納豆の栄養とダイエットに活かす方法
ウェルネスフード
2024年2月10日

納豆ダイエットの痩せるやり方、逆効果な食べ方。朝夜いつ食べる?量はどのくらい?

「納豆ダイエット」というと、人気テレビ番組のねつ造事件を思い出す方も多いかもしれません。放送後、一時はスーパーから納豆が消えるほどの人気でした。

しかし、検証実験が杜撰などの指摘があり、結局番組そのものが打ち切りになった事件です。また、納豆ダイエットはいわゆる単品ダイエットのイメージもあり、栄養バランスと運動によるダイエットがスタンダードとなった令和では、やや敬遠されがちです。

ただ、納豆そのものは畑の肉「大豆」の発酵食品で、栄養豊富な食べ物です。納豆はダイエットにメリットがあるのか、ないのか。令和版・納豆ダイエットについて探っていきましょう。

納豆はなぜ健康と美容にいいのか?栄養面からメリットを見ていこう

納豆は良質のたんぱく質を豊富に含むことから「畑の肉」とも呼ばれます。たんぱく質だけではなく、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をすべて含み、さらに食物繊維も含むバランスの良い食べ物です。

古来、米を主食としてきた日本人にとって、肉の代わりとして、栄養を補ってきたのが納豆でもあります。

もう少し具体的に見ていきましょう。

納豆は低カロリー・低糖質

納豆1パック(50g)のカロリーはおおよそ80~90kcal。コンビニのおにぎり1個(約100g)の約半分、卵(Mサイズ)1個とほぼ同じです。

糖質は1パックあたり2.5gです。ちなみにひきわり納豆の方が数値は低めです。大豆製品は総じて糖質量が少なめなので、糖質オフダイエットに向いています。

糖質オフのメリットとして、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の過剰分泌が抑えられ、内臓脂肪の予防などに繋がります。インスリンには糖を中性脂肪に変え、体内に溜め込む働きがあるからです。

高たんぱく質で筋肉づくりをサポート

納豆1パック(50g)のたんぱく質量は8.3g。高タンパク質です。

たんぱく質は筋肉や骨など、体のさまざまな部分を形成するために必要な栄養素です。たんぱく質をしっかりと摂ることにより、筋肉量を増やすサポートにつながります。筋肉量が増えると基礎代謝量も上がり、脂肪燃焼しやすくなります。

腸内環境を整える納豆菌

納豆に含まれる納豆菌は、生きたまま腸内に届くとされています。そして、腸内の善玉菌を活性化させ、悪玉菌を抑制します。

「腸活」という言葉があるように、腸内の環境を整えることは、便秘だけではなく体質の改善にも役立ちます。

▼腸内環境とダイエットの関係性
腸内環境が太りやすさや肥満と深く関わっていることが分かっているのだそうです。太ったマウスの腸内細菌を移植された普通のマウスも太りやすくなるというデータや、肥満の人の腸内フローラ(腸壁に隙間なくびっしりと張り付いた腸内細菌)は多様性が少なく特定の菌種に偏り、瘦せた人の場合は多様性に富むことが報告されているとのこと。

納豆の栄養と効果的な食べ方。ダイエットにいい? 食べ過ぎるとどうなる? 高たんぱく食べ合わせも解説【栄養士監修】より

アンチエイジングに役立つイソフラボン

大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と似た働きをするため、加齢に伴い分泌量が減少するエストロゲンの不足を補ってくれます。

女性の美しさや若々しさといったアンチエイジングをサポートしてくれます。

脂肪の蓄積を抑えるβ-コングリシニン

納豆の原料・大豆の大豆たんぱく(β-コングリシニン)には、脂肪の蓄積を抑える働きもわかってきました(※1)。

(※1)河村幸雄『発酵食品としての大豆の健康機能性』, J-STAGE日本醸造協会誌, 2000 年 95 巻 6 号 p. 386-394

血栓に働きかけるナットウキナーゼ

納豆にはナットウキナーゼと呼ばれる特有の酵素があります。ナットウキナーゼには骨形成を促したり、血栓を溶かす働きがあります。ただ、熱に弱いので長時間の加熱はNG。

ちなみに血液が固まるのは夜中~朝方のため、ナットウキナーゼの働きを考えた場合、夜食べるのがおすすめです。

粒納豆とひきわり納豆、何が違う?カロリーや栄養価をチェック

余談ですが、納豆は作り方により、粒納豆とひきわり納豆に分けることができます。

  • 粒納豆:浸水させた大豆を蒸して、納豆菌を付けて発酵させたもの。
  • ひきわり納豆:大豆を引き割り、皮を取り除いたものを浸水させ、蒸して納豆菌をつけて発酵させたもの。

粒納豆には、大豆本来の食感や噛み応えがあります。これに対し、ひきわり納豆は皮を含まないので、柔らかい食感が得られます。

それぞれの栄養価を比べてみました(1パック50gあたり)

 

粒納豆(糸引き納豆)

ひきわり納豆

エネルギー

92kcal

93kcal

タンパク質

8.3g

8.3g

脂質

5.0g

5.0g

炭水化物

6.1g

5.3g

食物繊維

4.8g

3.0g

ビタミンK

440μg

470μg

カルシウム

46mg

30mg

1.7mg

1.3mg

大豆イソフラボン

37mg

37mg

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年、『栄養の「こつ」の化学』(柴田書店・佐藤秀美)

比べて見ると、食感だけではなく栄養価にも違いがあることがわかります。

食物繊維やカルシウムが多いのは粒納豆ですが、ビタミンKを多く含むのはひきわり納豆です。

ビタミンKが不足すると骨粗鬆症が懸念されます。従って、整腸作用を重視する際は粒納豆を、そして骨の健康を重視する際はひきわり納豆。このように目的に応じて食べ分けるのも良いでしょう。

ダイエット目線で見た、納豆の効果的な食べ方

冒頭で述べたように、納豆だけを食べる単品ダイエットではなく、健康的に瘦せるための「令和版・納豆ダイエット」を考えてみました。

納豆は常温がおすすめ

ナットウキナーゼは熱に弱い性質があるため、加熱せずに食べるのがおすすめです。ただし白いほかほかのご飯程度の熱なら、短時間であれば問題ないそう。

ナットウキナーゼは、50℃前後で徐々に活性を失い始め、70℃以上で不活性化するとされています。ほかほかのご飯の温度は60℃~70℃程度。長時間乗せると不活性化する恐れがありますが、短時間であれば問題ないでしょう。

「納豆は熱いご飯に乗せると栄養が壊れる」ってホント?より

納豆は1日何パック? プリン体には気をつけて

納豆をはじめ大豆の加工品は、プリン体を多く含みます。納豆1パックにはおおよそ57mgのプリン体が含まれています。

大豆のほか、肉や魚介類にもプリン体は多く含まれます。そして、プリン体の過剰摂取は、痛風や腎結石などの原因となる「高尿酸血症」を引き起こす危険性があります。

高尿酸血症・痛風のガイドラインによると、プリン体の1日の目安は400mg。納豆だけを食べている分には心配はありませんが、他の食べ物とのバランスなども考えると、一日1~2パックが適切と考えられます。

食べるのは朝、それとも夜?

旅館での献立などを思い出すと、納豆は朝食のイメージが強いです。これは、栄養価の高い食べ物のため、活動のスタートである朝に食べた方が良いという発想です。

ただ、ナットウキナーゼのところでもお伝えしたように、夜食べるのもOKです。

いつ食べるべきかという手段も大切ですが、食べたいタイミングで美味しくいただくこと、これが健康や美しさに繋がります。

納豆の混ぜ方・タレを混ぜるタイミング

納豆の混ぜる回数とダイエットの相関性はありません。ただ、ナットウキナーゼを効率よく吸収するためには25回以上は混ぜるという番組がありました(※)。

(※)【林修のレッスン!今でしょ】豆腐・豆乳・おからの食べ方&栄養パワーまとめ(林修の今でしょ講座)2022年4月12日放送

また、タレを入れるのは混ぜた後がおすすめです。栄養価そのものは同じですが、納豆のふっくら感が増し、旨味や食感が違ってきます。

これは逆効果!納豆ダイエットのNGなやり方

「納豆しか食べない」。単品ダイエットの分かりやすい罠とは

ひとつの決まった食べ物だけを摂取する「単品ダイエット」という方法があります。朝バナナダイエットなどのように、多くは「○○ダイエット」と呼ばれます。

たしかに、低カロリーの一品だけを食べるのですから、効果は得られることでしょう。しかし、食べ飽きて長続きせずリバウンドしてしまうケースがほとんどです。

なにより、必要なエネルギーが不足したり、栄養バランスを崩してしまうことで、以下のデメリットが懸念されます。

  • 筋肉量の低下により代謝が落ち、脂肪燃焼の効率が低下する(瘦せにくくなる)
  • エネルギー消費を抑えるため身体が省エネモードになり、少しのカロリーでも吸収をよくしてしまう(太りやすくなる)

多くの単品ダイエットが、一時の流行で終わってしまうのも、その証明ではないでしょうか。栄養バランスを崩し、健康を損ねてしまったのではダイエット失敗です。

納豆を食べすぎてしまう

納豆には1パックあたり5gの脂質が含まれています。いくら糖質が低いといっても、脂質1gあたり9kcalですので、当然ですがたくさん食べるとカロリーオーバーにつながります。

先述の通り、納豆は多くて1日2パックまで。もちろん、1日の総カロリーをオーバーしないよう、納豆を入れた分のカロリーは他を減らすなどして調整する必要があります。

納豆と一緒に食べるとよい食材

一緒に食べることにより、栄養の相乗効果が期待できる食材をご紹介します。

オクラ

オクラは食物繊維も多く、腸内環境がより整います。塩もみしたオクラをさっと茹で、納豆に混ぜます。

キムチ

納豆とキムチには、どちらも植物性の乳酸菌が含まれます。継続して摂取することにより腸内環境がより整います。

アボカド

アボカドは食物繊維だけではなく、オレイン酸も豊富に含みます。このオレイン酸は腸に働きかける働きがあり、便秘対策にもおすすめです。

好きな食材と組み合わせて、納豆を扱ったオリジナル料理・創作するのも楽しそうです。ダイエットの成功の秘訣は、我慢ではなく「美味しく、楽しく」です。

また、納豆を食べていれば瘦せるわけではありません。栄養バランスの整った食事と適切な運動はマストです。

▼どのくらい運動すればいい?
有酸素運動は20分以上やらないと効果ない?脂肪燃焼のウソ・ホント

著者プロフィール

佐藤城人(さとうしろと)

心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範。過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出会う。各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5000名様の悩みをサポート。摂食障害の回復プログラムの中で「正しさよりも心地良いダイエット法」を提唱する。2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。現在はカウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。https://www.in-ct.org/

<Edit:編集部>