サウナの「ととのう」ってどういう状態?ととのうためのポイントとは。日本サウナ学会の医学博士に聞いてみた(後編) (1/4)
前編では、サウナで期待できる効果と入り方について解説しました。引き続き、サウナ学会理事をつとめる医師・医学博士の加藤容崇(かとう・やすたか)先生にお話を伺い、いよいよサウナの「ととのう」についてくわしく聞いていきます。また、ととのわない人へのアドバイスや、空いているサウナ施設の探し方なども解説していきます。
[教えてくれたのは]
加藤 容崇(かとう・やすたか)
日本サウナ学会代表理事、医師・医学博士 専門は癌ゲノム医療と癌研究。予防医療の重要性から、第二の専門として、サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析し、発信していく「日本サウナ学会」を設立し、代表理事として活動している。
話題のワード『ととのう』とは
──サウナ用語でよく聞く『ととのう』とは、どのような状態を指すのでしょうか。
「感覚的な言葉でいうと、深くリラックスしているにも関わらず、眠いわけではなくて頭がすっきりしている、優れているような状態ですね。普通、リラックスすると眠くなる、いわゆるまったりするという状態になると思うのですが、サウナ後というのはあまりそういう感じではなくて、わりとシャキッとした感じになります」(加藤先生)
──サウナに入らず、『ととのう』に似た状態を体験することはできますか?
「日常ではほぼなくて、だからこそサウナでととのうという状態が特殊なのですが、強いて挙げるとするなら、瞑想状態、あるいはアスリートの『ゾーン』に近い状態でしょうか」(加藤先生)
──サウナでしか体験できない特殊な状態。これはぜひ体験してみたい。ちなみに『ととのう』と、どういうメリットがあるのでしょうか。
「ただ気持ちいいというだけですね。『ととのう』という言葉の定義がまだ明確にされていないのでその定義にもよりますが、たとえば危険な『ととのう』、失神前のふらふらの状態みたいなものを『ととのう』と言っている人もいて、それは結構危ないと思っています。それ以上追い込むと倒れてしまいますので」(加藤先生)
──たしかに、『ととのう』の定義は各自で異なりそうです。他者の感覚は共有できませんしね。
「『ととのう』というのがどういう状態かというと、自律神経の機能がすごく活性化しているような状態、倒れるのと逆の状態というのが、一番いい状態なんじゃないかなと思っています。要するに『ととのう』と何がいいかというと、自律神経がすごく元気になります。快適に日常生活が送れるようになるということに繋がります」(加藤先生)