください。

4.走れなくなる前に休む“ウォークブレイク”

フルマラソンでは、よく“30kmの壁“なんていう言葉が使われます。これは30kmを超えると足が重くなり、走れなくなるような状態を表すもの。しかし人によっては、これより以前の段階で同じような状態に陥るかもしれません。

足が重くて動かず、走ることができない。一度そうなってしまうと、再び走ることは非常に困難です。疲労の蓄積は最高潮に達しており、少し休んだくらいで回復するものではありません。私もこれまで、同じような状態を何度も経験してきました。

そこでオススメなのが“ウォークブレイク”という方法。これは、疲れて走れなくなってしまう前から、ウォーキング(=歩き)を入れて疲労を蓄積しないよう努めるというものです。

簡単なのは給水所での導入。給水所に着いたら歩きながら落ち着いて紙コップを取り、ゴミ箱まで飲み物を飲みながら歩きましょう。そして、紙コップを捨てたら再び走り出すのです。

©東京マラソン財団

一度歩いてしまうと、走り出せなくなると思うかもしれません。しかし、まだ疲労が溜まりきっていない状態であれば、数メートルですぐにいつも通りの走りに戻るでしょう。

歩いている時間は1分もありませんが、疲れ果てる前から足を休ませてあげることで、長く軽快な走りを続けられるようになります。むしろパフォーマンスが高い状態で維持できるため、歩きを入れているにも関わらず自己ベスト更新! なんていう可能性もあるでしょう。

5.ゴールした自分をイメージする

身体はもちろん、マラソンを走るうえでは気持ちがとても大切です。気持ちが切れるとネガティブな思考ばかり巡り、やがて“やめる理由”を探し始めてしまいます。

そんなときは、ゴールした自分をイメージしてみてください。マラソン経験者なら走り終えた爽快感や達成感、初めてのフルマラソンなら周囲からの賞賛など。

もちろん、打ち上げで美味しいビールを飲んでいる自分をイメージするのでも良いでしょう。すると折れそうになった気持ちが立ち直り、やる気が湧いてくるはずです。

多くの場合、「もう走れない」と感じても実際には余力が残っているものです。これを引き出して走りきれるか、それともそのまま足を止めてしまうか。これは身体的な疲労より、気持ちに左右される部分が多いでしょう。

明るく楽しい、うれしいゴール後の未来をイメージし、そこに向かって足を進めてください。

ランナーの皆さん、ファイトです!

まもなく開催される「東京マラソン」。本番に向けて、少しずつ気分が上がってきているのではないでしょうか。

これまで5回に分けて、大会での快走に向けた情報をお届けしてきました。最後は悔いなく笑顔でゴールゲートをくぐれるよう、ぜひ参考にして本番を迎えてください。

《東京マラソン完走HOWTO》
ランニングやマラソントレーニング後に!効果的な疲労回復法│東京マラソン完走HOW TO #1
マラソン大会前に"疲れる練習”は禁物!コンディションを整える「調整トレーニング」のポイント│東京マラソン完走HOW TO #2
【マラソン大会前の食事法】前日は炭水化物を多く摂るべき?お酒はOK?経験者が語る!│東京マラソン完走HOW TO #3
東京マラソン大会前日&当日朝の過ごし方│東京マラソン完走HOW TO #4

[筆者プロフィール]
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text:三河賢文>

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