
管理栄養士が語る、疲れやすい人によくある「食事の特徴」とは (2/2)
疲れにくい体を作るには、どんな食生活を意識するといい?
疲れにくい体質づくりのために、以下を心がけるとよいでしょう。
改善法1 野菜や海藻から食べる
望月先生:野菜(イモ類以外)や海藻類など、食物繊維の多いものから食べましょう。無糖の野菜ジュースやプレーンヨーグルトでもかまいません。
疲れやすくなる原因の一つとして血糖値の急激な上昇と急激な降下が挙げられます。野菜類や海藻類に多く含まれている食物繊維には、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる作用があります。
改善法2 バランスよく栄養分をしっかりと摂る
望月先生:とくに、以下の栄養素には疲労改善に効果があると言われています。
- ビタミンB1・・・糖質の代謝を円滑に行い、乳酸を溜まりにくくする
- ビタミンB2・・・糖質、たんぱく質、脂質の代謝、乳酸等の疲労の原因となる物質を除去する働き
- 鉄分・・・体の中に酸素を運び、疲れやすさを除去する働き
- カルシウム・・・筋肉の動きを補助、精神的疲労の緩和等の働き
- イミダゾールジペプチド・・・活性酸素による酸化ストレスを取り除く抗酸化作用がある。肉体的疲労・精神的疲労の両者に働きかける
- クエン酸・・・エネルギー代謝を円滑にするクエン酸サイクルの栄養源。疲労回復に働きかける
食事からこれらの栄養素を積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンB1 |
レバー・豚肉・きのこ類・枝豆・胚芽米等 |
ビタミンB2 |
レバー・小松菜・納豆・さば・ししゃも等 |
鉄分 |
レバー・大豆製品・ひじき・あさり・プルーン等 |
カルシウム |
大豆製品・牛乳・乳製品・小松菜・小魚等 |
イミダゾールジペプチド |
鶏むね肉・まぐろ・かつお等 |
クエン酸 |
レモン・梅干し等 |
改善法3 規則正しく食事を摂る
とくに、以下の点を意識しましょう。
- 1日3食しっかり食べる(特に朝食は必須)
- 早食いせず、よく噛んで食べる
- 夕食は軽めにする
- 就寝時間の2時間前には食べ終える
食事以外に「適度な運動」「適度な休息」「質の良い睡眠」を意識することで、疲れにくい体質を作ることができます。
▼参考
公益財団法人 世田谷区保健センター 疲労回復のコツ
江崎グリコ株式会社 疲れがとれないときに食べたい食べ物
サントリーウエルネス 疲れやすい日々にさよなら!疲れを溜めない生活習慣を知ろう
監修者プロフィール
健康検定協会理事長
望月 理恵子
株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。