ガムでカロリー消費!「痩せた」「顔やせにいい」ってホント? (1/3)
ガムでダイエット。昔からあるダイエット方法ですが、これって本当に効果が期待できるのでしょうか。どんなメカニズムで痩せると考えられるのか、噛むことで得られるメリットとは。ロッテ噛むこと研究部チーフスペシャリスト菅野範さんと、歯科衛生士・石野由美子先生に解説いただきました。
グミでもいっか~と流れそうな“ガム民”は、ぜひご一読ください。
ガムがダイエットにいいと言われる理由
──ガムはカロリー消費に良い影響を与えると聞きましたが、どんな点でメリットがあるのでしょうか。
ロッテが早稲田大学と共同で行った研究で、食後に20分間ガムを噛むことで、エネルギー消費量、糖質酸化量、食事誘発性体熱生産量*などが4時間にわたって増加することがわかっています。
また別の研究では、歩行中にガムを噛むと歩行速度が増加し、カロリー消費が高まることや座っている時にガムを噛むと何もせずに立っている時よりもカロリー消費が高いことも報告されています。
*:吸収された食事の栄養素の一部が体熱となって消費されるエネルギー量
出典:日本咀嚼学会雑誌 2022:32(2);71-79
──「ガムで痩せた」という声もブログやSNSで目にしますが、どういった理由で瘦せたと考えられるでしょうか。
食後に20分間ガムを噛むことで、約19.2kcalの消費カロリーが増加することが報告されています。1日3食の後にガムを噛むことを1年間続けると21,024kcalの消費になります。ガムのカロリーを差し引いても、計算上は年間2kg程度の脂肪燃焼にあたります。
また、ガムを噛むことで満腹中枢が刺激され、空腹感が軽減する、間食の量が減るという報告もあります。
ガムを食べる「だけ」で痩せるのか
──いつもの生活にガムを追加するだけで、ダイエットになりますか?
ガムを噛むだけで痩せるかは、継続的なガム咀嚼による研究結果を待つ必要があります。ただし、食後にガムを噛むことでカロリー消費が増加することは分かっていますので、適切な食事や運動とあわせて、是非生活にガムを取り入れていただきたいです。