高血圧の人が入浴時に「してはいけないこと」とは?6つのヒートショック対策 (2/2)
入浴前後の飲酒
飲酒後は血管が拡張し、血圧が下がりやすくなります。アルコールの影響と入浴の影響で急激な血圧低下をきたすこともあるため、注意が必要です*2。
体調が優れないときも無理をして入浴しないようにしましょう。
*2 Fujiwara T. Difference in evening home blood pressure between before dinner and at bedtime in Japanese elderly hypertensive patients. J Clin Hypertens. 2017 Jul;19(7):731-739.Difference in evening home blood pressure between before dinner and at bedtime in Japanese elderly hypertensive patients - PMC (nih.gov)
脱衣所や浴室が冷えている
暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室、さらに熱い浴槽へと入浴の際に体感する急激な温度変化は大きな血圧変動をもたらし、意識障害をひきおこすなど、浴室内での死亡事故の一因と考えられています。
脱衣所や浴室は、事前に温めて、リビングなどの居室との温度差をなくすよう工夫しましょう。
水分補給をしていない
発汗による脱水症状や熱中症を防ぐために、入浴の前後には水分補給をし、脱水にも気を付けましょう。
熱い風呂や長風呂
熱い風呂や、長風呂をすることも心臓に負担をかけます。お風呂の温度は40度程度に設定し、10分までを目安に、長風呂は避けましょう。
浴槽から急に立ち上がる
入浴後は血圧が下がりやすくなっているため、急に立ち上がったりするとめまい等が起こることがあります。
また、高血圧のために降圧剤を内服していると、血圧が下がりすぎてしまうことも。血圧が下がることで脳へ血液が十分に行き届かないことによって意識消失を起こし、転倒する危険性も高まります。
立ち上がる際は、必ず手すりや浴槽のへり等につかまり、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。
入浴は同居する人に声をかけてから
同居者がいる場合は、入浴時には必ず同居者に一声かけてから入るようにしましょう。また、同居者側も、声かけや見守りを意識するようにしましょう。
一見些細なような心がけですが、体調不良や万が一の事故等の際に、早く発見することができるため、大変重要であるとしています。
監修医師
有馬 久富(ありま ひさとみ)先生
福岡大学医学部 衛生・公衆衛生学 主任教授。1993年九州大学医学部卒業。九州大学第二内科へ入局し、久山町研究に従事。シドニー大学ジョージ国際保健研究所客員研究員、九州大学環境医学分野助教を経て、2008年より再びシドニー大学ジョージ国際保健研究所で講師として2年間、准教授として3年間大規模臨床試験に従事。2014年より2年間、滋賀医科大学アジア疫学研究センターで特任教授として疫学研究に従事後、2016年4月より現職。専門分野は、高血圧・脳卒中の疫学および臨床研究。
株式会社CureAppについて
2014年に2名の医師により創業した医療系スタートアップで、治療効果が治験にて証明され医療現場で医師が患者に処方する「治療アプリ」を研究開発・製造販売する医療機器メーカー。
2020年、スマートフォンで動作する疾患治療用のソフトウェア医療機器として、禁煙治療領域において世界初*の製造販売承認取得および保険適用となった。その後、高血圧症領域においても2022年4月に世界初**の製造販売承認取得、同年9月に保険適用。その他、NASH / 減酒 / がん / 慢性心不全 / 慢性腰痛症など複数の疾患に対する治療アプリの開発を進めている。
また、民間法人向けの健康増進サービスであるascureモバイルヘルスプログラムも運営し、現在380法人で導入されている。
*:自社調べ ・調査年月:2020年12月 ・調査範囲: 製造販売承認および保険適用を受けたニコチン依存症治療アプリ
**:自社調べ ・調査年月:2022年9月 ・調査範囲: 製造販売承認および保険適用を受けた高血圧症治療アプリ
<Edit:編集部>