サウナの効果と入り方、守ってほしいマナーとは。日本サウナ学会の医学博士に聞いてみた(前編) (4/4)
──そもそもサウナを控えたほうがいい人はいますか?
「まず、基礎疾患がある人でしょうか。病気のコントロールが良好で、かつ主治医の許可を得られるという人であれば入ってもいいかなと思いますが、まずはかかりつけ医に相談してからですね。入る場合も、最初はぬるい温度から短時間。水風呂もいきなり入るのではなくて、最初はシャワーで体を慣らすというのが大事かなと思います」(加藤先生)
──子どもは何歳から入ってよいのでしょうか。
「子どもに関しては、論文的には10歳からですね。ただ日本のデータではないので、あまり参考にはならないかもしれません。というのも、日本のサウナは少し特殊で、フィンランドとはサウナ室の構造が違うんですね。フィンランドはサウナ室の扉の下が空いていてスースーしているので、下の段はすごくぬるくて、上の段はすごく暑い。大人は上の段、子どもは下の段という感じで入るようにできているのですが、日本は消防法の関係上、サウナ室の扉の下が開けられないんです。そのためサウナ室全体が比較的高温になります。そういうわけで完全に日本で当てはまるかは分からないですが、論文的には一応10歳からとなっています」(加藤先生)
サウナ施設でのマナーについて
──サウナ室を利用するときのマナーやエチケットを教えてください。
「まず、施設のルールをまずは確認してそのルールを守ること。特に、サウナ室内での会話はまず気をつけなければいけないポイントです。これはもう本当に。そして、体をよく洗ってから入るということ。あとは、サウナから水風呂に入るとき、きちんと汗を流して入ることです。それから、セルフロウリュをするときは、必ずまわりに『水をかけてもいいですか』と聞いてからかけること。ロウリュはサウナ室内がすごく暑くなるので、嫌だなと思う人もいます。そのため、必ず聞いてからかけてください。暑くならないからといってひたすらかけまくる人もいるのですが、機械が壊れてしまうので、高頻度で大量にかけないということも注意したい点です」(加藤先生)
──おしゃべりを嫌う声はよく聞きます。そういう場合は、サウナ室を出るしかないのでしょうか。
「店員さんに注意してもらうというのがひとつの手かもしれないですね。直接言うとケンカになったりするので」(加藤先生)
──ほかにも気をつけたいポイントはありますか?
「イチサウナファンとしてですが、もういっぱいありますね。サウナ室の中でタオルを絞らないとか。汗ロウリュ(※編集部注:汗がしみ込んだタオルを絞り、サウナストーンにかける行為)もすごく嫌われます。あとは汗をビチャビチャ跳ねさせない。汗を払う人がいますが、それもマナー違反ですね。場所取りも禁止です。一部で『ヌシ』と呼ばれる人たちがいて、特定の時間に特定の場所を占拠する常連客を指しますが、場所取りはマナー違反です」(加藤先生)
──なるほど、細かなことでも結構ですのでほかにはございますか。
「休憩で椅子を使い終わったら、お湯などで流してから出るということです。水風呂に入るときもゆっくりと静かに入る。ドボンと入らない」
──ありがとうございます。汗ロウリュに驚愕です。そんなテク(?)を使う人がいるとは……。公共の場所であることを理解して、皆が気持ちよく入れるように配慮することが大事ですね。
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<Text:編集部>