
「ED」が食べ物で治ることってあるの?改善したい人の「オススメ食材」とは
ED(勃起機能の低下)は決して珍しいものではなく、生活習慣や食事とも深く関わっています。薬での治療が知られていますが、日々の食事を見直すことも改善の一歩。
血流を促す栄養素やホルモンの働きをサポートする食材を意識することで、体のコンディションを整えることができます。なかざわ腎泌尿器科クリニック院長・中澤佑介先生監修のもと、見ていきましょう。
EDは食べ物でも改善が期待できるの?
EDの治療において「食生活だけで治す」というのは難しいのが現実です。なぜなら、EDの原因は血管・生活習慣系の病気やストレス、薬の副作用など多岐にわたるからです。
ただし、食生活の改善は治療全体の「土台」を整え、中長期的に治療のサポートが期待できます。特に、以下の栄養素を食事、不足がある人はサプリメントから意識的に取り入れることでEDを改善する手助けになります。
- 血管の健康を守る栄養素(オメガ3脂肪酸、抗酸化ビタミンなど)
- 血流を促す成分(アルギニン、シトルリンなど)
- ホルモン生成に関わるミネラル(亜鉛、マグネシウムなど)
ED改善におすすめの食べ物
EDに悩む男性におすすめしたい食べ物は以下の通り。栄養バランスよく食べることは前提の上、意識してとり入れるとよいでしょう。
牡蠣・赤身肉・ナッツ類(亜鉛)
亜鉛は「セックスミネラル」とも呼ばれ、男性ホルモン(テストステロン)の合成に関与するほか、精子形成や性欲の維持にも不可欠です。
食材例:牡蠣、牛赤身肉、アーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種など
スイカ・きゅうり(シトルリン)
スイカやきゅうりなどに含まれるシトルリンは、血管を広げて血流を改善する一酸化窒素(NO)の生成をサポート。ED改善サプリの成分としても有名です。軽症EDで小〜中等度の改善報告があります。
食材例:スイカ、きゅうり、苦瓜(ゴーヤ)など
青魚(オメガ3脂肪酸)
良質な油といわれるオメガ3脂肪酸は、血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ効果も。EDを改善するという研究結果はまだ多くありませんが、陰茎への血流改善に期待ができます。
食材例:サバ、イワシ、サンマ、マグロなど
緑黄色野菜・柑橘類(抗酸化ビタミン:C・E)
活性酸素を抑えて血管の老化を防ぐ。血管の柔軟性を保ち、血流をスムーズにします。
食材例:ブロッコリー、ほうれん草、にんじん、オレンジ、キウイなど
ダークチョコレート(カカオポリフェノール)
カカオポリフェノールには血管拡張作用があり、血流改善効果が期待できます。ただし食べすぎには注意!
食材例:高カカオチョコレート、純ココアなど
玄米・大豆製品(マグネシウム・アルギニン)
アルギニンは血管拡張作用を持ち、NO生成を助けます。大豆イソフラボンは男性ホルモンを低下させることなく、ホルモンバランスを整える効果も。
食材例:豆腐、納豆、味噌、玄米など
参考資料
NCBI – Citrulline and Erectile Dysfunction
寺田新, スポーツ栄養学, 東京大学出版会, 2017.
監修者プロフィール
なかざわ腎泌尿器科クリニック
院長 中澤 佑介
金沢医科大学医学部医学科卒業。「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。2024年9月、JR金沢駅前に金沢駅前内科・糖尿病クリニックを開設。
<Text:編集部>