2021年9月21日

【最終回】寺田明日香から読者のみまさまへ、感謝のメッセージ│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート~for2020~」#56

 みなさま、こんにちは! 陸上競技の寺田明日香と申します!

 2018年4月から連載してきたこのコラムも、今回をもっていよいよ最終回となりました!

 MELOS読者のみなさんと編集部の方々に見守っていただきながら、東京オリンピックを目指して進んできた3年半は、本当にかけがえのない時間でした。最終回は、ここまでのコラムを振り返りながら書いていこうと思います。

 今回も、最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

▼あわせて読みたい

・寺田明日香選手がたっぷり語る、夢の舞台・東京オリンピック。次の目標は?[特別インタビュー]

連載スタートは「オリンピアンに私はなる!」

 MELOSとの出会いは、「子どもの頃どんな習い事をしていたか?」というテーマで取材をしていただいたことがきっかけでした。

《関連記事》
・小さく生まれて身体が弱かったけれど、体操や水泳を習ったことで克服しました。7人制ラグビー寺田明日香(前編)│連載「子どもの頃こんな習い事してました」
・電車やバスに乗って習い事へ、遠征もひとりで準備。習い事で自立心もスクスクと育ちました。7人制ラグビー寺田明日香(後編)│連載「子どもの頃こんな習い事してました」

 人が多く行き交う、まだ肌寒い渋谷の歩道橋。明らかに場違いなトレーニング用のTシャツ姿で、震えないようにと思いながら写真を撮っていただいたことを鮮明に覚えています。もう時効だから言いますが、あの時はすごく寒かったです!(笑)

▲2017年、寺田選手に初めて取材をしたとき。12月に、半袖姿になってもらいました(編集部)

 当時の私はケガ明けのラグビー選手で、「東京オリンピックを目指しています!」と言いつつも、それがどのくらい現実味があるものなのかは、正直、客観的に見ても微妙なラインだったかもしれません。しかし、そんな状況下でも連載のお話をいただき、本当にありがたかったです。

 始まった連載では、寺田明日香がラグビー選手として東京オリンピックを目指す過程や選手としてのこれまでの経験、女性アスリートとして伝えたいことや母親として思うことなど、テーマは多岐に亘って綴らせていただきました。

 エッセイを書く中で、自分の良い時期や悪い時期、思いや考えを振り返りながら文章にする作業は、主観と客観を行ったり来たりする不思議な感覚でした。そして、何年かの時を経て、過去の問題をどう解決したらよかったのかを考えさせられる機会であり、その問題が今後起きないようにアウトプットをする機会でもありました。

 そのことが、今競技をしている中で自分の感覚を言語化したり、客観視できるようになった1つの要素だと思っています。

これからも走り続けます!

 ラグビー選手から陸上競技選手に再転向するときのエッセイは、どうしてもMELOSのコラム内で、かつ自分のありのままの言葉でご報告したいと強く思っていて、何度も読み返しては修正して、を繰り返した特別な記事です。

 MELOS編集部の方に「陸上選手に戻ります」とお伝えしたとき、それはそれは、びっくりされたことと思いますが、“おもしろいです”と言ってくださったことで、ラグビーから離れて陸上競技に戻る罪悪感のようなものがスーッと減りました。

 その節は、ありがとうございました!

《関連記事》
・もう一度、陸上で。寺田明日香が7人制ラグビーから陸上競技に転向し、東京2020を目指す理由[特別インタビュー]

 日本一になれたりなれなかったり、オリンピック出場が近くなったり遠くなったりと、1人のアスリートがオリンピアンになる過程を見守っていただきましたが、このエッセイやオリンピックを通して、“好きなことを見つける”ことだったり、“目標を持って進む過程の大切さ”だったり、“弱い部分も認める勇気”だったりを、少しでも感じてもらえていたらうれしいです。

 また、それらのことが誰かの背中を支えるきっかけになってくれていたらいいなぁと思っています。それがまた、私の勇気になったり、頑張る力になったりするんです!

 これからの寺田明日香は、やはり「どこまで速く走れるようになるのか」を追求していくのだと思っていますが、選手として、母親としての経験をこれからの選手たちに還元していくタームに入っていくのかなとも思っています。

 そんな姿も、風の便りで感じていただけたらうれしいですね。

 拙い文章のときもあったと思いますが、MELOSを通してオリンピック出場とエッセイの最終回を見守り、成長させてくださった読者のみなさんには感謝しかありません!

 そして、最終回を迎えるまでの間に締め切り日を守れなかったことは数えられないほどでしたが、一緒に走ってくださった編集部のみなさんに心からのありがとうをお伝えします!

 本当に、ありがとうございました!!

 これからも寺田明日香の元気な姿をお届けできるように、頑張っていきます。

 またどこかでお会いしましょうね〜!

▼あわせて読みたい

・寺田明日香選手がたっぷり語る、夢の舞台・東京オリンピック。次の目標は?[特別インタビュー] 

《MELOS編集部からお知らせ》
2018年4月に開始した、寺田選手の自筆による連載エッセイ『寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート〜for 2020〜』は、今回で最終回を迎えました。読者・ファンの皆さん、これまでご愛読いただき、ありがとうございました。
▼寺田選手によるエッセイ連載のアーカイブはこちら
・寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート〜for 2020〜」

[プロフィール]
寺田明日香(てらだ・あすか)
1990年1月14日生まれ。北海道札幌市出身。血液型はO型。ディズニーとカリカリ梅が好き。会いたい人は、大谷翔平と星野源。小学校4年生から陸上競技を始め、小学校5・6年時ともに全国小学生陸上100mで2位。高校1年から本格的にハードルを始め、2005~2007年にはインターハイ女子100mハードルで史上初の3連覇。3年時には100m、4×100mリレーと合わせて同じく史上初となる3冠を達成。2008年、社会人1年目で初出場の日本選手権女子100mハードルで優勝。以降3連覇を果たす。2009年世界陸上ベルリン大会出場、アジア選手権では銀メダルを獲得。同年記録した13秒05は同年の世界ジュニアランク1位だった。2010年にはアジア大会で5位に入賞するが、相次ぐケガ・病気で2013年に現役を引退。翌年から早稲田大学人間科学部に入学。結婚・出産を経て「ママアスリート」として、2016年夏に「7人制ラグビー」に競技転向する形で現役復帰した。同年12月の日本ラグビー協会によるトライアウトに合格。2017年1月からは日本代表練習生として活動した。2018年12月にラグビー選手としての引退と陸上競技への復帰を表明。2019年シーズンから競技会に出場し、6月に日本選手権女子100mハードルで9年ぶりの表彰台となる3位に入り、7月には100mでも自己記録を更新。8月には19年前に金沢イボンヌ氏が記録していた日本記録13秒00に並ぶと、9月1日に「富士北麓ワールドトライアル2019」で史上初めて13秒の壁を突破し、12秒97の日本新記録を樹立。カタール・ドーハで開催された「世界陸上」に出場。2021年には12秒96、12秒87と2度にわたって日本記録を更新。悲願の東京オリンピックに出場し、予選で12秒95をマーク、日本人で初めて五輪の舞台で13秒を切り、同種目で日本勢として21年ぶりの準決勝に進出した。

◎所属企業:株式会社ジャパンクリエイトグループ
◎主な記録:100mハードル日本記録保持者(12秒87)/100mハードルU20日本記録保持者(13秒05=2009年世界ジュニアランキング1位)/100mハードル日本高校歴代2位(13秒39)/100m:11秒63

【今後の主なスケジュール】
●第69回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会
2021年9月24日(金)~26日(日) 大阪・ヤンマースタジアム長居
(※25日に開催される100mに出場予定)

【関連URL】
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<Text & Photo:寺田明日香/Edit:松田政紀(アート・サプライ)>