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2025年12月17日

「白湯」を毎日飲む効果とは。免疫力が高まるってホント?いつ飲めばいい?正しい作り方も

「白湯は体にいい」とよく聞くけれど、実際のところどんな効果があるのでしょうか?

白湯を毎日飲むと、冷えや腸内環境の改善、そして免疫力を整えるサポートなど、さまざまなメリットがあるとされています。

くわしい効果や、より効果的な飲み方・タイミング、1日に飲む適量について、専門家たちの解説をお届けします。

「白湯」とは。知っているようで曖昧かも

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師・中田 早苗さん
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

白湯とは、水を沸騰させて不純物を取り除き、50~60℃くらいまで冷ました飲み物のことです。

起源といわれるインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」では、白湯が体を浄化し、健康を促進する効果があるとされ、不調を治すデトックスドリンクと考えられています。

日本でもお茶や水道水が普及する以前は、清潔な水を飲む手段として重宝されていました。最近では健康ブームやメディアで取り上げられたことにより、白湯への注目が高まっています。

白湯とお湯、何が違うの? 違いは「沸騰」

お湯は水を温めたもののことです。料理や飲み物のベースとして使われるもの以外に、飲用以外のお風呂のお湯なども含まれます。

お湯は必ずしも沸騰させる必要はなく、沸騰させずに40℃以上まで温めたものがお湯と区別されます。

白湯はしっかり沸騰させて、冷ます

一方、白湯は水を100℃までしっかりと沸騰させて不純物をなくし、そのあとに50〜60℃くらいまで冷ましたものです。

白湯を35〜37℃くらいまで冷ませば、湯冷ましにもなります。

水道水の場合、沸騰させなければ少量の塩素やそのほかの成分により、カルキ臭を感じてしまう方もいるでしょう。沸騰させて不純物を取り除くことで、口当たりが変わりまろやかで飲みやすくなります。

白湯を毎日飲むと、どんな効果がある?

知ると毎日とり入れたくなる、白湯に期待できる効果を見ていきましょう。

便秘解消、利尿作用

白湯は、熱すぎない温度で自然に内臓を温めることで、胃腸の働きを促進させます。水分をとることで便が柔らかくなり、さらに腸のぜん動運動が活発になるため、便秘解消に効果的です。

便秘にはストレスも関わっている場合があるため、温かい白湯を飲むことで得られるリラックス効果による改善も期待できます。

ほっと一息つきながら、ゆっくりと時間をかけて飲みましょう。

また、水分を摂取するので尿量が増え、血液中の老廃物も排出されやすくなります。体中の血液やリンパの流れがよくなり、むくみの改善にも繋がります。

冷え性の改善

白湯は体を内側からじんわりと温めてくれるので、冷え性の対策にもおすすめです。体内から温められることで代謝が促され、末端まで血液の巡りがよくなります。

とくに体温が下がっている寝起きには、早めに体温を上げることが大切です。朝の1杯目はミネラルウォーターを電子レンジで温めて、サッと飲めるようにしておくといいでしょう。

冷えからくる肩こりや腰痛にも効果的です。パソコン作業で体を動かす機会があまりない方は、合間に白湯を飲んでみましょう。

ダイエット効果

体温が上がることで基礎代謝が多少高まり、エネルギー消費が促進される可能性がありますが、基礎代謝の大幅な向上や免疫機能の劇的な改善については明確なエビデンスは多くありません。

しかし、白湯を飲むことで水分補給がしっかりとでき、代謝が正常に働きやすくなることは確かです。

なぜ?「白湯」で免疫力が整う3つの理由

基礎代謝が高まることで、身体がエネルギーを消費しやすくなり、結果として脂肪燃焼効率も向上します。運動と組み合わせることで、よりダイエット効果を高めることができるでしょう。

体質や個人差によって異なるため、白湯を飲むだけで劇的な変化を期待するのは難しいかもしれませんが、基礎代謝アップに役立つ習慣として取り入れる価値はあります。

●むくみ解消、便秘解消によるダイエット効果

水分補給が不十分な場合、便秘やむくみの原因となるため、適度に白湯を飲むことで体調管理に役立つ可能性があります。

●温かい飲み物を少しずつ飲むと食欲が落ち着くことも

また、食べすぎを防ぐ効果もあります。お腹がすいてお菓子を食べたくなったときに、白湯を1杯飲んでみてください。胃腸を温めることで食欲が少し落ち着きます。

肌を整える効果

肌トラブルの原因のひとつに、胃腸機能の低下が挙げられます。

胃腸の機能が低下すると、必要な栄養が十分に吸収されなくなったり、老廃物が溜まることで、ニキビや皮脂の過剰分泌といった肌トラブルが発生しやすくなります。

白湯を飲むことで胃腸を温め、消化器官の働きをサポートすることが期待できます。 胃腸の機能が整えば、栄養素の吸収がスムーズになり、腸内環境も改善されるため、老廃物の排出が促進されます。

これにより新陳代謝が良くなり、肌のターンオーバー(肌の再生周期)が正常化しやすくなるため、肌荒れが改善される可能性があります。

ただし、白湯を飲むことによる肌トラブル改善効果については個人差があり、食生活や生活習慣全体の見直しがマストです。

●血行が良くなることで顔色が明るく見える

体が温まると毛細血管が広がり、血行が良くなることで顔色が明るく見える効果が期待できます。

寒い時期で血色が悪くなりがちな方は、白湯を飲んで内側から体を温めることで、自然な血色感を引き出しやすくなります。

白湯を飲むと免疫力が高まる?

実のところ、直接的に“免疫力がアップする”という医学的根拠は少ないですが、間接的に免疫機能を“整える”働きがあると考えられています。

監修者プロフィール

沢岻美奈子女性医療クリニック 神戸院 院長
押切 佳代先生

「沢岻美奈子女性医療クリニック」神戸院 院長。内科学会認定医、糖尿病学会専門医。乳がん・子宮がん・骨ドックなど女性特有の検診と、理事長の産婦人科医による更年期世代を中心としたヘルスケア領域の診察、糖尿病専門医の院長によるダイエット外来など、女性をトータルで診療できる体制を整えている。

① 内臓を温めて血流アップ → 免疫細胞が働きやすくなる

白湯を飲むことで胃腸や内臓が温まり、血流が促進されます。

血液には免疫細胞が含まれており、血流がよくなることで体中にスムーズに巡りやすくなり、免疫バランスが整いやすくなると言われています。

② 自律神経の安定 → ストレスによる免疫低下を防ぐ

白湯の“ほっとする温かさ”は、副交感神経を優位にし、心と体をリラックスさせる効果があります。

ストレスや緊張が続くと免疫力は低下しやすくなるため、白湯で自律神経が整うことが、間接的に免疫を守ることにつながるのです。

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③ 腸を整える → 免疫力の土台づくりに

白湯は腸を刺激してぜん動運動を促し、便通の改善や腸内環境のサポートにも役立ちます。

腸は免疫細胞の約70%が集まる“免疫の要”とも言われており、腸が整えば免疫も整うというのは現代の栄養学でも注目されている考え方です。

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白湯を飲むタイミングはいつがいい?

白湯とは一般的に「水を一度沸騰させた後に、50℃程度の飲みやすい温度まで冷ましたもの」を指します。湯冷ましとも呼ばれ、50℃程度の温かいお湯が身体機能の活性化を助けてくれます。

いつ飲んでも問題ないですが、目的別に飲むタイミングを決めるとよいでしょう。

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師・山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

朝に飲むと「胃腸の活性化、水分補給」

白湯を飲むのに良いタイミングのひとつが「朝」です。起床後にコップ1杯の白湯を飲むことで、胃腸が温まり活性化し、お通じがよくなります。

さらに、胃腸の活性化とともに脳の覚醒も促されるため、身体を中から目覚めさせるのにおすすめのタイミングです。

また、寝ている間にはコップ1杯程度の汗をかくため、就寝中に失われた水分を補給できるという面でも効果的なタイミングといえるでしょう。

食前に飲むと「消化促進」

白湯を食前に飲むことで、胃腸が温まり消化機能が促進されます。食事の30分前を目安にコップ1杯の白湯がいいでしょう。

食後に白湯を飲む場合は、できれば「食後30分〜」経過してから飲むようにするとより効果的です。

食事直後に大量の水分を摂ると、胃に一時的に負担をかける可能性がありますが、適量であれば消化に大きな影響はありません。

それでも胃腸が落ち着いてきたタイミングで白湯を飲むことで、消化のサポートやリラックス効果を期待できると言われています。

就寝前に飲むと「冷え予防、自律神経を整える」

寝る前に白湯を1杯飲むのもおすすめです。白湯を飲むことで体が温まる、自律神経のバランスを整える、リラックスする効果が期待できます。

ただし、就寝前に飲みすぎると夜にトイレで起きてしまい、睡眠の質が低下する可能性があります。そのため、寝る30分以上前にコップ1杯程度をゆっくりと飲む程度がいいでしょう。

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基本はこれ! 白湯の作り方

白湯の効果をきちんと得るためには作り方が大切です。水道水かミネラルウォーターでも大きく変わります。ライフスタイルに合わせた方法で取り入れていきましょう。

水道水で作る場合

日本の水道水は少量ですが塩素(カルキ)やトリハロメタンなどが含まれています。東京都水道局は「生涯にわたり摂取しても健康に影響が生じない水質基準」としていますが、気になる人は5分程度しっかりと沸騰させるとよいとのことです(※)

(※)東京都水道局 水道水の安全性・その他

大きな泡が出るくらい沸騰したら、弱火にして10~15分沸騰させ続けます。

カップに移し、50~60℃になるまで冷まします。

フーフーと息を吹きかけずに飲めるくらいがベストな温度です。やかんなどで1日分を作って保温機能の高い水筒などに入れると、毎回作る手間を省くことができます。

  • 浄水器を使用してもOK

浄水器を設置すれば、塩素やトリハロメタンなどをろ過してくれるので、沸騰の手間を省くこともできますが、塩素が抜けると雑菌が繁殖する可能性が高くなるので、翌日に持ち越すのは控えましょう。

ミネラルウォーターで作る場合

ミネラルウォーターは沸騰させて不純物を取り除く必要がないため、電気ケトルで沸かしても問題ありません。

電子レンジなら600Wで1分半程度で作ることができます。水道水で作った場合と同じく、温めた後に息を吹きかけずに飲める温度にまで冷ましましょう。

起きてすぐや寝る前に飲む場合は「軟水」がおすすめです。硬水は健康によいとされていますが、軟水よりも胃腸へ負担をかけてしまいます。

白湯はゆっくりと内臓を温めてあげることが1番大切なので、胃腸に負担をかけないようにしましょう。

白湯は1日どれくらい飲めばいい? 

1日の摂取目安量は600〜800ml

1日に白湯を飲む量は600~800mlを目安にしましょう。白湯を飲みすぎると、胃液が薄められて消化吸収が悪くなったりむくみにつながったりする可能性があります。

200mlのカップで3、4杯程度がベストです。一度に飲むのではなく、飲むタイミングを決め、何回かに分けて飲みましょう。

<Edit:編集部>