【専門家監修】なぜ愛着障害があると恋愛で悩みやすい?その理由と、今日からできる対処法 (3/7)
恐れ・回避型:近づきたいのに怖くなる
恐れ・回避型は、不安型と回避型の両方の特徴を持ちます。親密さを求めながらも、同時に恐れる、もっとも苦しいタイプといえます。

恋愛での特徴
- 「愛されたい」と強く思う一方で、「裏切られるのでは」と恐れる
- 近づいたり離れたりを繰り返し、相手を混乱させる
- 相手が優しくしてくれると不安になり、突き放してしまう
- 関係が深まると、わざと壊すような行動をとる
- 「自分は愛される価値がない」と感じている
- 恋愛依存と恋愛回避を行き来する
- トラウマや虐待の経験があることが多い
背景にあるもの
幼少期に、養育者から虐待や不適切な養育をされたり、理不尽な環境で育てられたり、逆にきっちりしていて支配的な環境で育てられた経験が影響しています。
養育者自身が感情をコントロール出来ないなど非常に不安定であったり、子どもにどう対応して良いか分からないなどの混乱がある状態です。
虐待やDVのある家庭で育った場合、「愛してくれるはずの人が傷つける」という矛盾した状況を経験します。
その結果、「愛されたいけれど、近づくと傷つけられる」という葛藤が生じ、恋愛では近づいたり離れたりを繰り返します。
自己肯定感が低く、「自分は愛される価値がない」と感じていることも多いです。
安定型:信頼して関係を築けるタイプ
安定型の人は、健全な依存関係を築くことができます。恋愛でも、過度に不安になったり距離を取りすぎたりせず、バランスの良い関係を維持できます。

恋愛での特徴
- 相手を信頼し、安心して関係を深められる
- 自分の気持ちを適切に伝えられる
- 相手の気持ちも尊重できる
- 一人の時間も二人の時間も楽しめる
- 問題が起きても、冷静に話し合って解決できる
- 適度に甘え、適度に自立している
- 別れてもパニックにならず、前向きに次へ進める
背景にあるもの
幼少期に、養育者から一貫して愛情を受け、適切に応答してもらえた経験が土台になっています。「困ったときには助けてもらえる」「自分は愛される価値がある」という基本的信頼感が育っています。
ただし、安定型でも完璧ではありません。ストレスが大きい時期には不安型や回避型の傾向が出ることもあります。また、相手の愛着スタイルによっても影響を受けます。
全人口の約60%が安定型、残り40%が不安型・回避型・恐れ型に分かれると言われています。この割合は主に欧米の調査(※1)に基づいた目安であり、文化圏によって異なると考えられています。
なお、不安定な愛着スタイルを持っていても、自覚と努力によって安定型に近づくことは可能です。
(※1)Bartholomew, K., & Horowitz, L. M. (1991). Attachment styles among young adults: A test of a four-category model. Journal of Personality and Social Psychology, 61(2), 226–244.
次:恋愛の場面で出やすい「愛着のくせ」











