
なぜ暑い日は眠くなる?しっかり寝たのに眠気や疲れを感じる“納得の理由” (1/4)
暑い日に「ちゃんと寝たはずなのに眠い」と感じたこと、ありませんか? これは単なる「寝不足」だけが原因ではありません。実は、暑さによる身体へのストレスや体温調節の影響が、眠気を引き起こす大きな要因となっているのです。
暑い日はなぜ眠くなるのか?そのメカニズム
きちんと寝たにもかかわらず、猛暑日は不思議と眠い。その理由はいくつか考えられます。
1.体温調節によるエネルギー消耗
人間の身体は暑いとき、汗をかいたり血管を広げたりして体温を下げようとします。これは無意識のうちに行われていますが、実はこの体温調節にかなりのエネルギーを使っているのです。
その結果、身体は思った以上に疲れていて、眠気を感じやすくなると考えられます。
2.意外と睡眠の質が下がっている
「7時間寝たのに眠い」という場合、寝ている“時間”より“質”が問題かもしれません。
人間は深い睡眠に入るとき、体温が自然に下がる必要があります。ところが、室温が高いと体温がうまく下がらず、深い眠りに入りにくくなります。そのため、浅い睡眠が続いてしまい、翌日に眠気が残るのです。
「環境省の節電指針28 ℃」は目安ではありますが、20〜25 ℃で睡眠効率が最良という最新の報告があり、疲れが取れないときは少し室温を下げてみるのもいいかもしれません。
3.自律神経の乱れ
暑さや湿度は、身体の「自律神経(交感神経と副交感神経)」のバランスを崩しやすくします。この自律神経が乱れると、体のリズムがうまく整わず、日中の眠気やだるさにつながります。
また、外が35℃、室内が23℃なんていう環境を行き来していると、身体はそのたびに体温調節のために自律神経をフル稼働させます。
自律神経は、心拍や血管の収縮、汗の分泌などをコントロールしていますが、頻繁な温度変化にさらされると調整が追いつかず、疲労感や眠気、だるさを引き起こします。
そして冷房の効いた室内に長時間いると、血管が収縮して血流が悪くなりやすいです。とくに手足が冷える、むくむ、頭がボーっとするといった症状もこれが原因と考えられます。