腕立て伏せ毎日30回
フィットネス
2025年11月25日

腕立て伏せを毎日30回続けるとどうなる?効果・注意点・正しいやり方を専門家が解説 (2/2)

1か月続けたときの体の変化

腕立て伏せを毎日30回続けると、少しずつ筋肉と姿勢に変化が現れます。筋力や見た目だけでなく、体の感覚そのものが変わっていくのが特徴です。1か月間の流れを週ごとに見ていきましょう。

1週目 筋肉痛とフォームの安定

最初の1週間は、腕や胸の筋肉に強い張りを感じやすい時期です。筋肉痛が出るのは、普段使われていなかった筋肉が目覚め始めたサイン。

この期間は無理に回数を増やさず、フォームを整えることを優先します。鏡を見ながら体を一直線に保ち、肘の角度や呼吸を確認しましょう。

2〜3週目 胸と腕のハリを実感

2週目に入ると、筋肉痛が和らぎ、腕立て伏せの動作がスムーズになります。同時に胸や腕にうっすらとしたハリが出始め、引き締まりを感じやすくなります。

この時期は筋持久力が上がり、日常の動作が軽く感じられるようになります。筋肉の張りや姿勢の安定を意識しながら続けることで、見た目にも変化が現れます。

4週目 姿勢や見た目の変化を感じる

1か月を過ぎる頃には、姿勢の改善や体の軽さを実感する人が多くなります。体幹の安定によって胸が開き、立ち姿が自然に整います。

背中から腕にかけてのラインもすっきりし、服の上からでも違いを感じられるでしょう。見た目の変化は緩やかでも、呼吸が深くなり、全身の調子が整う実感が得られます。

効果を高める正しいやり方

腕立て伏せの効果を引き出すには、フォームとテンポを整えることが欠かせません。姿勢を保ち、狙った筋肉に正しく刺激を与えるポイントを紹介します。

正しいフォームと手の位置

両手は肩幅よりやや広く開き、指先をまっすぐ前に向けます。体を一直線に保ち、胸を床の少し手前まで下ろします。

肘は体の外側へ45度ほど開く角度が理想です。腰が反らないようにお腹とお尻を軽く締めると、体幹が安定します。

テンポは「3秒下ろして1秒上げる」

速い動きよりも、ゆっくりコントロールする方が筋肉に効かせやすくなります。3秒かけて体を下ろし、1秒で押し上げるテンポを意識しましょう。反動を使わず、常に筋肉の力で動かすことがポイントです。

丁寧に動かせば、1日10回×3セットでも十分な負荷を感じられます。各セットの間に30〜60秒休憩を入れると筋肉が回復し、次の動作も安定します。無理に回数を増やさず、1回ごとの質を大切にしましょう。

 

バリエーションで刺激を変える

同じ動きを続けると筋肉が刺激に慣れてしまいます。1週間ごとに手幅や角度を変えて、異なる筋肉を使いましょう。

種類 手幅 鍛えられる主な部位
ノーマルプッシュアップ 肩幅 胸・腕全体
ナロープッシュアップ 狭め 二の腕(上腕三頭筋)
ワイドプッシュアップ 広め 胸の外側・肩
膝つきプッシュアップ 膝をつく 初心者向け・フォーム安定

動きを変えるだけで筋肉の刺激がリセットされ、効果が長続きします。

呼吸を整えることで体幹を安定させる

腕立て伏せは呼吸と連動させることでフォームが安定します。体を下ろすときに息を吸い、押し上げるときに吐くリズムを守りましょう。

息を止めると体に余計な力が入り、動作が固くなります。深い呼吸でリズムを保つことが、継続のコツです。

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毎日30回は逆効果?効果が頭打ちになる『限界』を防ぐ4つのコツ

毎日続けても、やり方次第で効果が止まることがあります。疲労やフォーム崩れを防ぎ、効率よく続けるためのポイントを紹介します。

1. フォームの乱れは効果を止めるサイン

体を支える筋肉が疲れてくると、姿勢が崩れ、負荷が逃げてしまいます。胸を床の近くまで下ろす動作を意識し、体を一直線にキープすることが大切です。フォームが安定していれば、少ない回数でもしっかり効かせられます。

2. 疲労を溜めない「休む勇気」も必要

筋肉は回復する過程で強くなります。毎日欠かさず行うよりも、週4〜5回のペースで行った方が効果的です。疲れが残る日は思い切って休む、または膝つき腕立てに変えるなど、強度を調整しましょう。

3. 同じ刺激ばかりだと限界が来る

同じ回数・動きばかりでは、筋肉が刺激に慣れます。15回×2セットなど、セット数やテンポを変えて負荷を微調整しましょう。動きに変化をつけるだけで、再び筋肉が反応しやすくなります。

4. ストレッチで疲労をリセットする

トレーニング後は胸や肩を軽く伸ばして血流を整えましょう。腕を後ろに引いて胸を開くストレッチや、壁に手をついて肩を伸ばす動きがおすすめです。

回復が早まることで翌日のパフォーマンスが安定し、限界を感じにくくなります。

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腕立て伏せに関するよくある質問(Q&A)

腕立て伏せを毎日やるにあたり、よくある疑問にトレーナーが答えます。

Q. 腕立て伏せ毎日10回でも効果はありますか?

フォームを正しく保てば、10回でも効果はあります。初心者や女性など、筋力に自信がない人にとっては10回でも十分な刺激になります。

胸や腕の筋肉が少しずつ引き締まり、姿勢の安定や基礎代謝の向上にもつながります。慣れてきたら「10回×2セット」など段階的に増やしていくのがおすすめです。

Q. 腕立て伏せ毎日100回をやるとどうなりますか?

100回を毎日行うと、筋持久力が高まり、引き締め効果や代謝アップが期待できます。ただし、フォームが崩れるほど無理をすると肩や腰に負担がかかります。

筋肥大を狙う場合は、10〜15回で限界を迎える強度の方が効率的です。100回に挑戦する際は「20回×5セット」に分け、休憩を挟みながら行いましょう。

Q.女性と男性で効果や回数は違いますか?

大きな違いはありませんが、筋力や体格の差によって適した回数が変わります。一般的に女性は腕の筋肉量が少ないため、最初は膝つき腕立て伏せを10〜15回×2セットから始めると良いでしょう。

男性は自重負荷が高くなりやすいため、10〜20回×2〜3セットを目安に行うと効果的です。性別に関係なく、フォームを安定させて続けることが一番のポイントです。

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監修者プロフィール

理学療法士・パーソナルトレーナー
安藤 瑞樹

総合病院で約7年間、理学療法士として、スポーツ・一般整形のリハビリに従事。独立後約4年間、パーソナルトレーナーとして勤務。2021年にパーソナルトレーニングジムJuntosをオープン。現在、パーソナルトレーナーの他、高校サッカー部のトレーナーとしても活動中。

パーソナルトレーニングジムJuntos
https://juntos-tokachi.com/

トレーニング動画指導・監修
鳥光健仁

フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。

<Edit:MELOS編集部>

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