腰痛の原因になりやすい「NG習慣」とは【男女別】 (1/2)
腰痛は、肩こりと並んで国民病の代表と言われるほど、男女ともに多いお悩み症状です。厚生労働省による「国民生活基礎調査(2019年)」によれば、ケガや病気などの自覚症状のうち、「腰痛」は男性の1位、女性の2位となっています(※1)。
腰痛の原因はさまざまです。厚生労働省の「DK_安全衛生対策2013 腰痛対策」によると、腰痛で病院を訪れる約85%は原因不明となっています(※2)。
腰痛の原因は男女で変わる
原因が特定できていない慢性的な腰痛が多いなか、原因が特定できる代表的な腰痛としては、ぎっくり腰や坐骨神経痛を伴う梨状筋症候群、椎間板ヘルニアなどがあります。
ここでは、腰痛の原因を男性と女性それぞれのメカニズムから説明します。
男性と女性では、骨格や筋肉量など体の構造のほか、それぞれの性質や生活習慣に違いがあるため、腰痛を引き起こすメカニズムが異なると考えられます。
男性に多い腰痛のメカニズム
腰痛を引き起こす「椎間板ヘルニア」は、比較的若い男性に多いといわれます。また、原因が特定できていない慢性的な腰痛も多いとされています。
これらの原因のひとつとされているのが、男女で違う「骨格」です。男性の骨盤の形と、肋骨弓の角度がやや広くなっている形状が、腰痛になりやすい要因のひとつでもあります。
内臓脂肪がつくと肋骨の下からお腹がせり出し、反り腰の姿勢になりやすいので、腰に負担がかかり痛みが生じるのです。
加えて、力仕事や激しいスポーツなどで物理的に腰に負担がかかることも、男性の腰痛の原因になります。
女性の腰痛のメカニズム
女性の腰痛には、生理や妊娠、出産、ホルモンバランスの乱れなど、女性特有の原因が挙げられます。
生理痛は、子宮の収縮により腹部や腰部に痛みが生じます。また、妊娠中は大きなおなかを支えるため反り腰の姿勢になりやすく、腰に負担がかかり、腰痛につながると考えられます。
さらに、家事や育児で無理な姿勢が続くことや、ハイヒールを履く習慣なども腰痛を引き起こす要因になります。
加えて、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、姿勢を保持する筋力が低下することにより、腰に負担がかかりやすくなります。
筋肉量が少ないと血流が滞りやすいので、冷えからくる腰痛も女性に多い原因といえるでしょう。
【男女別】腰痛の予防と対策
腰痛の原因に男女の違いがあるように、予防や対策も異なります。
男性の腰痛対策
男性は骨格の特徴から腰痛のリスクがあることを理解し、筋肉の柔軟性を高めて、姿勢や動作パフォーマンスを改善することが大事です。そのため、以下が腰痛対策として役立ちます。
- ストレッチなどで筋肉の柔軟性を高める
- 股関節の柔軟性を高めて日常の動作パフォーマンスを高める
- 体幹トレーニングで内臓脂肪の蓄積を予防する
- 正しい姿勢を意識する
- 長時間、同じ姿勢にならないようにこまめに動く
- 前かがみの姿勢で重たいものを持たない。重たいものを持つときは、腰を落としておなかに力を入れた
- パワーポジションで行う
- 力仕事やスポーツなどで反動を使って動かない
- 力仕事や激しい運動をした日はゆっくりお風呂に浸かるなど、筋肉疲労の回復を促す
- 仕事以外で趣味を持つなど、ストレス解消法を持っておく
女性の腰痛対策
女性は、ホルモンバランスによる女性特有の症状があることを理解し、生活スタイルに合わせたケアをするほか、腰の負担を軽減するために体質改善をすることが大事です。
- 適度な運動で筋力を高める。とくに下半身の筋肉を鍛える
- 服装や空調などで、体を冷やさない工夫をする。とくにお腹や腰まわりを温めて骨盤内の血行をよくする
- ハイヒールを履く回数を控える
- 長時間、同じ姿勢にならないようにこまめに動く
- 正しい姿勢を意識する
- 冷え性の自覚がある方は、温かいお風呂に浸かる習慣を持つ
- リラックスする時間を持つ
- 体幹トレーニングなどでインナーマッスルを鍛える
十年以上、坐骨神経痛に悩むエディターが試したこと(体験記)
長年、坐骨神経痛に苦しんでいた編集部員ですが、どうも腰回りを冷やすと痛みが出てくると把握し、血流促進のためにストレッチやマッサージ、入浴、ホッカイロ、EMSなどあらゆる対策を数年間行いました。が、いまいち。
盲点だったのは「硬い骨盤矯正サポートグッズ」でした。イスに敷くタイプでしたが、これによりお尻周りの血流が悪くなり、梨状筋あたりも固くなって坐骨神経を圧迫していたのか? と推測。
また、少し違和感を感じた時点で、寝る前に拳をグーにして布団とお尻の間に挟み、梨状筋まわりをぐりぐりほぐしてやると、悪化しないことも多かったです。
フォームローラーやストレッチボールなどではなぜか効果が感じられず……という体験談でした。
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