足首を柔らかくする「足首回し」の効果とやり方[理学療法士監修] (2/2)
座りながらできる足首ストレッチ(足首回し)
やり方
- 床、もしくは椅子に座り、すねが動かないように両手で固定する
- 足のつま先で円を描くように足首を回す(時計まわり・反時計まわり)
できる限り大きく回すことと、滑らかに動くことを意識しましょう。
回数
ゆっくり10~20回行う(時計まわり・反時計まわり)
──理学療法士目線で見て、足首ストレッチにおすすめしたい器具はありますか?
以下のような器具はおすすめです。
青竹踏み/Yamuna Foot
足底部には地面の情報を伝えるセンサーが豊富に存在するため、各ツールを踏みながら刺激を入れることで、柔軟性や可動性を高めることができます。
マッサージガン
マッサージガンなどの振動刺激で足底部にあるセンサーに刺激を入れることで、柔軟性を高めることができます。
直接、ふくらはぎの筋腱移行部に使っても効果があります。
そして、上記二つを合わせた「パワープレート」というアイテムも、高価ですがおすすめです。
──足首ストレッチはいつやると効果的ですか? おすすめのタイミングがあれば教えてください。
運動前後などは、障害予防の観点ではおすすめです。
柔軟性や可動性を高めるという視点では、1日のなかで行う頻度を増やしていくようにすると、脳への運動学習効果が高まりやすくなります。
──1週間に何回やればいいなど目安はありますか?
「スキマ時間にこまめにやる」を意識するとよいでしょう。
研究によると、10秒間9回、30秒間3回でも効果は変わらないという結果が出ています。
また、ストレッチを週1回行う人と週3回行う人では、週3回のほうが効果的であったという報告があります(1週間に行うストレッチの合計時間は360秒)。
上記のことから、時間や回数を気にするより、スキマ時間に少しでもいいので、こまめに実施することをおすすめします。
──どれくらいの期間続けるといいでしょうか? 最低でも〇か月など、継続期間の目安を教えてください。
期間としては、効果が出てくるまではおよそ2か月程度は必要でしょう。
しかし、止めると元に戻りやすくなるため、効果を維持していくためには、しっかりと可動域を広げて足首を使う生活を送る必要があります。
また、先述の通り、ストレッチの効果は神経的な要素が強いため、こまめに足首ストレッチを行うことをおすすめします。
また、関節拘縮を起こしている場合はストレッチの効果は期待できません。医療機関を受診し、適切な診断・治療を行うようにしましょう。
──足首はなぜ硬くなるのでしょうか。足首が硬くなる原因を教えてください。
基本的には、足首に関わらず動きが硬くなってしまう原因には、「廃用・過用・誤用」が原因に挙げられます。ひとつずつ説明していきます。
廃用とは
「使わなくなることで硬くなっていく」ことを指します。
たとえば、現代の生活では洋式トイレがほとんどでしょう。昔であれば、和式トイレを使うためカカトをつけたまましゃがむ動作ができていましたが、現代ではできない人が増えています。
過用とは
「使い過ぎ」を指します。スポーツを行っている人に多く見られます。
身体も、使い過ぎればその場所を保護しようと硬くなります。そのため、適切な休養やケアができなければ硬くなってしまいます。
誤用とは
「誤った使い方をしてしまう」を指します。
たとえば、他の部分を怪我したため、その部分をかばう動作を行うことで足首周囲が硬くなるなどです。
足首だけでなく、どの部分も相互に関わって影響を与えていますので、バランスよくケアや運動を行うことをおすすめします。
──もっと足首をケアしたい人に向けて、足首を柔らかくするマッサージ方法を教えてください。
足首を柔らかくするマッサージ
両くるぶしを結んだ線の足裏中央に、筋肉の腱や足裏の筋肉が交差する場所があります。
その部分を両手でしっかり掴み、押さえます。その状態で足指のグーパー運動を行います。
20~30回を、2~3セット繰り返しましょう。
監修者プロフィール
医療法人藍整会なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニック
主任理学療法士 島田直也
理学療法士免許取得。免許取得後、地元広島の整形外科クリニックで勤務し、トレーナー活動として中学・高校バスケ、Bリーグ、3X3premier所属チームをサポートするなどスポーツ現場での経験積む。現在は、医療法人藍整会なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニックの主任としてリハビリ業務に携わりながら、おこしやす京都ACのトレーニング/コンディショニングサポートも行っている。
<Edit:編集部/Photo & movie:医療法人藍整会なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニック>