黒豆茶に期待できる6つの効能。飲みすぎによる副作用や、効果的な飲み方[管理栄養士監修]
最近はコンビニでも気軽に買える黒豆茶。香ばしさや料理の味を邪魔しない点から、ハマっている人も多いのでは。
しかし、体に良い効果がある反面、飲みすぎで少し困ったデメリットも懸念されます。黒豆茶の効果や飲みすぎラインなどを探るとともに、効果的な飲み方を管理栄養士・小原水月さんが解説します。
<このページの内容>
黒豆茶に期待できること。飲むとどんなメリットがある?
昔から日本では、黒豆を煎じて飲む習慣がありました。実際に黒豆茶を飲むと不調だった内臓の機能が改善することから、生薬として漢方薬にも使われていたのです。
黒豆には、種皮に含まれているアントシアニンや大豆イソフラボンであるポリフェノール、エネルギーの生成を助けるビタミンB群や、カリウムなどのミネラルが入っています。
そんな黒豆を煎じた黒豆茶の効能効果を解説します。
1.肝臓の機能を助ける
肝臓は、私たちが口に入れた有毒なものを解毒する働きをしています。肝臓の細胞膜や血管内に脂質が増えすぎると、細胞の酸化が進み機能が損なわれたり、動脈硬化を起こしたりしてしまいます。
黒豆茶を飲むと、黒豆の種皮に含まれるポリフェノールが脂肪の蓄積を抑制し、その抗酸化作用で脂質の酸化を防いで、肝臓の機能を助けてくれるのです。
2.血圧・コレステロールを下げる
血圧は、血液を押し出す力によって高い・低いが決まります。血管の内壁にコレステロールが溜まれば、無理に血液を流そうと高血圧になり、逆に血液を押し出す力がなければ低血圧になるのです。
黒豆の煮汁には、血液をサラサラにする働きがあります。高血圧の患者に継続摂取させたところ血圧が下がったという実験結果もあり、黒豆茶には血圧・コレステロールを下げる働きがあることがわかります。
3.血糖値を下げる
甘いものを食べたり運動不足の不摂生な日々を過ごしたりしていると、血糖値が上がりやすくなります。その状態が続くと、血管を傷つけたり、血管が詰まって糖尿病になる可能性も。
黒豆茶には食物繊維がたくさん含まれているので、血糖値を下げる働きが期待できます。普段から血糖値が高めの人は、黒豆茶を積極的に飲んでみるといいですね。
4.便秘を改善する
黒豆茶を飲むと食物繊維を摂取できるため、便秘改善が期待できます。できるなら煮出した後の黒豆も一緒に摂取するとさらに効果的です。
また、便秘改善には水分をたくさん摂ることが大切ですが、黒豆茶なら水分も一緒に摂ることができるのでとてもおすすめです。ノンカフェインでもあるので、安心ですね。
便秘改善には腸をしっかりと動かしてあげましょう。腸の働きは朝が一番活発なので、黒豆茶を朝の時間に飲むと効果的です。
5.PMS・更年期の予防
黒豆に含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンに構造が似ているため、エストロゲンと同じような働きをすることが分かっています。
これは女性特有のPMS(月経前困難症)や閉経後の更年期の症状を予防することにも効果的です。
6.むくみを改善する
むくみは体内に水分を溜めこみ、うまく排泄できないことにより起こる症状。アルコールや塩分などの摂りすぎや、運動不足により血液がうまく流れないことなどが原因です。
黒豆茶に含まれるカリウムは、体内の過剰なナトリウムを尿と一緒に排出して、むくみを解消してくれる作用があります。利尿作用が高いので、体内の老廃物が排出されて新陳代謝を促すというわけです。
黒豆茶を飲みすぎると、どんなデメリットがある?
黒豆茶はさらっと飲めてしまうため、気づかないうちに成分を過剰摂取してしまうことがあります。食品と合わせて摂取する場合には、一日の摂取量をだいたいどれくらいにするとよいのでしょうか。
ここからは、黒豆茶のデメリットについて解説します。
下痢や便秘を引き起こす
黒豆茶が便秘解消に役立つ一方で、過剰に摂取すると、今度は逆に下痢や便秘を引き起こすことがわかっています。
黒豆茶は食物繊維が豊富なので、飲みすぎてしまうと腹痛や下痢を引き起こしてしまう可能性があるのです。また体質に合わないということもあります。
様子を見て、下痢や便秘の症状が続くようなら黒豆茶の量を減らす、または飲むのを控えましょう。
腎臓に負荷がかかる
腎機能不全など、腎臓に何らかの障害を持つ方は、黒豆茶を飲むときには、とくに注意が必要です。黒豆茶にはカリウムが含まれていますが、過剰に摂取して血液中のカリウム値が上昇すると、腎機能に負荷がかかります。
一日に摂取してよいカリウムの量は人によって異なりますので、不安な方は主治医にしっかりと相談しましょう。
黒豆茶の効果を引き出す「おすすめの飲み方」
黒豆茶を効果的に飲むには、どうしたらいいのでしょうか。どの成分にも適量があるため、過剰に摂取しないことが大切です。
ここでは黒豆茶を飲むときのポイントを解説します。
1日3杯をこまめに飲む
黒豆茶に含まれるさまざまな成分を考えると、1日3杯を目安に飲むことがおすすめです。
効果的に飲むタイミングは、食前や食事中になります。黒豆に含まれているアントシアニンは、食事と一緒に摂取すると血糖値の上昇を抑える働きがあるためです。
効果や効能はあまり続かないので、なるべく朝、昼、晩と3回に分けてこまめに飲むのがおすすめです。
寝る前はホットがオススメ
冷え性の人は、寝る前にホットにして飲んでみてください。黒豆は血行を良くする働きがあるので、冷え症対策として寝る前に飲むと体を温めてくれます。
また、黒豆茶に含まれているトリプトファンはセロトニンの原料になります。セロトニンは、後に睡眠ホルモンであるメラトニンへと変わります。
煮出すのが面倒なときは、ティーバッグでも大丈夫です。寝る前に飲むことで自然と眠気を感じ、朝までぐっすりと眠れるようになりますよ。
黒豆を焙煎して煮出した黒豆茶は、栄養がギュッと詰まっている
黒豆は、昔から日本人にとって馴染みのある食べ物です。ポリフェノールやミネラルなどが豊富で、しかもノンカフェインです。健康にいいお茶として、すっかり定番になりました。
黒豆を焙煎して煮出した黒豆茶には、たくさんの栄養がぎゅっとつまっています。毎日の生活に取り入れて、黒豆茶の優れたパワーで健康に過ごしてみませんか。
参考:内閣府食品安全委員会
監修・執筆者プロフィール
あんしん漢方 管理栄養士
小原 水月
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。