2024年3月8日

納豆の栄養と効果的な食べ方。ダイエットにいい? 食べ過ぎるとどうなる? 高たんぱく食べ合わせも解説【栄養士監修】 (1/3)

「カラダにいい」「健康にいい」「低カロリー」といったイメージの納豆。実際、納豆には5大栄養素のほか食物繊維やナットウキナーゼなど多くの栄養が含まれています。「畑の肉」ともいわれる大豆を発酵して作る納豆は良質なたんぱく質を豊富に含み、トレーニーやランナーから支持される「筋肉にいい」食品でもあります。

そこで今回は、納豆に期待できる効果として挙げられる「便秘」「免疫力」「ダイエット」といったキーワードにも迫り、納豆パワーについて掘り下げます。

解説は、 Japanマラソンクラブのマラソンインストラクターでもある管理栄養士の深野裕子さん。納豆についてのさまざまなギモンに答えていただきました。

納豆に含まれるカロリーや栄養素

さて、起源については謎に包まれた(?!)納豆ですが、納豆にはヒトの健康維持のために必要不可欠なたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルといった5大栄養素がすべて含まれ、第6の栄養素といわれる食物繊維も豊富に含まれています。 

納豆の栄養成分(1パック)

 

糸引き納豆

ひきわり納豆

1食目安

50g

50g

エネルギー(kcal) 

95

93

炭水化物(g)   

6.1

5.3

たんぱく質(g)

8.3

8.3

脂質(g)

5.0

5.0

カルシウム(mg)

45

30

鉄(mg)

1.7

1.3

ビタミンB1(mg)

0.04

0.07

ビタミンB2(mg)

0.28

0.18

ビタミンB6(mg)

0.12

0.14

食物繊維(g)

3.4

3.0

大豆イソフラボン(mg)

37

37

アミノ酸

イソロイシン(mg)

400

410

ロイシン(mg)

650

700

バリン(mg)

430

450

脂肪酸

飽和脂肪酸(g)

1.45

1.45

n-3系脂肪酸(g)

0.67

0.67

n-6系脂肪酸(g)

4.98

4.98

食物繊維

水溶性(g)

1.2

1.0

不溶性(g)

2.2

2.0

※日本食品標準成分表2020年度版(八訂)をもとに作成 ※大豆イソフラボン数値:参考文献『栄養の「こつ」の化学』(柴田書店・佐藤秀美)
※食片成分表2021アミノ酸成分表・脂肪酸成分表・炭水化物成分表をもとに作成

大豆自体も栄養豊富な食品ですが、大豆が発酵して納豆になることで、とくにビタミンB2やビタミンKが多くなります。

発酵過程の納豆菌により、大豆が本来持っている成分に加えて、新たに加わる成分があるのが特徴です。

納豆に期待できる効果とは

便秘やダイエットにいいってホント?

納豆には私たちのカラダにとって大切な栄養がたっぷり含まれていることは分かりましたが、本当に「便秘」や「ダイエット」「免疫力アップ」にも有効なのでしょうか。

ゆでた(蒸した)大豆に納豆菌を加えて発酵させた発酵食品である納豆。この納豆菌は、胃酸に負けることなく、生きたまま腸内にたどり着き、もともといる善玉菌を活性化し、悪玉菌を抑制して腸内環境を改善させる働きが期待できます。

「便秘やダイエットには“腸内環境を整えること”が重要です。私たちの腸には、100~1000兆個(重さにすると約1.5kg!)もの腸内細菌が生息していて、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の大きく3つに分けられます。菌の理想バランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7とされています」(深野さん)

腸内環境

実はこの腸内細菌の種類やバランス、腸内環境が太りやすさや肥満と深く関わっていることが分かっているのだそうです。

太ったマウスの腸内細菌を移植された普通のマウスも太りやすくなるというデータや、肥満の人の腸内フローラ(腸壁に隙間なくびっしりと張り付いた腸内細菌)は多様性が少なく特定の菌種に偏り、瘦せた人の場合は多様性に富むことが報告されているとのこと。

▼自分の腸内環境、どんな感じ?
【マイキンソー】腸内フローラ検査やってみた!面白すぎる結果が…!

免疫力アップにはどう?

さらに免疫機能の約70%を支えているのも腸といわれ、腸内環境を整える働きがある納豆菌は免疫機能を整えるためにも有効なのだそうです。

「便秘の解消やダイエット、免疫機能を整えるには、腸内環境を整え善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂取し、善玉菌が住みやすい環境を作ることが大切です。その意味で、納豆は便秘やダイエットにも効果が期待できるといえますね」(深野さん)

それでは、ダイエットや便秘解消におすすめのちょい足しレシピとは。

管理栄養士おすすめ! 納豆ちょい足しレシピ

《ダイエット効果がアップする納豆+αの組み合わせ》

納豆×キムチ

納豆×キムチ

「キムチ(発酵したもの)にも、乳酸菌が多く含まれています。腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制してくれます」(深野さん)

納豆×めかぶ

「めかぶは水溶性食物繊維が豊富に含まれています。腸内の善玉菌のエサをセットでとることでより腸内環境をより効果的に整えることができます」(深野さん)


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