「プロテインを飲んでいるならBCAA、EAA は必要ない?」筋肉博士・山本義徳先生の回答は…
筋トレ&ボディメイクに関するウワサ。その中で気になる疑問をピックアップし、筋肉博士・山本義徳先生にお答えいただく本企画。
ボディビルダーの世界大会で優勝した経験を持ち、数多くの有名アスリートを指導した経験もある山本先生は、VALXのYouTubeチャンネル『VALX 山本義徳 筋トレ大学』でさまざまな情報を発信しています。
今回の質問は「プロテインを飲んでいるならBCAA、EAA はいらないのか」について。ごっちゃになりやすい3つですが、飲み分けのコツとは。
Q.プロテインを飲んでいるならBCAA、EAA は必要ない? BCAA、EAA はどんな人にオススメなのでしょうか。
A. プロテイン、BCAA、EAAは、アミノ酸の種類やバランスが異なります。プロテインは20種類のアミノ酸、BCAAは3種類のアミノ酸、EAAは9種類のアミノ酸であり、この全てが必須アミノ酸となります。
たとえば「プロテイン10g」と「EAA10g」を比較すると、EAA10gのほうがロイシンが多く含まれています。タンパク質という視点ではまったく同じですが、筋合成に必要なアミノ酸はEAAのほうがずっと多くなります。
もちろんプロテインにもEAAと必須アミノ酸が含まれており、プロテインの半分はEAAと言えるのですが、やはりEAA単体と比べると、筋タンパク質合成の効果は低いということが研究で証明されています。というわけで、プロテインを飲んでいればEAAに匹敵する効果があるかというと、ちょっと違うのです。
ただ、EAAは値段が高いとか、プロテインのほうがおいしいとか、さまざまな事情があります。プロテインは、まずタンパク質量が足りない人、食事できちんとタンパク質を摂れていないという人が、全体のタンパク質量を稼ぐために活用するとよいでしょう。EAAは、全体のタンパク質量をキープしたうえで、さらに筋タンパク質合成を高めたいという中・上級者におすすめです。
BCAAは、ロイシン・イソロイシン・バリンが含まれており、筋タンパク質合成を高める働きはあるのですが、アミノ酸が3種類だけですので、材料が少し足りません。一時的に筋タンパク質合成は高まるものの、材料が足りないので、すぐ下がっちゃうんですね。筋タンパク質合成の時間が短いのです。
EAAは他のアミノ酸も含まれていて材料が揃っているため、筋タンパク質合成も結構長い時間続きます。
なら、ホエイプロテインにBCAAを追加すればいいのではと感じますが、「ホエイプロテイン+BCAA」と「EAA」を比較すると、やはりEAAのほうが効果が高いという研究結果が出ています。
材料がきちんと摂れている場合でしたら、BCAAでも良いです。たとえばプロテインや食事でタンパク質を大量に摂っている人が、筋タンパク質合成だけを高めたいという場合ですね。あとは、BCAA自体がエネルギーにもなるので、トレーニング前に取ることでよりハードなトレーニングができるということが挙げられます。
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回答者プロフィール
山本義徳(やまもと・よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー、トレーニング指導者。メジャーリーガーや総合格闘家などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数72万人を超える。一般社団法人 パーソナルトレーナー協会理事。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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