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肉離れしにくい選手は疲労骨折しやすい。女性アスリートの遺伝的なケガのリスクが明らかに

 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の宮本恵里助教、福典之先任准教授らの研究グループは4月7日、アスリートを対象としたケガの遺伝要因に関する大規模調査・解析結果を発表しました。

肉離れしにくい選手は疲労骨折しやすい?

 今回の研究は、2,000人以上のアスリートを対象に、疲労骨折および肉離れ等の筋傷害の受傷歴、そして、唾液から得られたDNAをもとに解析した「I型コラーゲンα1鎖遺伝子多型」とよばれる遺伝子の関連を調査したものです。

 その結果、CC型とAC型と呼ばれる“型”を有する女性アスリートは、疲労骨折の受傷歴を有する人が多く(17.8%) 、筋傷害の受傷歴を有する人は少ない(9.9%)こと。逆に、AA型の女性アスリートは、疲労骨折の受傷歴を有する人が少なく(9.0%) 、筋傷害の受傷歴を有する人は多い(18.6%)ことが分かりました。

 この結果から、疲労骨折に対してはCC型やAC型がリスクとなり、筋傷害に対してはAA型がリスクとなることが示されています。さらに、同研究グループは、遺伝子多型と骨や筋の組織特性との関連も検討。結果、CC型やAC型の女性は骨密度が低く、筋が軟らかいこと。一方、AA型の女性は骨密度が高く、筋が硬いことが分かりました

 こうした特性は女性だけに見られたもので、男性はI型コラーゲンα1鎖遺伝子多型と外傷・障害や組織特性との関連は認められなかったといいます。

 さらに、骨格筋で詳細な分析を行った結果、I型コラーゲンα1鎖遺伝子多型のCC型やAC型を有すると、骨密度が低く筋が柔らかいこと。その結果、女性アスリートは筋傷害のリスクは低い一方で、疲労骨折のリスクが高いことが遺伝的要因として明らかとなりました。

 個人の遺伝的体質によるスポーツ外傷・障害受傷リスクの高低を組織別に事前に把握することができれば、アスリートはよって効率的に予防策を講じることが可能になるはず。同研究グループは、「今後、さらに他の遺伝要因も明らかにすることにより、個人の遺伝的体質と競技特性を総合的に考慮したスポーツ外傷・障害予防法の構築を目指します」とコメントしています。

<Text:辻村/Photo;Getty Images>

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