2022年10月24日

プロテインダイエットの効果とおすすめの飲み方を、メーカー開発担当に聞いてみた

プロテイン市場の拡大にともない、プロテインドリンクをダイエットに活用する「プロテインダイエット」を行う人が増えています。プロテインドリンクを1食に置き換える、またはプロテインドリンクを間食に飲む(食事は別で3食摂る)というダイエット方法です。

このプロテインダイエットにはどんなメリットがあるのでしょうか。プロテインをダイエットに上手に役立てるポイントや知っておきたい知識を、株式会社ファイン健康食品開発課の担当者に聞いていきます。

プロテインはダイエットにどんな影響を与えるのか

──プロテインドリンクをダイエット中の食生活にとり入れると、どんなメリットがあるのでしょうか。

「プロテイン(たんぱく質)は、筋肉や臓器・肌・髪・爪など、人間の身体をつくる栄養素のひとつです。そのため、たんぱく質を摂ることで、筋肉をつけ基礎代謝を上げ痩せやすいカラダ作りにつながります。また、たんぱく質は食欲を抑えるホルモンの分泌にも関わっており、食後の満腹感を高めるため、腹持ちがよく空腹感を感じる時間が短く過食を抑える効果もあります」

──ホエイ、ソイなどさまざまな種類のプロテインがありますが、どれがダイエットに適しているのか悩みます。それぞれの特徴を教えてください。

「ホエイプロテインは、牛乳由来の動物性たんぱく質で、体内への吸収速度が速く、運動で消費した体へすばやく栄養を送り込むことができます。そのため、運動量の多い方や筋肉を効率的につけたい方にはホエイプロテインが適しています。ソイプロテインは、大豆由来の植物性たんぱく質で、体内への吸収スピードがゆっくりであるため、腹持ちがよく満足感につながります。食事に取り入れやすく、あまり運動しない人でも始めやすいプロテインです」

ワンポイントアドバイス

「ダイエット時のプロテインとしては、一般にソイプロテインのほうが、ホエイやカゼインよりもよいと言われています。これは、ソイプロテインに、血中コレステロールや血中中性脂肪の低下、体脂肪率の上昇抑制などが認められているためです。しかし、信頼性の高いシステマティックレビューでは、対象者により体重変化への影響が異なるとされ、明確な結論は出ていません。そのような状況ですが、ダイエットによい可能性があることを完全には否定できないため、ソイプロテインを選択すればよいと思います。」

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プロテインダイエットのやり方

──ダイエット中、プロテインはどのようにしてとり入れるのがよいでしょうか。

「朝・昼・夜と1食ごとに20g~30gのたんぱく質を摂ることを目標に、食事の中に不足しているたんぱく質を補うことをおすすめします」

ワンポイントアドバイス

「朝・昼・夕の食事と同じタイミングで、食事の最初に摂取することをおすすめします。プロテインの種類としては、一般に利用されるホエイ、カゼインおよびソイプロテインのどれでもよいのですが、強いていえば、ソイプロテインになると思います」

食事の前にプロテイン。カロリーオーバーせずたんぱく質の割合を増やすコツは、1日のエネルギー摂取量を調整する必要があります。

「通常の食事として推奨されるのは、エネルギー摂取量に対し、たんぱく質は13~20%ですが、ダイエットには30%程度がよいとされています。たんぱく質を30%程度まで増やすのは困難なので、現実的には、少しでも増やそうと意識することだと思います。1日の合計のエネルギー摂取量を減らすことが前提になりますが、炭水化物や脂質の摂取量を減らしたうえでプロテインを摂取すれば、たんぱく質の割合を増やすことができます。」

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──SNSなどを見ると「夕食はプロテインだけ」という人も見かけますが、大丈夫でしょうか?

「栄養バランスを整えることでダイエットにつながるため、プロテインだけでなく炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルもバランスよく摂取することをおすすめします」

──なにで溶かすのがおすすめですか?

「飲み物のカロリーなどに影響を受けない水をオススメします。水では飲みにくい場合は、低脂肪牛乳や豆乳などで溶かしていただくなど、飲みやすい形に工夫していただいても問題ありません」

ワンポイントアドバイス

「甘いのが苦手という方は、酸味のあるジュースなどで割るとすっきりと飲めますよ。ただ、プロテインは水か牛乳でおいしく飲めるように作られることが多いので、フレーバーとジュースの相性も重要になってきます」

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──プロテインは、ドリンクとして飲む以外に、どんな食べ方がおすすめでしょうか。

「ヨーグルトに入れるのもおすすめです。プロテイン特有の粉っぽさを少し和らげることができます」

プロテインの気になるウワサ

──「運動しないでプロテインを飲むと太る」というウワサを聞いたのですが、本当でしょうか?

「1日の摂取カロリーが消費カロリーを超えることで太る要因となります。運動せずにプロテインを摂取しているからではなく、自身の食事を見直し、炭水化物や脂質をたんぱく質に置き換えて摂取カロリーの調整をしていただければ、必ず運動が必要というわけではありません」

ワンポイントアドバイス

プロテインドリンクを取り入れて太るパターンは、カロリーオーバーが原因となることが多いです。たんぱく質は1ℊあたり4kcalです。たとえば1回にたんぱく質20gのプロテインを飲んだ場合は、最低でも80kcal以上のカロリーを摂ることになります。

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──では、運動をせず、食事をプロテインドリンクに置き換えるだけでもダイエットになるのでしょうか。

「リバウンドをしないダイエットでは、筋肉をつける必要があります。筋肉をつけるためには、たんぱく質の摂取とセットで行ってほしいのが適度な運動です。筋肉をつけることで基礎代謝量が上がり、痩せやすいカラダ・太りにくいカラダをつくることができます。そのため、プロテインドリンクに置き換えるだけでなく、適度な運動も行いましょう」

──「プロテインドリンクは腎臓に悪い」というウワサも聞いたことがあるのですが、本当でしょうか。

「腎機能の低下した人にはたんぱく質の摂取制限が行われますが、健康な人がたんぱく質を摂取することで腎臓が悪くなったというエビデンスはございません。自身の身体活動レベルや体重に合わせた適正量(※)を基準に過剰に摂りすぎる生活を続けない限り、過度に心配する必要はないでしょう」

(※)適正量:身体活動レベルが普通*の人の場合、体重1kgあたり0.9gのたんぱく質を目安となり、頻繁に筋トレを行う人や活発な運動習慣のある人では体重1kgあたり1.1g~1.6gのたんぱく質が目安量となります。

*身体活動レベルが普通とは、座り中心の仕事だが、通勤や買い物などの移動や家事労働等で1日合計2時間、仕事中の職場内の移動で30分程度費やしている状態などを指す

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記事協力
株式会社ファイン
健康食品・サプリメントを47年も前から研究開発・製造・販売をしている。自社製品については販売・製造・研究・検査まですべて自社で実施。
公式サイト https://corp.fine-kagaku.co.jp/

<Edit:編集部>