プロテインを使ったファスティングダイエットの効果とやり方[医師監修] (1/2)
「ファスティング(断食)」。体の中の不要なものを排出しながらダイエットできるとして、健康や美容を気にする人たちから人気です。
ファスティングダイエットは、短期間で実践できて、つらい運動も必要ないので「ダイエットしたいけれど続かない」「痩せたいけれど運動は苦手」という人でも挑戦しやすい方法です。また、普段から食べすぎている人は胃腸を休める機会にもなります。
今回は、プロテインを使ったファスティングダイエットについて、やり方や効果を解説していきます。はたして、酵素ドリンクではなくプロテインを使うメリットとは。
解説は、自身も筋トレやプロテインを嗜む、健康塾クリニック院長で日本内科認定医・日本循環専門医の鳥越勝行先生です。
ファスティングダイエットとは
ファスティングとは、日本語で「断食」という意味があります。
ファスティングダイエットは、その名の通り、一定期間食べないダイエットのこと。消化器官など内臓を休めることができるので、体がリセットされて、心身ともにスッキリするといいます。
断食といっても「水しか飲まない!」というストイックなものとは違い、酵素ドリンクをはじめとした栄養豊富な飲み物やサプリメントを活用し、必要な栄養はしっかり摂りながら行う「プチ断食」です。
ファスティングでプロテインを使うメリット
ファスティングのお供にプロテイン。どんな効果やメリットがあるのでしょうか?
タンパク質を補給できるプロテインは、ファスティングを無理なく続けやすいようにサポートしてくれる強い味方です。
腹持ちが良く、空腹を紛らわせてくれる
腹持ちが良く、空腹によるストレスを感じにくくなります。
とくに大豆などを原料としたソイプロテイン(植物性プロテイン)は消化吸収がゆっくりであるため、腹持ちが良く、空腹感の軽減につながります。
筋肉を維持しながらファスティングできる
タンパク質は筋肉の材料になる栄養素です。ファスティング中はどうしても筋肉量が減ってしまいがちですが、プロテインでタンパク質を補ってあげることで筋肉量の減少を食い止めることができます。
◆痩せたいなら筋肉量は落とさない
「筋肉があるとたくましい、太って見えそう」「筋肉太りしたくない」なんて思う人もいるかもしれませんが、筋肉はカロリーを消費するために大切な存在です。
筋肉が多いほど基礎代謝が上がり、カロリーを消費しやすくなります。
基礎代謝とは、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、生きるために使われるエネルギーのこと。基礎代謝が高いと、寝ているときや座っているときなどの静止時でもしっかりとカロリーが消費され、痩せやすい体につながります。
逆に、筋肉が減ってしまうと基礎代謝が下がり、消費カロリーも減少。その結果、太りやすくなってしまいます。そのためファスティング中も、筋肉が減らないようにプロテインでタンパク質を補ってあげるとよいでしょう。
血糖値の急上昇を防ぐ
ファスティング中は、空腹になる時間が長くなります。長い空腹の後に食事を摂ると、血糖値が急上昇して、血糖値を下げる働きをするインスリンが大量に分泌されます。大量のインスリンは体に悪影響を起こします。
そこでソイプロテイン。ソイプロテインは他のプロテインより吸収が遅く、血糖値が急上昇しにくいので、ファスティング中にもおすすめなのです。
プロテインを使ったファスティングのやり方
まずはおさらい! 基本のファスティングのやり方
ファスティングは、準備期間、ファスティング(断食)期間、回復期間の3つの段階に分けて行います。
いきなり断食を始めると、空腹感が強くなる、脂肪を溜め込みやすい体になってしまうこともあるので、ウォーミングアップの期間(準備期間)が必要なのです。
また、断食後もいきなり普段の食事に戻してしまうと、胃腸に負担がかかるので、徐々に慣らしていくための復食期間を設けましょう。
1日3食、プロテインに置き換えよう
いよいよプロテインを使ってファスティングを行っていきます。
- 準備期間:和食中心の食事
- ファスティング期間:プロテイン
- 回復期間:スッキリ大根やお粥などの胃腸に優しい食事
普段の食事を、3食プロテインに置き換えましょう。準備期間、回復期間は通常のファスティングと同じやり方です。
1回あたりどのくらいの量を飲めばいい?
1食あたり20gくらいのタンパク質が摂るのがおすすめです。
1日に必要なタンパク質の量は、体重×約1g(成人の場合)と言われています。体重60kgの人なら1日に60g。この量を3食に分けると、1食あたり約20gになります。
自分の体重に合わせて計算して、過不足しないように摂りましょう。
どのプロテインを選べばいい?
ファスティング中のプロテインは、ソイプロテインがお勧めです。体内への吸収が比較的遅く、急激な血糖値上昇が少ないためです。そのため、空腹感が少なくなります。
次:ファスティング中、空腹に耐えられないときはどうしたらいい?