ウェルネスフード
2024年4月11日

納豆ダイエットの痩せるやり方、逆効果な食べ方。朝夜いつ食べる?量はどのくらい? (1/2)

「納豆ダイエット」というと、人気テレビ番組のねつ造事件を思い出す方も多いかもしれません。放送後、一時はスーパーから納豆が消えるほどの人気でした。

しかし、検証実験が杜撰などの指摘があり、結局番組そのものが打ち切りになった事件です。また、納豆ダイエットはいわゆる単品ダイエットのイメージもあり、栄養バランスと運動によるダイエットがスタンダードとなった令和では、やや敬遠されがちです。

ただ、納豆そのものは畑の肉「大豆」の発酵食品で、栄養豊富な食べ物です。納豆はダイエットにメリットがあるのか、ないのか。令和版・納豆ダイエットについて探っていきましょう。

納豆はなぜ健康と美容にいいのか?栄養面からメリットを見ていこう

納豆は良質のたんぱく質を豊富に含むことから「畑の肉」とも呼ばれます。たんぱく質だけではなく、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をすべて含み、さらに食物繊維も含むバランスの良い食べ物です。

古来、米を主食としてきた日本人にとって、肉の代わりとして、栄養を補ってきたのが納豆でもあります。

もう少し具体的に見ていきましょう。

納豆は低カロリー・低糖質

納豆1パック(50g)のカロリーはおおよそ80~90kcal。コンビニのおにぎり1個(約100g)の約半分、卵(Mサイズ)1個とほぼ同じです。

糖質は1パックあたり2.5gです。ちなみにひきわり納豆の方が数値は低めです。大豆製品は総じて糖質量が少なめなので、糖質オフダイエットに向いています。

糖質オフのメリットとして、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の過剰分泌が抑えられ、内臓脂肪の予防などに繋がります。インスリンには糖を中性脂肪に変え、体内に溜め込む働きがあるからです。

高たんぱく質で筋肉づくりをサポート

納豆1パック(50g)のたんぱく質量は8.3g。高タンパク質です。

たんぱく質は筋肉や骨など、体のさまざまな部分を形成するために必要な栄養素です。たんぱく質をしっかりと摂ることにより、筋肉量を増やすサポートにつながります。筋肉量が増えると基礎代謝量も上がり、脂肪燃焼しやすくなります。

腸内環境を整える納豆菌

納豆に含まれる納豆菌は、生きたまま腸内に届くとされています。そして、腸内の善玉菌を活性化させ、悪玉菌を抑制します。

「腸活」という言葉があるように、腸内の環境を整えることは、便秘だけではなく体質の改善にも役立ちます。

▼腸内環境とダイエットの関係性
腸内環境が太りやすさや肥満と深く関わっていることが分かっているのだそうです。太ったマウスの腸内細菌を移植された普通のマウスも太りやすくなるというデータや、肥満の人の腸内フローラ(腸壁に隙間なくびっしりと張り付いた腸内細菌)は多様性が少なく特定の菌種に偏り、瘦せた人の場合は多様性に富むことが報告されているとのこと。

納豆の栄養と効果的な食べ方。ダイエットにいい? 食べ過ぎるとどうなる? 高たんぱく食べ合わせも解説【栄養士監修】より

アンチエイジングに役立つイソフラボン

大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と似た働きをするため、加齢に伴い分泌量が減少するエストロゲンの不足を補ってくれます。

女性の美しさや若々しさといったアンチエイジングをサポートしてくれます。

脂肪の蓄積を抑えるβ-コングリシニン

納豆の原料・大豆の大豆たんぱく(β-コングリシニン)には、脂肪の蓄積を抑える働きもわかってきました(※1)。

(※1)河村幸雄『発酵食品としての大豆の健康機能性』, J-STAGE日本醸造協会誌, 2000 年 95 巻 6 号 p. 386-394

血栓に働きかけるナットウキナーゼ

納豆にはナットウキナーゼと呼ばれる特有の酵素があります。ナットウキナーゼには骨形成を促したり、血栓を溶かす働きがあります。ただ、熱に弱いので長時間の加熱はNG。

ちなみに血液が固まるのは夜中~朝方のため、ナットウキナーゼの働きを考えた場合、夜食べるのがおすすめです。

粒納豆とひきわり納豆、何が違う?カロリーや栄養価をチェック

余談ですが、納豆は作り方により、粒納豆とひきわり納豆に分けることができます。

  • 粒納豆:浸水させた大豆を蒸して、納豆菌を付けて発酵させたもの。
  • ひきわり納豆:大豆を引き割り、皮を取り除いたものを浸水させ、蒸して納豆菌をつけて発酵させたもの。

粒納豆には、大豆本来の食感や噛み応えがあります。これに対し、ひきわり納豆は皮を含まないので、柔らかい食感が得られます。

それぞれの栄養価を比べてみました(1パック50gあたり)

 

粒納豆(糸引き納豆)

ひきわり納豆

エネルギー

92kcal

93kcal

タンパク質

8.3g

8.3g

脂質

5.0g

5.0g

炭水化物

6.1g

5.3g

食物繊維

4.8g

3.0g

ビタミンK

440μg

470μg

カルシウム

46mg

30mg

1.7mg

1.3mg

大豆イソフラボン

37mg

37mg

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年、『栄養の「こつ」の化学』(柴田書店・佐藤秀美)

比べて見ると、食感だけではなく栄養価にも違いがあることがわかります。

食物繊維やカルシウムが多いのは粒納豆ですが、ビタミンKを多く含むのはひきわり納豆です。

ビタミンKが不足すると骨粗鬆症が懸念されます。従って、整腸作用を重視する際は粒納豆を、そして骨の健康を重視する際はひきわり納豆。このように目的に応じて食べ分けるのも良いでしょう。

ダイエット目線で見た、納豆の効果的な食べ方

冒頭で述べたように、納豆だけを食べる単品ダイエットではなく、健康的に瘦せるための「令和版・納豆ダイエット」を考えてみました。

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