
きなこ、毎日食べるとどんな栄養効果がある?食べ過ぎのデメリットとは (1/2)
和菓子やお餅で使われるきなこには、どのような栄養が含まれているのでしょうか。きなこに含まれる栄養素と期待できる効果、1日あたりの摂取目安量や効果的な食べ方を紹介します。また、きなこを食べ過ぎた場合のデメリットも解説します。
<このページの内容>
きなこ大さじ1杯あたりの栄養成分
きなこ大さじ1杯(約6g)は、このようなカロリーと栄養が含まれています。
カロリー:27 kcal
たんぱく質:2.2g
脂質:1.6g
炭水化物:2.1g(糖質:0.7g/食物繊維:1.4g)
カルシウム:14mg
鉄:0.4mg
マグネシウム:19mg
カリウム:88mg
ビタミンB1:0.01mg
ビタミンB2:0.02mg
葉酸:10µg
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
ちなみにきなこ大さじ1は「約7~8g」ほど。100gも摂ることはできないと思うので、あくまで調味料やスパイスの位置付けとして考えましょう。
きなこに含まれているおもな栄養と働き
きなことは、大豆を焙煎して粉末にしたものです。消化吸収がよく、大豆の栄養成分を摂ることができるため、健康や美容にもよいと言われています。
100gあたりのきなこに含まれる栄養素と、その働きを確認しましょう。
タンパク質
大豆は「畑の肉」といわれるほど、タンパク質が豊富な豆類です。その大豆から作られるきなこもタンパク質が豊富で、100gあたり約37g含んでいます。
タンパク質は、筋肉や臓器、血液や皮膚、髪といったあらゆる組織を作る材料になる栄養素です。体の機能を調整するホルモンや神経伝達物質の材料でもあり、免疫や血圧の調整、代謝といった機能も担います。
タンパク質を摂取することで筋肉量のキープを助け、疲れづらくなる、太りづらい体づくり、髪や肌の健康維持に役立ちます。
ミネラル
きなこには、カルシウムやマグネシウム、鉄といったミネラルも豊富に含まれます。
カルシウムは骨や歯の材料となるだけではなく、血液の凝固を促して出血を防ぐ働きもします。マグネシウムは筋肉の収縮や、体温・血圧の調整といった働きをする栄養素です。鉄は全身に酸素を運搬し、運動能力や学習能力を維持します。
このようなミネラルは体内では作れないため、食物から摂取しなければなりません。ミネラルが不足すると、さまざまな不調の原因になるので注意しましょう。
ビタミンB群
きなこはビタミンB1とビタミンB2を豊富に含む食材です。
ビタミンB1は体内で脂質をエネルギーに変換する栄養素です。不足すると倦怠感やむくみ、食欲不振や手足のしびれ、体重の増加といった症状が出てくることも。
そしてビタミンB2は、体内で糖質やタンパク質をエネルギーに変換する栄養素です。不足が続くと口内炎や舌炎、子どもの成長障害といった症状が現れます。
食物繊維
きなこは、食物繊維のなかでもとくに「不溶性食物繊維」を豊富に含みます。
不溶性食物繊維は腸のなかでカサを増し、腸を刺激して便秘を解消する働きをします。大腸内の細菌により発酵・分解されることで、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌の餌となり、腸内環境によい影響を与えます。
不溶性食物繊維が極端に不足し続けると、便秘や痔、大腸がんのリスクが高まると言われています(※1)。普段から便秘がちな方は、きなこを摂って対策しましょう。
(※1)国立研究開発法人 国立がん研究センター 食物繊維摂取と大腸がん罹患との関連について
大豆イソフラボン
きなこに含まれる大豆イソフラボンは、腸内細菌によってエクオールに変換され、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすると言われています。
そのため、更年期に入りエストロゲンの分泌量が低下した際に大豆イソフラボンを摂ることで、更年期症状の緩和が期待できる可能性があります。
一方、大豆イソフラボンをエクオールに変換する腸内細菌を持っている人の割合は、日本人では2人に1人だといわれています。そして、大豆イソフラボンが必ずしも女性ホルモンと同じ働きをするわけではありません。
とはいえ、大豆イソフラボンは骨の形成をサポートしたり、脂肪の燃焼を促進したり、コレステロール量を低下させたりする働きを持つ栄養素です。エクオールに変換できない体質の方も、適量をとることに損はありません。
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