フィットネス
2026年1月21日

雪かきは“最強の筋トレ”!軽いジョギングと同じくらいのダイエット効果も!雪国育ちの医師が解説

雪国だと避けられない「雪かき」。重たい雪を運び続けるのは大変ですが、「実は意外と運動効果がある」と聞いたことはありませんか?

雪かきは全身の筋肉を使う動作が多く、思った以上にカロリーを消費するため、「ダイエットになるのでは」と考える人も。実際にどれくらいの運動量なのか、どんな筋肉が鍛えられるのか聞いてみました。

監修・コメントは、防衛医科大学校卒の整形外科専門医で、つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック院長の中谷創先生です。

雪かきは運動になる? どんな効果があるのか

雪かきは全身を使う運動であり、有酸素運動+無酸素運動の両方の要素を持っています。

ペースがゆっくりで長時間続く場合は有酸素運動寄りになり、重い雪を持ち上げる動作が多い場合は無酸素運動寄りになります。

筋力・持久力・心肺機能の向上に効果的で、スコップを使って雪を持ち上げる動作では腕・肩・背中が鍛えられ、雪を押す・運ぶ動作では脚・体幹が使われます。

有酸素運動の側面

  • 雪を押したり、運んだりと長時間動く
  • 心拍数が上がり、持久力が必要となる
  • ウォーキングやジョギングに近い運動効果がある

無酸素運動の側面

  • 雪を持ち上げる、投げる動作は筋力が必要(とくに腕・肩・背中・脚)
  • 重い雪をすくったりどかしたりするとき、瞬間的に強い力を発揮する
  • スクワットやデッドリフトに近い動きが含まれる

雪かきの消費カロリーはどれくらい?

かなりの重労働である雪かき。汗をかくレベルとも言われているため、たくさんのカロリーが消費されそうですよね。

消費カロリーは体重や作業強度によって異なりますが、たとえば体重50kgの人が約10分スコップで雪かきをすると、約52.5kcal消費するとされています(※1)。これはウォーキングや軽いジョギングと同等以上の運動量になります。

湿った重い雪を扱う場合は、さらにカロリー消費が増えることもあるそう。

筆者は雪国出身ですが、雪かきは気づくと10分以上行っていることも多く、しかも1日に数回行うため、ジム通いと同じくらいカロリーを消費しているかもしれないと感じてしまいました。

(※1)国立健康・栄養研究所 改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』をもとに、「消費カロリー=メッツ×体重(kg)×時間(時間)×1.05」で計算

雪かきでダイエット効果を得るコツ

では、雪かきの動作でもっとダイエット効果を得るためには、どんなポイントを意識するとよいでしょうか。

まず、「大きく動く」。脚をしっかり使い、腕の力だけでなく全身を使って雪を運びます。

そしてリズムよく続けましょう。休憩を短くしながら、一定のペースで動きます。ただし無理をするとケガや心臓への負担が大きくなるため、適度に休みながら継続してください。

なお、寒い環境でも発汗しやすいため、脱水を防ぐために水分補給はこまめにしましょう。

雪かきを運動代わりにするときの注意点

雪かきを運動代わりにできる! さっそく試してみよう! と思うものの、雪かきは重労働ですから、ケガをしないために少し注意点もあります。

関節に不安のある人は、無理をしない

腰や関節に負担がかかるため、正しいフォームを意識しましょう(膝を曲げ、腰を落として雪を持ち上げるなど)。また、やりすぎは禁物です。痛みがある場合はお休みし、安静にしましょう。

それでも雪かきをしなければならないとき、どうすればよいでしょうか? 整形外科医・中谷先生は次のように語ります。

中谷先生:先述の通り、とおり、負担のかからないように注意することが必要だと思います。

痛いのに無理をすることはあまりおすすめできませんが、すくう雪の量を少なく軽くする、膝や腰を支える様なサポーターを使うのがいいと思います。

また、雪のない季節の間に関節、腰回りを支える筋肉をつけておくことが大切だと思います。

寒暖差に注意

寒い外、暖かい室内と寒暖差による心臓への負担は、ヒートショックを招く要因に。高血圧や心疾患がある人は注意が必要です。

防寒対策をきちんと行う、ゆっくりと寒暖差に慣らすなどを行いましょう。

転ばないように靴や歩き方に工夫を

転んで打ち所が悪いと、重大な事故につながります。慣れていても転ぶことがあり、骨折した、顔を打って歯が折れた、腰を打って動けなくなったなどのケースも身近にありました。

必ず滑り止めのついた靴を履き、凍ってつるつるになった場所を歩くときは、ゆっくりとペンギン歩きをしてください。本当に、すぐに滑って転びます!

北海道の冬靴

長時間の作業を避ける

豪雪地帯だと、気がつくと1時間くらい雪かきをすることも多いでしょう。屋根雪の下に埋もれる、屋根雪を降ろそうとして滑って落下事故につながる、水分補給をせず脱水症状を起こして倒れるなど、さまざまな事故が毎年後を絶ちません。

長時間、雪かきするときは、家族や近所に声を掛けておいたり、蛍光色の服やリフレクターを身に着けるなど、万が一のときに発見しやすくなる工夫も大事です。

腕だけの力で行わない

中谷先生によると、腕の力だけで行うと関節に負担がかかる可能性があるとのこと。

中谷先生:東京と札幌で比較すると肩鎖関節の痛みや変形が北国の方に多かった印象があります。雪かきの際に腕だけで行わないことが一つの予防になるのではと感じています。

監修者プロフィール

中谷 創 (なかやつくる)

防衛医科大学校卒。つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック院長。医学博士、整形外科専門医。
日本スポーツ協会スポーツドクター。ラグビー日本代表の海外遠征などの帯同や東京オリンピック、ラグビーワールドカップの大会ドクターなどを務める。陸上自衛隊在籍中は医官として自衛官の健康管理や整形外科手術を手掛ける。東京、札幌などで勤務。
公式サイト https://tsukuruseikei.jp/

<Edit:編集部>