朝起きたらまず「口をゆすぐべき」理由。朝イチの口の中は“見えない菌”だらけ!
朝起きてすぐ、「口がねばつく」「口臭が気になる」という人も多いはず。それは気のせいではなく、寝ている間に口の中で細菌が爆発的に増えているからです。
「朝イチにコップ1杯の水」、その前に軽く口をゆすいで菌を減らすだけで、口内環境が大きく変わります。医療法人社団和奏会 まつむら歯科クリニック 松村賢先生監修のもと、見ていきましょう。
朝、水を飲む前に“うがい”や“歯磨き”を。実はとても大切な理由
寝ている間、口の中は唾液の分泌が減少し、雑菌が繁殖しやすい状態になります。
朝起きた直後の口内は、トイレの便器よりも細菌が多いと言われることもあるほど。そんな状態のまま水を飲んでしまうと、口内の細菌をそのまま胃や腸に送り込んでしまうことになります。
健康な人であれば胃酸が菌をある程度殺してくれますが、体調が悪いときや胃腸が弱っているときには要注意。飲み込んだ菌が腸内環境を乱す、胃に負担をかけてしまう可能性もあるのです。

近年では、口内の悪玉菌が腸にまで影響を及ぼし、腸内フローラを乱す要因になるとも言われています。
腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど体調やメンタルに影響する臓器。だからこそ、朝イチでお口の環境を整えることが、結果的に全身のコンディションを整える第一歩になるのです。
とくに高齢者や免疫力の低下している方にとっては、誤って菌を気管に送り込むことで起こる「誤嚥性肺炎」のリスクもあるため、朝の口腔ケアは命を守る習慣とも言えます。
口内の菌を胃に送り込むことによるデメリット
- 胃や腸の負担になる可能性がある
- 口腔内細菌が「腸内環境の悪化」に影響することも
- 誤嚥性肺炎のリスクにもつながりやすい
理想は「起床後すぐの歯みがき」
本来もっとも効果的なのは、起床後すぐの歯みがき。歯ブラシで物理的に菌を除去でき、口臭・虫歯・歯周病のリスクも減ります。
「寝起きにうがい→朝食後に歯みがき」の2段構えが理想です。
水うがいでも十分に効果あり
歯みがきの時間が取れない場合は、水うがいだけでもOK。30秒ほど、やさしく口の中を全体的にゆすぐだけでも菌の数は1/10以下に減ります。
マウスウォッシュを使う場合は、アルコールの刺激が強すぎないタイプを選ぶとよいでしょう。
監修者プロフィール
医療法人社団和奏会 まつむら歯科クリニック 松村賢先生
医療法人社団 和奏会 まつむら歯科クリニック理事長。「いつまでも美味しく食べる」をモットーに、予防歯科を中心とした診療に力を入れる。“治す歯科”ではなく“守る歯科”を実践し、悪くなる前に通う歯医者として地域医療に貢献。患者一人ひとりが生涯にわたって「おいしく食べる幸せ」を感じられるよう、口腔の健康をサポートしている。
所属学会・資格
・日本補綴歯科学会 会員
・日本インプラント学会 会員
・日本摂食嚥下リハビリテーション学会 会員
<Edit:編集部>








