毎日「立ちパカ」やると下半身はどう変わる?1週間~3か月で期待できる変化
フィットネス
2026年11月6日

毎日「立ちパカ」やると下半身はどう変わる?1週間~3か月で期待できる変化

足パカは良さそうだけれど、床に寝転がるのは面倒。そんな時は、立ったままできる「立ちパカ」! 毎日続けるとどんな変化が期待できるのでしょうか。まえだ整形外科リウマチクリニック院長・前田 俊恒先生のもと解説します。

立ちパカとは? 足パカとの違い

立ちパカは、立った姿勢で片脚を横に開いて閉じる動きをくり返す運動です。脚をパカパカと開閉することから、こう呼ばれています。

足パカは、仰向けに寝て両脚を持ち上げ、開いたり閉じたりする運動です。

一方の立ちパカは、床に寝転がらず、片脚で体を支えながらもう一方の脚を動かします。

この記事では、脚を横に開閉する動きを「立ちパカ」と呼びます。

立ちパカで鍛えられる部位はどこ?

主に使われるのは、脚を横に持ち上げるときに働く「中殿筋(お尻の横)」と、脚を閉じる動きにかかわる「内転筋(内もも)」です。

片脚で立つため、体幹やふくらはぎ、足首まわりの筋肉も使われます。

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立ちパカにはどんな効果がある?

立ちパカで期待できるのは、筋肉を大きく変えることよりも、股関節まわりの使い方やバランスにかかわる効果です。3つの視点から見ていきましょう。

内ももや股関節まわりの引き締めをサポート

脚を開くときはお尻の横、閉じるときは内ももを意識すると、股関節まわりの筋肉を動かすきっかけになります。

体幹・バランス感覚を養うきっかけになる

立ちパカは片脚立ちの時間が長くなるため、バランスを取る練習になります。ただし、バランス練習の効果は練習した動作にほぼ限られ、別のバランス課題には広がりにくいとする分析もあります。

立ちパカでは、片脚で立つ場面の安定感を養うイメージで取り組みましょう。

寝転ばずに取り組みやすい

床に寝転ぶ必要がなく、服装や場所を選ばないため、家事の合間にも取り入れやすい運動です。片脚立ちになるので、壁や椅子の背など、つかまれる場所で行うと安心です。

立ちパカは痩せる? 期待できるダイエット効果

立ちパカだけで、太ももや脚の脂肪を狙って減らすのは難しいと考えられます。

鍛えた部位の脂肪が優先的に減る「部分痩せ」について、13件の研究(参加者計1,158人)をまとめたメタ分析があります。その結果、特定の部位を鍛えても、その周辺の脂肪が優先的に減る効果は確認されませんでした(※1)。

また、成人11人が片脚だけを週3回、12週間鍛えた研究では、全身の脂肪量が約5%減少した一方、鍛えた脚の脂肪量には有意な変化が見られませんでした(※2)。

つまり、筋トレで特定の筋肉を鍛えることはできても、その部分の脂肪だけを狙って落とすのは難しいと考えられます。

エネルギー消費の面でも、大きな期待はできません。体重60kgの人が5分行った場合の消費は、約18kcal(安静時の分を含む概算)です。毎日続けても1か月で約550kcalにとどまり、厚生労働省の資料にある体重1kg分の約7,000kcalには遠く及びません。

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脚まわりを引き締めたい場合は、食事の見直しと全身運動の組み合わせが現実的です。

(※1)Ramírez-Campillo R, et al. (2022). A proposed model to test the hypothesis of exercise-induced localized fat reduction (spot reduction), including a systematic review with meta-analysis. Human Movement, 23(3), 1–14.

(※2)Ramírez-Campillo R, et al. (2013). Regional fat changes induced by localized muscle endurance resistance training. Journal of Strength and Conditioning Research, 27(8), 2219–2224.

立ちパカを毎日続けたときの変化【1週間〜3か月】

では、立ちパカを毎日続けると、どんな変化が出てくるでしょうか。個人差はありますが期間ごとに見ていきましょう。

1週目|片脚で立つバランスに慣れてくる

運動を始めたばかりの時期は、筋肉が増える前に、神経の働きで動きが整っていくとされています。

健康な成人14人を対象に、バランスボード上で片脚立ちを約30分練習した研究では、練習を重ねるにつれて体の揺れが小さくなったことが報告されています。特に、練習開始直後の数回で大きな改善が見られました(※3)。

慣れない動きでお尻の横や内ももがだるくなる人もいるため、無理のない回数から始めましょう。

(※3)van Dieën JH, van Leeuwen M, Faber GS. (2015). Learning to balance on one leg: motor strategy and sensory weighting. Journal of Neurophysiology, 114(5), 2967–2982.

2週目|脚を開閉する動作がスムーズになってくる

動きに慣れてくると、上体を傾けずに脚を開閉できる人もいます。同じ動きを少ない力みで行えるようになるのは、神経の適応が進むためと考えられます。回数や時間が少しずつ伸びてくる人もいます。

3週目|内ももや股関節まわりを使う感覚をつかむ人も

股関節まわりの筋力は、比較的少ない回数のトレーニングでも高まるとする報告があります。そのため、脚を開くときのお尻の横や、閉じるときの内ももを意識して使えるようになる人も。

1ヶ月|下半身の安定感に変化を感じる人も

片脚立ちの場面で、ぐらつきが減ったと感じる人もいるでしょう。

健康な成人31人を対象とした研究では、横向きに寝て脚を持ち上げる運動を6週間続けた結果、重りを使わないグループでも股関節を外側に開く筋力が向上しました(※4)。

(※4)Thorborg K, Bandholm T, Petersen J, et al. (2010). Hip abduction strength training in the clinical setting: With or without external loading? Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 20(Suppl 2), 70–77.

2ヶ月|脚のラインの変化を感じ始める人も

筋肉の張りや姿勢が整うことで、脚のラインの見え方が変わったと感じる人もいます。

ただし、立ちパカで太ももの脂肪を狙って落とすことは期待しにくいでしょう。同じ動きで物足りなくなったら、回数やゆっくり動かす時間を増やして、少しきついと感じる強さに調整してみてください。

3ヶ月|姿勢や歩き方に変化を実感する人も

3か月ほど続けると、立っているときの安定感や、歩くときの脚の運びの違いに気づく人もいます。

脚の筋トレを10週間行った研究では、筋線維の太さに有意な増加が確認されたのは10週目でした。このことから、筋肉の大きさが目に見えて変わるまでには、ある程度の時間がかかると考えられます(※5)。

一方、股関節まわりの筋力が向上しても、ランニング中の動作が必ずしも変化するわけではないことも報告されています(※6)。

筋力の向上と動作の改善は必ずしも一致せず、トレーニングの効果は運動内容や個人によって異なります。姿勢や歩き方を整えたいときは、ウォーキングなど他の運動も組み合わせましょう。

(※5)Damas F, et al. (2016). Resistance training-induced changes in integrated myofibrillar protein synthesis are related to hypertrophy only after attenuation of muscle damage. The Journal of Physiology, 594(18), 5209–5222.

(※6)Hall G, et al. (2025). The role of hip abductor strengthening and the effects on running gait. A systematic review. Advanced Exercise and Health Science, 2(1), 16-23.

立ちパカの正しいやり方

壁や椅子の背に片手を添え、反動を使わずゆっくり行います。

1.足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、片手を壁や椅子の背に添える

2.片脚で立ち、反対の脚をつま先を正面に向けたまま、体が傾かない範囲で横へ開く

3.息を止めずに、内ももを使うつもりでゆっくり戻す

左右10回ずつを1セットとし、1〜2セットが目安です。脚を大きく開くより、上体を傾けずにできる範囲で、ていねいに動かすことを意識しましょう。

立ちパカは毎日やっても大丈夫? 1日何回が目安?

毎日行う場合は、翌日に股関節や太ももの痛み、だるさが残らない軽めの強度にとどめましょう。

1日の目安は、左右10回ずつを1〜2セットから始め、慣れたら少しずつ増やします。

やりすぎるとデメリットも。股関節やふらつきに注意

脚を横に開く運動は、回数を増やせば増やすほど効果が高まるわけではありません。

無理に大きく脚を開いたり、勢いをつけて動かしたりすると、股関節や太ももの付け根に負担がかかり、痛みにつながるおそれがあります。

また、脚を高く上げようとして上半身が大きく傾いたり、腰を反らせたりすると、本来鍛えたいお尻まわりの筋肉にうまく刺激が入らず、腰への負担が増えることもあります。

脚を上げる高さよりも、姿勢を安定させてゆっくり動かすことを意識しましょう。

さらに、この運動は片脚で体を支えるため、バランスを崩して転倒するリスクもあります。壁や椅子の背もたれなど、しっかりつかまれる場所で行い、滑りにくい床で取り組むことが大切です。

最初から回数を増やそうとせず、無理なくできる範囲から始め、慣れてきたら少しずつ負荷を調整しましょう。股関節や腰に痛みが出た場合は、無理に続けず運動を中止してください。

立ちパカを控えた方がいい人

次に当てはまる方は、始める前に医師に相談してください。

  • 医師から運動を制限されている方
  • 股関節、膝、腰に痛みやしびれがある方
  • ふらつきやめまいがあり、転倒しやすい方
  • 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方、持病のある方

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監修者プロフィール

前田 俊恒(まえだ としひさ)
まえだ整形外科リウマチクリニック 院長

医学博士/整形外科専門医/リウマチ専門医/リハビリテーション科専門医。肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗鬆症、スポーツ障害まで幅広く診療。日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発にも力を入れている。肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や身近な健康情報についても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。https://maedaseikei.jp

<Text:外薗 拓 Edit:編集部>