フィットネス
ライフスタイル
2018年12月12日

もうガチマッチョだけじゃない。女性向けの仕掛けが充実する理由│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#21 (1/2)

 アラフォーでランニングを始めてフルマラソン完走の経験を持ち、ゴルフ、テニス、ヨガ、筋トレまで嗜む、大のスポーツ好きにして“雑食系”を自負する作家の甘糟りり子さんによる本連載。

 前回に続き、「ゴールドジム」について。取材のためにお邪魔したゴールドジム原宿ANNEX店には想像以上に、女性にうれしい仕掛けがたくさんありました。筋トレ好きの甘糟さんが見た、老舗フィットネスクラブの現在とは?

女性が身体を鍛えるのは、あくまでも自分の理想のため

 引き続き、ゴールドジムの話題です。前回は、筋トレのシンボル的存在であるこのジムの歴史について触れましたけれど、では、今現在はいったいどうなっているのでしょうか。

 黎明期と比べて、もっとも変わったのは女性の比率。これに尽きると思います。

 かれこれ遡ること15年ほど前、女性誌の取材で原宿にある「ゴールドジム原宿東京店」の女性専用エリアを訪れたことがあります。その頃は、ほんの一角に小ぶりなマシンやダンベルがいくつか置いてあるぐらいでした。男性と同じエリアでトレーニングするのはちょっと怖いという消費者の声に応えて、だったはず。それでも女性×本格的な筋トレという組み合わせは斬新で、私が書いたエッセイを読んでそこを訪れた読者も多かったと記憶しております。

 今回は1年前にオープンした原宿ANNEX店でお話を伺いました。この店舗にも「女性専用エリア」があります。最新のこのエリアは共有スペースの縮小版なんかではなく、女性がどういうトレーニングをしたいのかを考えて作られています。

 注目すべきはなんといっても「ブーティービルダー」。ヒップを鍛えるためのマシンです。今時は、キューティーハニーに歌われている「♪お尻のちっちゃな女の子ぉ〜」じゃなくて、パーンと張ってプリンと持ち上がったヒップが理想なわけです。いいですよね、主張する肉体!

▲女性専用のトレーニングエリアにある「ブーティービルダー」。以下の動画もどうぞ

 私はずっとボリュームあるヒップを引け目に感じて生きてきましたけれど(って大げさだなあ。笑)、そういえば最近、服を選ぶ時に「お尻が大きく見えないかなあ?」とかあんまり考えなくなりました。年齢的な開き直りじゃあありませんよ。ヒップに対する世間の気持ちが変わったから。

 女性が身体を鍛えるのは、あくまでも自分の理想のためだと思うんです。「モテ」るためではなくて。まあ個人差はあるでしょうけれど、自分をブラッシュアップして、そのブラッシュアップした自分で世間を乗り切りたい(その中にはもちろん恋愛も含まれる)、たいていの女の人はそんな気持ちなのではないかなあ。ゴールドジムで鍛えている彼女たちは。

 だから、この女性専用エリアを利用する人は、余計な気を使わなくて済むというのが主な理由だと推測します。男性と一緒だと怖いとかなんとか消極的なものじゃなくてね。

次ページ:ジムというよりアミューズメントパーク

1 2