
吐き気と下痢が続く…その不調、もしかして○○かも?受診のサインは「ココ」
「なんだか気持ち悪い」「下痢が続いてるけれど、大丈夫かな?」暑さやストレスが重なるこの時期、吐き気や下痢といった体の不調を感じる人が増えています。
原因がよくわからないまま放っておくと、体調が悪化してしまうケースも。
この記事では、よくある3つの原因とセルフケアのポイント、病院を受診すべき目安を、医師監修の情報をもとにわかりやすく解説します。
吐き気と下痢が止まらない! 考えられる3つの原因
原因1. ウイルスや細菌による胃腸炎
サルモネラ菌やノロウイルスなど、感染性の胃腸炎が原因で、吐き気・下痢・発熱・寒気・頭痛などが起こることがあります。
■ 対処法
脱水症状を防ぐため、こまめに水分補給
嘔吐の際は横向きで寝るなど、窒息を防ぐ姿勢も大切
■ 受診の目安
1日10回以上の水下痢
血便や激しい腹痛
意識障害や呼吸困難
上記に該当する場合は、すぐに消化器内科を受診してください
原因2. ストレスが引き金に? 過敏性腸症候群(IBS)
IBSは、ストレスや自律神経の乱れが影響して起こる慢性的な腸の不調。お腹の張りや下痢、吐き気、便秘などの症状が繰り返し現れます。
■ 対処法
暴飲暴食や脂っこい食事を控える
アルコール・カフェインは控えめに
睡眠・運動・リラックス習慣を意識する
■ 受診の目安
症状で日常生活に支障が出ている場合。改善が見られない場合は薬物療法が検討されます
原因3. 女性特有の不調。月経前症候群(PMS)
月経前になると、ホルモンバランスの変化によって吐き気・下痢・倦怠感・情緒不安定などの症状が出ることがあります。下腹部や乳房の張り、強い眠気を感じる人も。
■ 対処法
体を温めてリラックス
栄養バランスの取れた食事と良質な睡眠を心がけましょう
■ 受診の目安
PMSがつらいと感じたら婦人科の受診を検討
ピルや鎮痛剤など、症状に応じた治療が可能です
ほか、こんな病気の可能性も……
吐き気・下痢は、以下のような深刻な病気のサインであることもあります。
- 腸閉塞
- うつ病
- 心筋炎
気になる症状が続くときは、早めの受診で安心を得ることが大切です。
体調が悪いときも何か食べた方がいい? 食べ物・飲み物の注意点
食べられないときは無理をしない
無理して食べる必要はありませんが、水分だけはしっかり補給しましょう。食べられない・飲めない状態が続く場合は、点滴治療も視野に入れて病院へ。
■食事のポイント
吐き気が落ち着いたらお粥など、消化のよいものからスタート
香辛料・酸味・アルコール・カフェインは控える
■水分補給のコツ
一気に飲まず、少量ずつこまめに摂取
嘔吐・下痢がひどい場合は経口補水液がおすすめ(医師や薬剤師に相談を)
市販薬は使っていいの?
原因がわからない状態で、吐き止め・下痢止めなどの市販薬を自己判断で使うのは危険です。
とくに感染性胃腸炎の可能性がある場合、ウイルスや細菌を体に閉じ込めてしまう恐れがあります。医師や薬剤師に相談のうえ使用しましょう。
こんな症状が出たらすぐ病院へ!
以下のような症状がある場合は、迷わず病院を受診しましょう。
- 症状がつらく、日常生活に支障がある
- 1日10回以上の水下痢
- 強い脱水症状(尿が出ないなど)
- 呼吸困難や意識がもうろうとする
何科に行けばいい?
吐き気や下痢といった消化器系の不調がある場合は、消化器内科を受診するのが一般的です。月経前後に体調不良が続くなどPMS(⽉経前症候群)が疑われる場合は、婦人科を受診しましょう。
吐き気や下痢が続くとき、「一時的な体調不良だろう」と思いがちですが、大きな病気の前兆である可能性もあります。
しっかり休養をとりつつ、症状が改善しない場合や強くなる場合は、早めに医療機関を受診してくださいね。
監修者プロフィール
岡村 信良(おかむら・のぶよし)先生
内科医。経歴:平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。