
風邪やインフルエンザのときは「タウリン」がいい理由 (2/2)
「いざという時の免疫力」を発揮するためのポイント
感染症に詳しい内科医の久住英二先生は、「いざという時の免疫力」を発揮するには、体内のところどころで起こっている『慢性炎症』を日頃から抑えておくことが鍵だと語ります。
慢性炎症とは
慢性炎症とは、感染症や外傷に対する一時的な急性炎症とは異なり、病原体や炎症の原因が排除された後も体内で長期間続く低レベルの炎症です。
糖尿病、高血圧、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や喘息、慢性腎臓病、がんなどの基礎疾患や、肥満、運動不足、睡眠不足、腸内細菌の異常、老化などによって起こる体内の細胞ダメージが、免疫システムの働きを狂わせている状態のことです。
老化した細胞も「老化関連分泌現象(SASP)」と呼ばれる状態で、免疫細胞が炎症性分子を放出し続けて体にダメージを与えています。
新型コロナ流行時に、基礎疾患がある方、肥満の方、高齢者が重症化しやすいと言われていたのは、まさにこの『慢性炎症』によって免疫が異常な働きをしてしまったからなのです。
免疫が炎症をコントロールしている
炎症というと、熱が出るとか、痛みを感じるなどの症状があるのでは? と思われるかも知れませんが、とくに症状がなくても微細な炎症はどんな人でも常に身体中で起きています。そして、免疫が炎症をコントロールしています。
慢性炎症状態では、炎症性サイトカイン(免疫細胞を活性化し、炎症を起こさせるタンパク質)が常に放出されているため、免疫細胞が休む暇なく働き続けます。
この状態が続くと、免疫細胞が劣化し、新しい病原体に対する対応力が低下します。結果、風邪やインフルエンザのウイルスが侵入しても、免疫細胞が効果的に働けず、初期対応が遅れてしまうのです。
感染症が重症化する状態は、いわば、免疫系が過剰に活性化されて制御が効かず、過剰な免疫反応が起こってしまう状態。炎症性サイトカインが大量に放出される「サイトカインストーム」が発生し、肺や他の臓器にダメージを与えてしまうのです。
監修プロフィール
内科医・血液専門医 久住英二先生
立川パークスクリニック院長。1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。
<Edit:編集部>