【鶏胸肉100gのカロリー&タンパク質】皮あり・皮なしの違い。効果的な食べ方とは[管理栄養士監修] (4/5)
筋トレ中の場合
筋トレの場合も、ダイエット時と同様、鶏むね肉は1日100gが目安とのこと。なお、ハードなトレーニングをされている場合、エネルギー量を増やし、それに応じてたんぱく質の量(割合)を増やす必要があるといいます。
「トレーニングの内容と量によって幅がありますが、高強度のトレーニングをされている方の場合、たんぱく質1.2~2.0g×体重(㎏)を摂るとよいと思います」(三城先生)
筋肉を効率よく増やしたいときの3つのポイント
とはいえ、たんぱく質だけ重視しても筋肉はうまく作られません。筋肉を増やすためには、3つのポイントがあるといいます。
「『筋肉を増やす=たんぱく質の量』と思われがちですが、実はそうではありません。筋肉を増やすためには、『エネルギーをしっかり摂る』『たんぱく質を3食摂る』『ビタミン、ミネラルといった微量栄養素と腸内環境を整える働きがある食物繊維を摂る』という3点がセットになって成り立ちます」(三城先生)
この3ポイントについて、くわしく説明していきます。
エネルギーをしっかり摂る
「普通の生活強度の人の場合、1日に必要なエネルギー摂取量は30~40kcal×標準体重(㎏)です。60㎏の人の場合、1800~2,400kcal/日のエネルギー量が必要です。筋トレやトレーニング内容によってもっと必要な方もいらっしゃるでしょう。エネルギー不足が起こると、筋肉細胞を分解してエネルギー源にしてしまうため、がんばってトレーニングしているにも関わらずなかなか筋肉がつきません。糖質制限をしている筋トレユーザーの場合、筋細胞の脱水により筋繊維が切れる(いわゆる肉離れ)などのケガ、重りを持ったときの集中力低下による怪我などリスクがあります」(三城先生)
お腹が減りすぎて力が出ないという経験は、トレーニー以外の人でも経験があるのでは。ダイエットで極端な食事制限をしていたり、食べないダイエットを行っていると、トレーニングもままなりません。適度な糖質はむしろマストでしょう。
「体内で早く使われるエネルギーは、ごはんや麺、パンなどに多く含まれる糖質です。摂りすぎは中性脂肪になりますが、適量であればエネルギーとして体と脳で使われるため太ることはありません。まずはご自身に必要なエネルギー量を計算してみましょう」(三城先生)
たんぱく質を3食摂る
適切なエネルギーを摂ったら、いよいよたんぱく質です。
「必要なエネルギー量が満たされている前提で、たんぱく質を補います。1日のたんぱく質摂取量は先に説明した通りです。たんぱく質源には動物性と植物性があり、肉類や魚介類、卵、乳製品など動物性たんぱく質には、ビタミンやミネラルも多く含まれています。豆類や穀類、野菜など植物性たんぱく質には、食物繊維が多く含まれています」(三城先生)
たんぱく質は、魚やたまご、乳製品に豆類などからもとれるので、鶏むね肉だけでなくさまざまな食品も視野に入れてみましょう。
ビタミン、ミネラルといった微量栄養素と、食物繊維を摂る
「ビタミン、ミネラルと聞くと『野菜を食べなきゃ』と思われるかもしれません。しかし先述の通り、たんぱく質を多く含む食材にビタミン、ミネラルも多く含まれています。野菜や果物はそれらの栄養素だけではなく、食物繊維やフィトケミカルを補給するために、積極的に食べたい食材です」(三城先生)
食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれており、腸内環境を整えることによるさまざまなメリットが注目されています。
「食物繊維は腸内細菌の餌になり、腸内環境を整える働きがあります。筋トレやランニングなど激しいトレーニングを行うと内臓が疲労し、腸内環境が乱れることが知られています。海藻に多い水溶性食物繊維と野菜に多い不溶性食物繊維を、1週間の食事の中でちりばめながら取り入れていきましょう。ハードトレーニングで疲れているときは、サラダよりもスープや煮物などやわらかい料理から摂ると、胃腸にやさしく体のケアにつながります」(三城先生)
筋肉を増やすためには、これら3つのポイントを押さえたうえで、トレーニングを行うのが効率的です。
「栄養素はチームプレーです。野球は9人で1チームですが、ピッチャーばかりたくさんいても試合は成り立ちません。これは栄養素と質のいい体づくりでも同様です。『筋肉=たんぱく質』という考えは一度捨て、エネルギー摂取、たんぱく質を分食して摂る、体内を調整するビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることで筋肉の量と質を高めていこうという考え方がおすすめです」(三城先生)
ちなみに「食べる前にスマホで写真を撮る」を行うと、自己管理にとても役立つそうです。