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シトルリンの効果的な摂り方とは。運動パフォーマンス向上に欠かせないアミノ酸の実力

 筋トレやスポーツ愛好家の間でも最近注目のシトルリン。サプリメントでも含まれているものが多く、身近なものとなっています。なぜ、シトルリンがスポーツをする人に良いのでしょうか。その理由を管理栄養士の那須由紀子さんの監修のもと、解説します。

スイカから発見されたシトルリン

 シトルリンとは、スイカなどウリ科の植物に含まれるアミノ酸です。1930年に日本でスイカから発見されました。シトルリンはスイカの学名「シトルラス ブルガリス」から名づけられました。

 シトルリンの特徴はタンパク質を構成しない遊離アミノ酸であること。遊離アミノ酸は私たちの血液や尿に存在し、健康を支える土台作りに欠かせない存在で、スーパーアミノ酸とも呼ばれています。

 シトルリンは遊離アミノ酸の特徴でもあるように細胞や血液の中に存在し、必要なときに働くように準備しています。シトルリンも血液に乗って身体中を巡り、必要な出番のときに威力を発揮します。

 必要な出番とは一酸化窒素(NO)を生み出す時。NOは血管を拡張する働きがありますが、この働きをサポートするのがシトルリンです。シトルリンを摂ることで、血管を拡張し、血流が改善されることで、疲労回復などさまざまな効果があると那須さんは言います。

「シトルリンには乳酸や疲労原因となるアンモニアを除去し、疲労を回復する効果があります」(那須さん)

 血流が良くなることで、冷えが改善されます。また、もう一つの働きとしては、尿素回路を手助けすることが上げられます。尿を作るときに疲労原因となるアンモニアができてしまいますが、シトルリンはこれを無害にし、尿として体外に排出するサポートをします。

 スイカにはカリウムが含まれていることが知られていますが、シトルリンは他の果実にほとんど含まれていません。スイカを食べるとむくみが解消されるのは、シトルリンの役目も大きいのです。

「他には肌の保湿効果もあります。アンチエイジングにも一役買い、血管をしなやかにし、加齢による動脈硬化予防も期待できます」(那須さん)

 シトルリンが不足すると疲れやすくなるだけでなく、腎臓への負担も増え、さまざまな弊害をもたらします。代謝も下がるため、肥満体質の人は慢性的にシトルリンが不足していることも多く、さまざまな生活習慣病を引き起こす可能性も高まるのです。シトルリンはスポーツをする人に限らず、あらゆる人々の健康を支える大切な役割を果たすのです。

アルギニンの働きを活性化させる働きも

 シトルリンを摂取することで、運動時に発生する乳酸値が低下します。乳酸の値が下がると、疲れが溜まりにくくなり、運動パフォーマンスが向上し、持久力が続きます。

 シトルリンはあらゆるスポーツに適した栄養素ではありますが、ベンチプレスにおいては、摂取したことにより反復回数が増えたという試験結果があります。これはシトルリンを摂取することで、筋肉痛が軽減し、運動パフォーマンスが持続することが考えられます。

 さらに、血流が良くなることで脳に栄養と酸素がゆきわたり、集中力がアップします。特に中高年には記憶力を高めることも期待でき、45〜64歳までの男女にシトルリンを摂取してもらったところ、記憶力や注意力が体感的に改善されたという試験結果もあります。

 また、シトルリンを語るうえで欠かせないのが、アルギニン。アミノ酸の一種で成長ホルモンを促進させ、NOを作り出すことで、近年、注目を浴びていますが、シトルリンはアルギニンの働きを活性化させる働きがあるのです。

 ある試験によるとシトルリンとアルギニンを併用したことで、運動パフォーマンスが楽になったという声も上がり、運動機能をあげる可能性が広がっています。

ウリ科に豊富なシトルリン

 スイカ由来のシトルリンは、ウリ科の植物に多く含まれます。スイカ以外はきゅうり、メロン、冬瓜などが代表的です。

スイカ1切れ(90g)・・・160mg
きゅうり1本    ・・・5〜10mg
メロン1/4個(125g)・・・62mg

 ほか、ゴーヤなどにも含まれますが、生食できるものが多いので、気軽に食事から摂ることができます。疲労回復であれば、酢の物にして食べるといいですね。代謝をアップし、トレーニングで傷ついた筋組織の修復をサポートする亜鉛と一緒に摂ると、相乗効果で筋肉増強が期待できます。

 亜鉛を多く含むのはタンパク質豊富な食材で、豚レバー、牛もも肉、鶏もも肉、大豆製品など。魚介類は牡蠣、ホタテに多く含まれているので、冬は鍋にすると効率的に摂取できます。

 1日の推奨摂取量は800mg(食品安全委員会より)。ただ、1日の推奨量を食事だけで摂るのは難しく、トレーニングでパフォーマンスを上げたいならば、やはりサプリメントを取り入れるのが良いでしょう。

サプリメントを選ぶ際はここを見る

 シトルリンを含んだサプリメントはたくさんありますが、その多くがアルギニンも入っています。サプリメントの中には1粒800mgや1000mgなど1日の推奨摂取量分を摂れるものがありますが、含有量が多い方が良いのでしょうか。

「含有量よりもGMP基準を満たしているものを選ぶ方がいいですね」(那須さん)

 GMPは原材料入荷から製造過程、出荷まで一定の品質が守られていることの証明になります。パッケージなどに「GMPマーク」がついているかも目安になっています。

その他の作用は

 シトルリンには尿素回路をスムーズにする働きがあります。尿素回路によって体の毒素は尿素に変わり、無毒化されます。しかし、それが過剰に働くと嘔吐や昏睡といった症状を引き起こすこともあります。尿素回路の異常で起こるシトルリン血症と診断された人は、医師との相談が必要です。また、血圧を抑える降圧剤を服用している場合は効果を過剰にしてしまうので、注意をしましょう。

 いずれにせよ、過剰摂取は禁物です。とはいえ、健康な人が食材や適性量のサプリメントで摂る分には神経質になる必要はありません。シトルリンは毒性も低く、過剰でなければ問題はないので、スポーツをする人は意識的に摂取することをおすすめします。

[監修者プロフィール]
那須由紀子(なす・ゆきこ)
管理栄養士。プレ・ニュートリション 日本栄養士会認定栄養ケア・ステーション代表。病院管理栄養士として臨床経験を積みながら、分子整合栄養医学を学ぶ。独立後、精神疾患における栄養療法も行う管理栄養士として、栄養指導、うつ病による休職者の復帰プログラムに取り組んでいる。そのほか講演会、セミナー、メディア出演、執筆など、活動は多岐に渡る。著書に『栄養で人生は変わる-食はあなたの人格を作り、人生の良し悪しを決める!-』(旭屋出版)、『疲れた心がラクになる食べ方大全』(永岡書店)がある
【公式HP】https://pre-nutrition.com

●『疲れた心がラクになる食べ方大全』(永岡書店) ≫公式ページ

<Text:廉屋友美乃/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

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