豆乳を飲むと男性ホルモンが減るはウソ!?実は男性も大豆製品を摂ったほうがいいワケ (1/3)
近年ブームが続く豆乳製品。ソイプロテインやソイヨーグルトなどが、性別を問わずヘルシー志向の人々の間で広く親しまれています。
その一方で、「豆乳を飲むと男性ホルモンが減る」というウワサを耳にしたことはないでしょうか? 巷でまことしやかに囁かれる説により、大豆製品を敬遠する男性は少なくありません。
しかし、大豆製品には「良質なたんぱく質」「大豆イソフラボン」「大豆オリゴ糖」「鉄や亜鉛などのミネラル」「食物繊維」など豊富な栄養素が含まれており、中でも大豆イソフラボンは男性の健康維持にも様々な好影響をもたらすことも分かっています。
男性の大豆製品摂取にまつわる誤解を解き、積極的に摂取すべき理由について、腸内フローラ検査「Mykinso(マイキンソー)」を提供する、株式会社サイキンソー管理栄養士の小川 静香さんに伺いました。
目次
- 第1章:「豆乳を飲むと男性ホルモンが減る」は都市伝説!男性の大豆イソフラボン摂取に抱かれる誤解
- 第2章:男性の健康には「大豆」が必要!腸内細菌が引き出す、大豆のパワー
- 第3章:今日から始める、「男の豆乳習慣」
第1章:「豆乳を飲むと男性ホルモンが減る」は都市伝説! 男性の大豆イソフラボン摂取に抱かれる誤解
なぜ男性は豆乳を敬遠するのか?——巷に溢れるウワサの真相
「豆乳を飲むと男性ホルモンが減る」このウワサの秘密は、豆乳などの大豆製品に含まれている大豆イソフラボンにあります。大豆イソフラボンには、女性ホルモンと似た働きをする「女性ホルモン様作用※1」があるためです。
ではこの女性ホルモン様作用は、本当に男性ホルモンを減少させるのでしょうか。
※1:体内で女性ホルモンと似た働きをする作用のこと。女性ホルモンと化学構造が似ている大豆イソフラボンなど植物由来の成分が、体内でエストロゲンの受容体と結びついて作用することで起こる
科学的根拠が示す、大豆イソフラボンと男性ホルモンの関係
その答えはノーです。
大豆イソフラボンを摂取することで、女性ホルモンの働きをサポートする作用があることは事実ですが、これが男性ホルモンに直接影響を与えることはありません。正確には、性ホルモンの働きの調整をしてくれる作用があると考えていただいても良いかと思います。
多くの研究で、通常の食生活で大豆食品を摂取する分には、男性ホルモンを減少させるなどの悪影響を与えないことがわかっています※2。したがって、ウワサのように男性ホルモンが減少する心配はないのです。
※2:Hamilton-Reeves JMら、Fertil Steril. 2010 Aug;94(3):997-1007.(メタアナリシス)
大豆イソフラボンが男性の身体にもたらす真の効果を解説!
男性ホルモンが減少する説は根拠のないウワサであること、お分かりいただけましたでしょうか。
大豆製品の摂取は男性の健康にとっても、多くのメリットがあります。大豆イソフラボンは、前立腺がんのリスク低減や、加齢による骨密度の低下を防ぐなど、さまざまな健康効果が期待できるためです。
また、大豆に含まれる食物繊維やオリゴ糖は、腸内環境を改善させることも分かっています。男性も積極的に大豆製品を摂った方がいい理由はこうした点にあります。
第2章:男性の健康には「大豆」が必要! 腸内細菌が引き出す、大豆のパワー









