完全栄養食だけで生活できるのか。考えられるデメリットとは (1/2)
ここ数年で存在感を高めている「完全栄養食(完全食)」。最近ではコンビニで買えるものも増えています。
名前からして、これさえ食べておけば栄養バランスの整った食生活が送れそうな印象を受けますが、本当にそうなのでしょうか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんの回答をリコメンド!
完全栄養食だけで生活するのは良くないの?
瀧川さん:完全栄養食とは、一般に厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(以下、「食事摂取基準」と表記)を参考に、1食あたりに必要な栄養素をすべて網羅し摂取できるよう作られた食品のことです。
パン、ドリンク、グミ、パスタ、パウダー、カレーなどさまざまな味・形状の完全栄養食製品が見受けられます。
健康のポイントは「5大栄養素が偏りなく摂れているか」
瀧川さん:しかし、体組成・活動レベル・体質は人によって異なるため、3食おなじ完全栄養食を食べ続けるのは、栄養バランスが充分と言いきれないケースもあるでしょう。
基本的に、健康維持のためには5大栄養素(タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)が偏りなく摂れていることがポイントとなります。
完全栄養食として商品を販売しているブランドのいくつかは「食事摂取基準」の栄養素等表示基準値(18才以上、基準熱量2,200kcal)に基づき、各栄養素の1日における推奨摂取量の1/3以上を満たすように1食分を開発しているようです。
完全栄養食の栄養バランスを見てみると……
完全栄養食の栄養バランスを見ると、先述条件下で1食中あたりに必要な栄養素が入っていますが、含まれる栄養素の量は商品により違いがあります。
そのため、長期的な健康維持を考えるのであれば、普段から栄養バランスを考慮した食事を心掛け、その中で調理や食事の時間がとれないときや手軽に食事を済ませたいときなどは、完全栄養食に置き換えていただければと思います。
数日の実施であれば悪影響は少ない
瀧川さん:仮に、完全栄養食やサプリメントのみで食事を済ませた場合、数日の実施であればそこまでカラダに影響することは少ないと考えられます。
では、1日3食すべてを完全栄養食やサプリメントに置き換えて食事を続けた場合、どんなデメリットが考えられるでしょうか?