
腹筋ローラーは毎日やっていい?逆効果になるNG習慣と効果的な頻度とは (3/3)
毎日腹筋ローラーで逆効果になるNG習慣
腹筋ローラーは間違った習慣で毎日続けると逆効果になり、腰や肩を痛めるリスクも高まります。特に注意したいNG習慣を見ていきましょう。
毎日100回など極端にやりすぎる
「回数をこなせば痩せる」「腹筋が早く割れる」と考えて、毎日100回以上を続けるのは逆効果です。疲労が回復せず筋肉が成長しにくくなるほか、フォームが崩れて腰や肩に大きな負担がかかります。質の高い10〜15回を丁寧に行う方が効率的です。
背中を反らして勢いで転がす
ローラーを転がすときに背中が反ってしまうと、腹筋ではなく腰に負担が集中します。毎日続ければ腰痛の原因になるため、おへそを覗き込むように背中をやや丸める意識が大切です。
呼吸を止めてしまう
腹筋ローラーは、動作がきつくなるほど呼吸を止めがちです。しかし、呼吸を止めると血圧が急激に上がり、パフォーマンスも落ちます。転がすときに息を吸い、戻すときに息を吐く基本を守りましょう。
食事管理をせず腹筋だけで痩せようとする
「毎日やれば腹筋ローラーだけで痩せる」と考えるのもNGです。腹筋の上に脂肪がある限りシックスパックは見えません。毎日ローラーを続けても、食事管理や有酸素運動を組み合わせなければ効果は限定的です。
女性が毎日腹筋ローラーを1ヶ月続けたら?出る変化と効果
腹筋ローラーは男性だけでなく、女性にも効果的なトレーニングです。特にウエストの引き締めや姿勢改善を目的に取り入れられています。女性が毎日続けた場合に、期待できる変化をまとめました。
ウエストの引き締まり
女性は筋肉が肥大しにくいため、「ゴツくなる」心配は不要です。毎日10回前後を1ヶ月続けると、ウエストサイズの減少やお腹の引き締まりを感じやすくなります。
姿勢改善・体幹の安定
腹筋ローラーは腹直筋だけでなく体幹全体を使うため、猫背や反り腰の改善に役立ちます。正しいフォームで毎日短時間でも続けることで、デスクワークで崩れがちな姿勢が整いやすくなります。
筋力アップと立ちコロへのステップ
女性でも膝コロを10回×3セットこなせるようになれば、数ヶ月で立ちコロに挑戦できる体幹が養われます。ですが、無理に毎日高強度を狙うのではなく、軽めをコツコツ続けるのが安全です。
腹筋ローラーだけで体は変わる?ビフォーアフターの真実
SNSなどでは「腹筋ローラーだけで腹筋が割れた」という体験談も見られます。実際に腹筋ローラーだけで体を変えることはできるのでしょうか?
腹筋ローラーのみの効果
腹直筋・腹斜筋・体幹が鍛えられるため、筋力アップや姿勢改善には十分効果的です。1〜3ヶ月で「お腹が固くなった」「姿勢が良くなった」といった変化を感じる人は多いです。
ただし痩せるには有酸素運動と食事管理が必須
腹筋ローラーは消費カロリーが小さいため、脂肪燃焼には不向きです。毎日続けても体脂肪が多いと、腹筋は見えてきません。引き締まった見た目を目指すなら、食事管理と有酸素運動を組み合わせる必要があります。
実際に見える変化の目安
1ヶ月:お腹まわりが引き締まる、ウエストサイズが落ちる
3ヶ月:腹筋のラインがうっすら出始める
半年:体脂肪が落ちた人は縦割れやシックスパックが明確に
このように「腹筋ローラーだけでは鍛えた体」は作れるが、ビフォーアフターを劇的にするには、生活習慣全体の改善がカギとなります。
腹筋ローラーと腹筋運動、効果はどう違う?
普通の腹筋運動じゃだめなの?そんな疑問もあるでしょう。通常の腹筋運動と腹筋ローラーの効果の違い、どう使い分けるといいのかを解説します。
腹筋運動の代表例と鍛えられる部位
クランチ:腹直筋(シックスパック)
ツイストクランチ/ロシアンツイスト:腹斜筋(脇腹)
レッグレイズ:下腹部・腸腰筋
プランク:体幹全体・腹横筋
腹筋ローラーの特徴
・腹直筋、腹斜筋、腹横筋に加え、広背筋、上腕三頭筋、脊柱起立筋まで一度に動員
・少ない回数でも高負荷で、短時間で効率的に鍛えられる
・体幹の安定性や姿勢改善にもつながる
使い分けのポイント
狙った筋肉をピンポイントで鍛えたい → クランチやツイストなどの腹筋運動
腹筋を主に、体幹全体を効率よく強化したい → 腹筋ローラー
腹筋ローラーの基本フォームとやり方|膝コロンから立ちコロまで
腹筋ローラーは正しいフォームで行わないと腰を痛めたり、効果が半減します。レベルに合わせて膝コロンか膝コロから始めて、徐々に強度を高めていきましょう。
膝コロンのやり方(超初心者向け)
1.腰を反らないようにして膝を床につき、肩の真下にローラーをセット(スタートポジション)
2.お腹に力を入れながらローラーを転がして前進していく
3.ローラーを転がしながらゆっくり床に倒れ込む
4.ローラーを握って起き上がり、スタートポジションに戻る
目安:5〜10回×2セット
\タップして動画を再生/
膝コロのやり方(初心者向け)
1.膝をついて上体がブレないように準備する
2.肘を伸ばして、おへそを覗き込むように、お腹に力を入れる
3.反動や勢いを使わずに、ローラーをゆっくり転がしていく
4.限界まで転がしたら、姿勢を崩さないようにローラーを引き戻す
目安:10回×3セット
\動画で動きをチェック/
立ちコロのやり方(上級者向け)
1. 立ったまま前屈した状態でグリップを握り、上体がブレないように固定する
2. おへそを覗き込むイメージで、お腹を丸める
3. 反動を使わずに、ゆっくり転がしていく
目安:5〜10回×3セット
■立ちコロへのステップアップ法(壁立ちコロ・ハーフ立ちコロ・チューブ補助)
いきなり立ちコロに挑戦するとケガのリスクが高いため、段階的に負荷を高めていくのが安全です。
<ステップ1>
壁立ちコロ:壁に向かってローラーを転がし、壁で止めて戻す方法です。行き過ぎを防げるので、初めて立ちコロに挑戦する人に安全。
<ステップ2>
ハーフ立ちコロ:立ちコロの可動域を半分だけにして行う方法です。浅い範囲から徐々に広げることで、腹筋で戻す感覚をつかめます。
チューブ補助:ローラーにゴムチューブをかけ、もう片端をドアフックやラックなどに固定する方法です。チューブの反発で戻し動作が楽になるため、フル可動域の立ちコロ練習に最適。
このステップを取り入れると、無理なく立ちコロへ進めます。
サイドローラーのやり方(応用編)
1.膝をつき、腹筋ローラーを床に置いて掴む
2.片側に、斜めに半円を描くように転がす
3.左右交互に行なう
肘が曲がらないように、お腹と脇腹を意識しましょう。前に行き過ぎると、膝が床から浮きやすいので注意してください。
目安:左右10回×3セット
\動画で動きをチェック/
目的別|腹筋ローラーの回数と頻度
効果的に続けるには、目的に合わせた回数と頻度を設定することが大切です。無理に回数を増やすより、正しいフォームで行う方が効果的です。
筋肥大・シックスパックを狙う場合
回数:10〜15回×3セット
頻度:週2〜3回
ポイント:腹直筋を大きくしたい場合は、負荷を高めつつ休養日をしっかり設ける
ダイエット・体幹強化を狙う場合
回数:10回×2〜3セット
頻度:週3〜4回
ポイント:消費カロリーは少ないため、有酸素運動や食事管理と併用することで効果が出やすい
女性がウエスト引き締めを狙う場合
回数:10回×3セット
頻度:週3回
ポイント:1ヶ月ほどで姿勢改善やウエストサイズの変化を感じやすい
腹筋ローラーに関する疑問(Q&A)
腹筋ローラーを毎日続ける人が気になる疑問について、まとめました。
腹筋ローラーだけで痩せる?
消費カロリーは10回で5〜10kcal程度と少なく、腹筋ローラー単体のダイエット効果は限定的です。脂肪を落とすには食事管理や有酸素運動を組み合わせる必要があります。
毎日10回でも効果ある?
初心者や女性なら毎日10回×1セットでも十分効果を感じられます。体幹の安定やウエストの引き締めは1ヶ月ほどで実感しやすいです。
毎日100回やって効果はある?
フォームが崩れやすく、腰を痛めるリスクが高まります。質の高い10回を3セット行う方が、効率的に鍛えられます。
ビフォーアフターはどのくらいで出る?
週2〜3回のトレーニングを継続すると、1ヶ月でお腹まわりの変化を感じ始め、3ヶ月ほどで腹筋のラインが出てくる人もいます。
女性が毎日やるのは効果的?
軽負荷で毎日続ければ、姿勢改善やウエスト引き締めにつながります。ただし筋肉痛があるときは休みましょう。
膝コロと立ちコロ、どちらが効果的?
初心者は膝コロで基礎を作り、筋力がついてから立ちコロに挑戦するのが安全です。立ちコロは全身に強烈な負荷がかかり、上級者向けです。無理をすると、身体を痛めるリスクがあるので気を付けましょう。
監修者プロフィール
理学療法士・パーソナルトレーナー
安藤 瑞樹
総合病院で約7年間、理学療法士として、スポーツ・一般整形のリハビリに従事。独立後約4年間、パーソナルトレーナーとして勤務。2021年にパーソナルトレーニングジムJuntosをオープン。現在、パーソナルトレーナーの他、高校サッカー部のトレーナーとしても活動中。
パーソナルトレーニングジムJuntos
https://www.juntos2021.com/
トレーニング動画指導・監修
鳥光健仁
フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。
<Edit:MELOS編集部>