ウェルネスフード
2024年1月5日

お正月料理の「意外な意味」とは?おせち食材の歴史と栄養 (2/2)

三の重【酢の物】

三の重には、酢の物を詰めます。ただし、お重が3段の場合は、2段目に酢の物を詰めるのが一般的です。

紅白なます

紅白なます

にんじんはビタミンA、B、Cが豊富で、とくにカロチン(体内でビタミンAに変わる)を多く含んでいます。大根には、でんぷん消化酵素のジアスターゼなどが多く含まれています。

予の重【煮物】

家族が仲良く結ばれるよう、山の幸を多く使った煮しめ(煮物)を詰めます。

くわい

れんこん

タンニンや鉄分を多く含みます。このほかビタミンCや食物繊維も豊富な食材です。

くわい

カリウムが豊富に含まれており、排尿改善や高血圧の改善などが期待できます。また、疲労回復に役立つビオチンも豊富です。

里芋

ぬめりのもとは、ガラクタンという糖質とたんぱく質の結合した成分で、免疫力を高める効能があるとされています。

ご紹介した料理はほんの一例です。このほかにもたくさんの食材が使われ、地域やその家庭の文化や習慣を表現した料理は正月の食卓を彩り、家族の健康を支えます。

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おせち料理に込められた願い 

おせちに詰められた料理は、栄養価が高いだけでなく、それぞれ大切な意味や願いが込められています。それでは、その一部をご紹介します。

黒豆

「まめ」の真面目・健康という意味から、「真面目に働ける」「健康に過ごせる」ように願います。

数の子

卵がたくさんあることから子孫繁栄を願います。

栗きんとん

金を連想させる見た目や、金団(きんとん)という漢字から金運の向上や商売繁盛を願います。

昆布巻

昆布の意味である「広布(ひろめ)」と、「よろこぶ」の「こぶ」にかけて縁起物とされています。

海老

海老のように背中が丸くなるまで長生きができるようにと願います。

ぶり

出世魚とよばれていることから、将来出世できるようにと願います。

れんこん

れんこんの穴から先を見通せるという意味で、見通しのいい未来を願います。

くわい

突き出た芽から「芽出たい(めでたい)」と縁起のいい意味をもちます。

里芋

種芋から多くの子芋・孫芋がつくことから、子孫繁栄を願います。

おせち

お正月の疲れた胃腸には漢方

栄養価の高いおせち料理ですが、食べ過ぎてしまうのはよくありません。

とくにこの時期は、年末からイベント続きで胃腸が弱っており、胃もたれや消化不良、胃痛や嘔気などといった胃腸のトラブルを起こしやすい状態にあります。

とはいえ、セーブするのはなかなか難しいですよね。

年末年始で疲れてしまった胃腸には、漢方でのケアもおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬から成り、からだが本来もつ自然治癒力を高めるサポートをします。

年末年始の胃腸トラブルは、暴飲暴食だけではなく、生活リズムの乱れや冷えによる胃腸の働きの低下が原因と考えられます。

胃腸トラブルの改善には、「胃腸の消化機能を回復させる」「自律神経のバランスを整えて胃もたれを軽減する」「からだを温めて、胃の働きを改善する」といった働きをもつ漢方薬を選びます。

胃腸の働きが改善されることで栄養が全身に届けられ、ストレスや疲労に負けないからだを手に入れることもできます。

また、漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善が目指せるので、不調を治すだけでなく、不調にならないからだを目指すこともできるでしょう。

弱った胃腸におすすめの漢方薬

六君子湯(りっくんしとう):体力中等度以下で、胃腸が弱く疲れやすい方の胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐などに。胃腸の働きを整えることで、胃の痛みやもたれなどの不快感を改善します。また、胃腸内に停滞している水分を取り除くことで、嘔吐や下痢の症状を緩和します。

安中散(あんちゅうさん):体力中等度以下で、胃痛または腹痛でお困りの方の慢性胃炎、胃腸虚弱などに。胸やけ、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、嘔気、嘔吐などの症状におすすめです。胃腸を温めて胃腸の動きをよくすることで、胃痛や胸やけに働きかけます。

平胃散(へいいさん):体力中等度以上で、食べ過ぎによる胃もたれや嘔気、食後の下痢傾向などでお困りの方の急性胃炎、慢性胃炎、消化不良、食欲不振に。胃に停滞している水分を取り除き、胃腸の動きをよくすることでおなかの張りを取り去ります。

漢方薬はからだに優しく働きますが、適切に使用しないと副作用が生じることもあります。また、効果を十分に感じるためには、体質や症状、不調の要因など総合的に判断して適切な漢方薬を選択する必要があります。

どの漢方薬が合っているのか見極めるためには、専門家のアドバイスに従いましょう。

最近では専門家が症状に合った漢方薬を選択し、自宅に郵送してくれるサービス「あんしん漢方」があります。スマホ一本ででき、お手頃価格ですので、漢方は敷居が高いと感じている方も、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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おせちを食べて新年を元気に過ごそう

今回は、古くから伝えられてきた日本の伝統料理であるおせちについて解説しました。

昔は時間をかけて手作りしていましたが、最近ではデパートやネットなどで気軽に手に入れることもでき、より選択肢が増えました。どのおせちにも食べる人の一年の健康や幸せを願う気持ちが込められています。

詰められた一つひとつの料理の意味を考えながら食べると、より一層味わい深く感じることでしょう。

この記事を書いた人

竹田由子

竹田由子
薬剤師。元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」でも情報発信をしている。

<Edit:編集部>

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