【胃下垂の確かめ方】セルフチェック方法!治すための簡単筋トレも│医師監修 (4/4)
お腹が出やすい食べ物
食物繊維が多く含まれている食べ物を摂り過ぎると、お腹が出やすいと考えられます。特に、「不溶性食物繊維」より「水溶性食物繊維」の方が、ガスが溜まりやすく、お腹が出やすくなると考えられます。
食物繊維が腸管の中で分解されると、腸内細菌によって代謝されガスが発生します。このガスがたまると腸管が膨らみます。胃下垂の人の下腹部には、腸管も存在しているため、食物繊維の摂り過ぎによって下腹部のぽっこりにつながります。
また、短時間の内に大量に食べるのもお腹が出る原因になります。胃の中に入るものが少なくなるように、1日に必要な食事量を小分けにして食べると胃がぽっこりしにくいでしょう。
お腹が出にくい食べ物
必ずしもお腹が出ないというわけではありませんが、低FODMAP食品はお腹が出にくい可能性があります。
パンやうどんなどの高FODMAPを過度に摂り過ぎると、腹部の膨満感・痛み・下痢・便秘などを引き起こしやすくなります。また、小腸で吸収されにくいため、大腸で発酵しやすく、ポッコリ腹を助長させる可能性があります。
「高FODMAP食品=体に悪い」のではなく、摂り過ぎると上記のような症状が出るということなので、摂り過ぎている人は、少しずつ低FODMAP食品に変更して調子がいい範囲でとどめておくと良いでしょう。
医師が解説! 胃下垂の歴史
胃下垂が初めて登場したのは、1719年。以降、胃下垂は、「胃の様々な症状を引き起こす」と考えられ、病気として認識されるようになりました。そのため、胃下垂のメカニズムについて世界中で研究されましたが、明確な答えは出ませんでした。
1930年頃になると、欧米を中心に胃下垂は病気ではないと結論づけられるようになり、原因を究明する動きは収束していきました。
日本においては、戦後まもなくまでは病気として認識されていましたが、次第に胃下垂は病気ではなく、単なる形態の異常であるとして認識されるようになっていきました。ですので、現代において医師から「あなたは胃下垂だから治療しましょう」と言われることはなく、医師の卵である医学生も胃下垂について勉強する機会はありません。
ただし、胃下垂の中には他の病気が隠れていることがあります。そのため、診察する医師はその点にはおいては最善の注意を払って診察しています。
▼参考
胃下垂に関する臨床的研究 - 国立研究開発法人 科学技術振興機構
監修したのはこの人
レジーナクリニックリボディ
新宿院院長 湯地 義啓(ゆじ よしひろ)先生
宮崎大学医学部卒業。ハーバード大学 Blackburn Course in Obesity Medicine 修了。精神科医・日本医師会認定産業医・日本医師会認定健康スポーツ医。NSCA-CPT(米国 NSCA 認定パーソナルトレーナー)。
所属学会:日本内科学会、日本臨床内科医会、日本スポーツ精神医学学会、日本肥満学会、日本精神神経学会
<Text:編集部>