ソニーが世界最大級のスポーツ用品見本市に出展した理由とは[ドイツ現地レポ] (3/3)
トリポーラスを総合ブランドに育てていきたい
―― トリポーラスの事業がスタートして約1年。この1年の手応えや課題を教えてください。
小池:ライセンシーの方々が増えています。EDIFICEさんやロート製薬さんから製品を出していただいたりと、少しずつ商品化もされるようになりました。現在、お話が進んでいる会社さんも何社かあります。大きな市場にも打って出ます。世界中で、たくさんの人たちに使ってもらえるように。
山ノ井:いまは、まだ『開花宣言した』くらいの段階ですかね(笑)。少しでも早く、満開にできるよう頑張っていきたいと思います。
―― ソニーのスポーツ分野におけるプロダクトでは、イヤホンなども注目されています。社内的にトリポーラスの事業についての評価は。
小池:弊社CEOの吉田憲一郎は、社会に対してどう持続的に貢献していけるか、というところを求めているので、その理念に貢献する一助となれば。
―― 今後の展開、目標について教えてください。
山ノ井:今年の1年間で、アパレル分野でパートナー企業をもっと増やしていきたい。現在は海外の企業ともコンタクトできるようになりましたし、手応えはつかみつつあります。あとはトリポーラス ファイバーだけでなく、トリポーラスをほかの分野にも展開して、総合ブランドに育てていければと考えています。
小池:スポーツ分野では、ヨガウェアなど、そちらも開拓していけたら。
―― フィットネスやランニングなど、トレーニングウェアなどの分野でもトリポーラスを用いた製品が見られるようになると期待しています。
小池:はい。我々も頑張っていきます。
―― 今後は、水浄化や空気浄化などの分野にも注力していくのでしょうか。
山ノ井:水や空気を浄化させる技術でも少しずつ実績をつくり、できるだけ早くビジネスに展開していきたいなと思います。
小池:京都・平等院では、劣化を促進するガスの発生により文化財が腐敗することを防ぐため、トライアルで弊社の製品を使い始めてもらっています。こうした取り組みを通じて、私たちも市場のニーズを把握し始めました。トリポーラスが、社会にどう貢献できるか、徐々に分かってきた部分がある。それを、いかにビジネスにつなげるか。次の課題ですね。
―― 知見が溜まっているという段階ですね。
山ノ井:アパレルにしろ、医薬部外品にしろ、我々にない知見を持った企業が世の中にはたくさんある。そういった企業と一緒にトリポーラスを事業展開していきたいと思っています。
[公式サイト]https://www.sony.co.jp/triporous
<Text & Photo:編集部>