2024年1月16日

栄養士が語る、筋トレにおすすめのサプリメントとは。“筋肉俳優”がヘビロテしたいサプリをピックアップ (2/2)

あくまで食事を「補う」もの。サプリメントの基本的な選び方・注意点とは

さまざまなサプリメントの試飲をしていただきましたが、そもそもサプリメントはどんなときに摂るものなのでしょうか。

管理栄養士で健康運動指導士の廣松千愛先生と朝日奈さんに筋トレにおすすめのサプリメントの選び方や摂り方を聞きました。

― サプリメントを摂取するメリットを教えてください。

朝日奈:やっぱり、トレーニング中やトレーニング後に手軽に栄養補給ができることが一番のメリットですかね。僕自身も自分の理想の身体にするためにプロテインだけでなく、いろんなサプリメントを飲んでいます。

廣松:そうですね、サプリメントは持ち運びやすく保存性もあるため、どのタイミングでも摂取しやすいのがメリットだと思います。また、運動量が多かったり、身体が大きかったりするアスリートの場合は、必要なエネルギーや栄養素を食事ですべて摂取しきれないこともあります。食事では足りない栄養を補助することもサプリメントを摂る目的のひとつなんですよ。

― そもそもプロテインとサプリメントは別物なのでしょうか。

朝日奈:プロテインもサプリメントのひとつですよね。トレーニーのほとんどはやみくもにトレーニングをしていくのではなく、効率よく身体をつくるためにプロテインなどのサプリメントを摂っていると思います。

廣松:はい、そうなんです。サプリメントは日本語で「補う」という意味があります。食事で不足する栄養素を補う目的で使うダイエタリーサプリメントと、競技力向上を目的としたエルゴジェニックエイドとよばれるサプリメントがあります。プロテインはたんぱく質を補うサプリメントなので、ダイエタリーサプリメントになります。

朝日奈:偏った食事をサプリメントで補えるのも大きなメリットですよね。サプリメントは、ボディメイクをしている人だけのものではなく一般の人にもぜひ摂取してもらうべきだと思います。

廣松:そうですね。例えば、海外へ行くときには食べられる食品が限られるため、サプリメントで補うことをおすすめします。また、暑さが厳しい環境で運動した後など、食事が喉を通らないときにサプリメントをうまく取り入れていくのもひとつの方法ですね。

― 摂取するときの注意点はありますか。

朝日奈:頼りすぎはNGというところでしょうか。

廣松:その通りですね。サプリメントはあくまで食事を「補う」ものなので、食事から摂れる方法をまずは探しましょう。食事はただエネルギーや栄養素をとることだけが役割ではありません。食べ物を咀嚼し唾液が分泌されることで免疫機能が維持できたり、胃腸などの消化器官を動かすことで自律神経が整いやすく体調管理がしやすくなったりすることも食事の大切な役割なんです。

筋トレにはBCAAとマルチビタミンがおすすめ

― プロテイン以外で、筋トレをしている人に必要なサプリメントはなんですか。

朝日奈:僕はBCAAを摂るようにしています。リカバリー力がすごいんです。ほかにも「筋肉博士」の異名を持つプロボディビルダー・山本義徳先生がおすすめしているサプリメントを試したりしていますね。

廣松:筋肉をつけるための筋トレをより効果的にするには、血中のアミノ酸濃度を高めておく必要があります。BCAAの摂取は必須アミノ酸の中でも筋合成を高めるために有効なんです。運動前にBCAAを摂取することで脳の疲労軽減につながることも期待されています。さらに、BCAAの中に含まれるロイシンは筋内のタンパク質を活性化し、血中アミノ酸が筋肉に合成される過程で重要な役割を担っています。ロイシンやロイシンの代謝産物であるHMBが強化されたサプリメントを選んでみるのも良いと思いますよ。

朝日奈:なるほど、HMBにも注目して探してみますね! ほかにおすすめのサプリメントはありますか?

廣松:筋トレをしている人にはマルチビタミン系もおすすめです。たんぱく質の吸収を高めるためにビタミンB群(ビタミンB6やB12)のサプリメントを合わせてとってみるのも良いですね。激しい運動を行うと身体は酸化しやすくなるため、それを回復させる抗酸化ビタミン(ビタミンC、E、Aなど)などが含まれたサプリメントを合わせて摂ることも方法のひとつです。ただ、ビタミン類は運動中や運動後にすぐに摂る必要性はありません。特に脂溶性ビタミン(ビタミンA、E、K、D)は一般の方が摂りすぎると過剰摂取のリスクもありますので、まずは日常の食事を見直すことから始め、必要があれば取り入れてみてみるのもいいかもしれません。

― 筋トレする人に最適なサプリメントを摂るタイミングはありますか。

朝日奈:僕はだいたいトレーニング後ですかね。

廣松:さすがです。筋肉は日々、分解と合成を繰り返していますが、トレーニング後1~2時間のタイミングに筋肉の合成速度がピークになります。このタイミングでたんぱく質が消化吸収され、アミノ酸となって身体に行き届いていると、効果的な筋肉量アップが期待できるんです。ちなみにサプリメントとしてプロテインをとる場合は運動後30分以内に摂ると効果的ですよ。食事でたんぱく質を摂る場合は消化吸収に時間を要するため、トレーニングの2〜3時間前に摂っておくことをおすすめします。

今回紹介したサプリメント

◆「エネルギープロ ラムネ」(SPORTS PLUS)
・原材料名:マルチデキストリン/果糖ぶどう糖液糖/食塩/酸味料/ゲル化剤(増粘多糖類)/香料/乳酸Ca/カラメル色素
・1袋(180g)あたりの栄養成分:
└エネルギー180kcal
└たんぱく質0g
└脂質0g
└炭水化物45g
└食塩相当量0.3g

◆「エネルギープロ グレープ」(SPORTS PLUS)
・原材料名:マルトデキストリン/果糖ぶどう糖液糖/ぶどう果汁/酸味料/ゲル化剤(増粘多糖類)/香料/乳酸Ca/クチナシ色素
・1袋(180g)あたりの栄養成分:
└エネルギー180kcal
└たんぱく質0g
└脂質0g
└炭水化物45g
└ナトリウム81mg

◆「エネルギープロ マスカット」(SPORTS PLUS)
・原材料名:マルトデキストリン/果糖ぶどう糖液糖/マスカット果汁/酸味料/ゲル化剤(増粘多糖類)/香料/乳酸Ca
・1袋(180g)あたりの栄養成分:
└エネルギー180kcal
└たんぱく質0g
└脂質0g
└炭水化物45g
└ナトリウム78mg

◆「ポカリスエットパウダー」(大塚製薬)
・原材料名:砂糖/ぶどう糖/粉末果汁/デキストリン/食塩/酸味料/ビタミンC/塩化K/調味料(アミノ酸)/乳酸Ca/香料/炭酸Mg
・7.1g(溶解時100ml)あたりの栄養成分:
└エネルギー28kcal
└たんぱく質0g
└脂質0g
└炭水化物6.9g
└ナトリウム50mg
└カリウム22mg
└カルシウム2mg
└マグネシウム0.6mg

◆「パワープロダクション エキストラ ハイポトニックドリンク CCD」(グリコ)
・原材料名:デキストリン/ぶどう糖/食塩/クエン酸/香料/クエン酸Na/塩化K/乳酸Ca/甘味料(アセスルファムK/スクラロース)/ナイアシン/パントテン酸Ca/V.B1/V.B2/V.B6/葉酸/V.B12
・1袋(45.0g)あたりの栄養成分:
└エネルギー170kcal
└たんぱく質0g
└脂質0g
└炭水化物42.5g
└ナトリウム250mg
└カルシウム6mg
└カリウム90mg
└ビタミンB1 0.25mg
└ビタミンB2 0.28mg
└ナイアシン2.9mg
└ビタミンB6 0.25mg
└葉酸50μg
└ビタミンB12 0.6μg
└パントテン酸1.4mg

◆「ハイポトニックスポーツドリンクパウダー」(SPORTS PLUS)
・原材料名:砂糖/食塩/クエン酸/クエン酸ナトリウム/炭酸カルシウム/香料/酸化マグネシウム/甘味料(アセスルファムK/スクラロース)/ビタミンC/塩化カリウム/微粒二酸化ケイ素/ビタミンD
・1袋30gあたりの栄養成分:
└エネルギー111kcal
└たんぱく質0g
└脂質0g
└炭水化物27.8g
└食塩相当量 1.18g
└カリウム 73mg
└カルシウム 200mg
└マグネシウム 100mg
└ビタミンC 100g
└ビタミンD 5.5μg

◆「スポーツヨウカン アズキ40g」(井村屋)
・原材料名:マルトデキストリン/生あん(小豆)/砂糖/パラチノース/寒天/食塩
・1袋40gあたりの栄養成分:
└エネルギー113kcal
└たんぱく質1.4g
└脂質0.1g
└炭水化物26.5g
└食塩相当量 0.14g
└カリウム 9mg
└カルシウム 13mg
└マグネシウム 6mg

◆「スポーツヨウカン カカオ38g」(井村屋)
・原材料名:生あん(小豆)/マルトデキストリン/砂糖/パラチノース/カカオマス/ココアバター/寒天/食塩/香料
・1袋38gあたりの栄養成分:
└エネルギー124kcal
└たんぱく質1.6g
└脂質3.3g
└炭水化物21.9g
└食塩相当量 0.14g
└カリウム 35mg
└カルシウム 12mg
└マグネシウム 14mg

◆「チョコレートヨウカン マッチャ」(井村屋)
・原材料名:砂糖、生あん(いんげん豆、えんどう)、クリーム(乳製品)、還元水あめ、ココアバター、全粉乳、抹茶、寒天/ソルビトール、加工でん粉、クチナシ色素、香料(乳・大豆由来)
・1袋55gあたりの栄養成分:
└エネルギー197kcal
└たんぱく質2g
└脂質7.3g
└炭水化物30.7g
└食塩相当量 0.02g

◆「DNS クレアチン」(DNS)
・原材料名:クレアチン・モノハイドレート
・1食(5g)あたりの栄養成分:
└エネルギー18kcal
└たんぱく質4.4g
└脂質0g
└炭水化物0g
└食塩相当量0.001g
└クレアチン・モノハイドレート 4.99g

◆「DNS BCAA」(DNS)
・原材料名:L-ロイシン/L-バリン/L-イソロイシン/トレハロース/クエン酸/香料/甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物/スクラロース)食塩
・1食(5.5g)あたりの栄養成分:
└エネルギー22kcal
└たんぱく質5.0g
└脂質0g
└炭水化物0.5g
└食塩相当量0.02g
└L-バリン 1237.5mg
└L-ロイシン 2475.0mg
└L-イソロイシン1237.5mg

◆「2RUN」(梅丹本舗)
・原材料名:塩化ナトリウム/卵殻カルシウム/酸化マグネシウム/結晶セルロース/塩化カリウム/糊料(プルラン)/ピロリン酸第二鉄/ステアリン酸/V.C/V.B2/V.B6/V.B1
・2粒あたりの栄養成分:
└エネルギー1.2kcal
└たんぱく質0.01g
└脂質0.01g
└炭水化物0.26g
└ナトリウム 90.9mg
└カリウム 33.1mg
└カルシウム 250.6mg
└鉄 3.51mg
└マグネシウム 124.3mg

プロフィール

朝日奈寛(あさひな・ひろし)

1996年5月11日生まれ。東京出身。特技は筋トレ、サッカー、太鼓、水泳など。鍛え上げられた筋肉が美しい、アスリート系俳優。2016年Amazonプライムビデオ『仮面ライダーアマゾンズ』で演じた前原淳役(仮面ライダーアマゾンシグマ)が話題となり、2017年『新成人アワード』メンズ部門2位を受賞。tvkの『猫のひたいほどワイド』に毎週水曜日12:00~13:30レギュラー出演するなど、俳優以外でも活動の幅を広げている。

監修者プロフィール

廣松千愛(ひろまつ・ちより)

管理栄養士・健康運動指導士。立命館大学にてスポーツ科学や運動生理学を学んだのち、管理栄養士の資格を取得。イタリアやカナダにてアスリートなどの食事についても学び、卒業後、フリーランスの管理栄養士としてプロ野球選手寮やBリーグチームの食堂にて献立や調理を担当。現在、Jリーグユースチームや大学生アスリート、プロ選手のほかトライアスロン、射撃、サッカー、バスケットボールなどのオリンピックを目指す選手のサポートやMELOSでコラムを連載している女子100mハードルの寺田明日香選手の調理・栄養マネジメントサポートも行っており、「チームあすか」のメンバーとしても活躍。アスリートの栄養面だけでなく精神面も支えている。

[データ協力]スーパースポーツゼビオ

<Text:山本有怜子(アート・サプライ)/Photo:有坂政晴>

1 2